症例概要
1ヶ月前から 喉の痛み、違和感、咳、ぶつぶつを自覚し受診。 梅毒の検査・治療を希望したため検査を実施した結果、TP抗体値が基準値の67倍、RPR抗体値が49倍を超える高値を示し、梅毒陽性と診断。 治療はアモキシシリンを処方し、治療を開始した。
1ヶ月前から 喉の痛み、違和感、咳、ぶつぶつを自覚し受診。 梅毒の検査・治療を希望したため検査を実施した結果、TP抗体値が基準値の67倍、RPR抗体値が49倍を超える高値を示し、梅毒陽性と診断。 治療はアモキシシリンを処方し、治療を開始した。
性行為
◾️問診:現在の症状、感染機会や既往歴について問診を実施。 ◾️検査:梅毒の検査を希望。検査の結果、TP抗体値が基準値の67倍、RPR抗体値が基準値の49倍を検出したため梅毒と診断。 ◾️治療:アモキシシリンを14日分処方し、治療を開始した。 ◾️指導:アモキシシリン服用終了後、3か月後に再検査を行い、抗体値が低下していることを確認するように通達。また、治癒までは性行為を控える旨を説明。
梅毒は近年、日本国内で報告数が著しく増加している代表的な性感染症であり、行政(厚労省)からも強い注意喚起がなされています。SNSをはじめとするオンライン上での偶発的な出会いの増加が一因として挙げられています。疾患の経過として、初期段階では性器周辺の結節、バラ疹と呼ばれる全身性の皮疹、発熱などを伴いますが、これら「早期梅毒」の所見は1週間程度で自然消退します。しかし病原体が消失したわけではないため、未治療のまま1年以上経過すると「後期梅毒」へと移行し、ゴム腫の出現による歩行機能障害など重度な病態を招きます。このため確実な予防をすることが重要になります。予防法の一つとして、性行為から72時間以内に服薬するドキシペップという薬があり、梅毒罹患リスクを約70%低減することが可能です。さらに、コンドームと併用することで、より高い予防効果を期待できます。
治療薬の服用開始後、薬剤の作用によって体内の梅毒トレポネーマ(原因菌)が分解される際、一時的に発熱、悪寒、頭痛、筋肉痛や、既存の皮疹が増悪する現象が生じることがあります。これはヤーリッシュ・ヘルクスハイマー反応と呼ばれる生体反応です。薬物アレルギーではなく、薬が菌に作用しているプロセスで起こるため、ほとんどの場合は24時間以内に落ち着きます。そのため、経過観察を行うのが一般的です。服用に伴い、消化器症状(悪心、下痢、食欲低下など)を伴うことがありますが、軽微で経過することが大半です。なお、頻度は低いものの、肝機能障害や、服用開始8日目あたりに発生するアレルギー性の薬疹には注意が必要となるため、体調の変化に留意して服用を継続していただきます。
百束全人
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