HPV(ヒトパピローマウイルス)
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- HPV(ヒトパピローマウイルス)
- 症状・潜伏期間
- 検査・治療
- 予防
- 女性:専用のぬぐい棒で自己採取していただきます
- 男性:男性器の周囲または肛門をぬぐって採取します
- 咽頭:うがい液を用いて採取します
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- CIN1(軽度異形成):上皮の下から3分の1未満にとどまる状態
- CIN2(中等度異形成):上皮の下から3分の1以上に達した状態
- CIN3(高度異形成・上皮内がん):上皮の3分の2以上を占める状態
- 採取した部位から、その時点でHPVが検出されるかどうか
- 検出された場合、それが高リスク型か低リスク型か
- 全型別の検査では、検出された型の種類
- いつ、誰から感染したのか
- その感染が自然に消えるのか、続くのか
- がんがあるかどうか
- 採取していない部位に感染があるかどうか
- 性器や肛門の周囲にイボなどの気になる変化がある
- パートナーがHPV陽性、または子宮頸部の異常を指摘された
- これまでの経過をふまえて、現在の状態を確認しておきたい
- ワクチン:これから感染する型を防ぐ(一次予防)
- 検査・検診:感染や細胞の変化を見つける(二次予防)
- HPV(低リスク)
- 9,800
- HPV(中・高リスク)
- 19,800
- HPV(全型)
- 24,800
- 採取した部位にHPVが検出されるかどうかを調べる検査です
- がんの有無を判定する検査ではありません
- 自治体が行う子宮頸がん検診の代わりにはなりません
- 陰性でも、採取していない部位の感染を否定するものではありません

HPV(ヒトパピローマウイルス)は、性行為によって感染するありふれたウイルスです。感染しても多くは2年以内に自然に排除されますが、一部の型では感染が続き、子宮頸がんや中咽頭がん、尖圭コンジローマなどの原因になります。
当院では、HPVの検査とワクチン接種の両方に対応しております。ご不安なことがありましたら、検査を受けるかどうかも含めてご相談ください。
目次
HPVについての要約
症状・潜伏期間
HPVには100種類以上の型があり、大きく「低リスク型」と「高リスク型」に分けられます。
【低リスク型(6型、11型)(感染機会から3週間~6ヶ月)】
性器周辺にカリフラワー状のイボが現れます。痛みや痒みはありませんが、再発しやすいのが特徴です。
【高リスク型(16型、18型など)】
長期間感染が続くと、数年から数十年かけて子宮頸がん、咽頭がん、肛門がん、陰茎がんなどを引き起こす原因となります。
検査・治療
【HPVの検査】
<男性>
男性器周辺や肛門を拭って検査を行います。
<女性>
女性では専用のぬぐい棒で自己採取により検査を行います。
<咽頭>
うがい液により検体を採取し、検査を行います。
【HPVの治療方法】
HPVを治療するお薬はありません。多くの場合は自然に消失するのを待ちますが、尖圭コンジローマを発症した場合は、塗り薬や焼灼などでイボを取り除く処置が行われます。
予防
HPVの予防には、ワクチン接種が最も効果的で、「4価」「9価」のワクチンでがんの原因となる型を防げます。コンドームは感染リスクを下げられますが、100%予防することは困難です。また、特に女性は子宮頸がん検診を定期的に受けることが推奨されます。
この記事の監修ドクター
百束 全人 ペアライフクリニック横浜院
平成30年 日本医科大学医学部 卒業
▼資格
日本性感染症学会 会員
日本感染症学会 会員
日本エイズ学会 会員
日本泌尿器科学会 会員
直接人の役に立ちたいと医学の道を志し、泌尿器科・皮膚科での経験を経て、ペアライフクリニック院長に就任。
HPVについて
HPVの症状・潜伏期間
【低リスク型(6型・11型など)】
性器や肛門の周囲にイボが現れることがあります。これを尖圭コンジローマといい、原因は主に6型・11型です。感染してからイボが現れるまでには数か月かかることがあります。
HPVには200種類以上の型があり、大きく「低リスク型」と「高リスク型」に分けられます。
【高リスク型(16型・18型など)】
感染してもほとんど症状が出ません。そのまま感染が続いた場合に、15年から20年かけて子宮頸がん、中咽頭がん、肛門がん、陰茎がんなどの原因になることがあります。
HPVの検査・治療
【HPVの検査】
当院では、HPVが検出されるかどうかを調べる検査を行っております。検体の採取方法は部位によって異なります。
いずれも自由診療の検査です。なお、この検査は自治体が行う子宮頸がん検診とは別のものです。
【HPVの治療】
HPVのウイルスそのものを取り除く薬は現在のところありません。多くは免疫の働きで自然に排除されるため、経過を見ることになります。ただし、尖圭コンジローマや子宮頸部の細胞の異常など、HPVによって生じた病変が見つかった場合は治療の対象です。治療が必要かどうかは、検査の結果をもとに医師が個別に判断いたします。
HPVの予防
HPVの予防には、感染を防ぐワクチンと、感染したあとの変化を早く見つける検診の2つがあります。役割が違うため、どちらか一方では足りません。

HPVとは
HPVは、皮膚や粘膜に感染するウイルスの総称です。これまでに200以上の型(遺伝子型)が確認されています。そのうち約40種類が性器や口、のどなどの粘膜に感染します。性行為の経験がある人の多くが生涯に一度は感染するとされ、特別な人だけが感染するウイルスではありません。
HPVの型は200種類以上
HPVは、ウイルスの遺伝子の塩基配列がどれだけ似ているかによって型が分けられ、これまでに200以上の型に分類されています。このうち約40種類が粘膜から、約160種類が皮膚の病変から分離されています。
手足にできる一般的なイボもHPVによるものですが、性器やのどに感染する型とは別のグループです。
高リスク型と低リスク型の違い
粘膜に感染する型は、がんとの関わりの強さによって高リスク型と低リスク型に分けられます。
【高リスク型】
子宮頸がんの組織からDNAが検出される型で、少なくとも15種類が知られています。
16、18、31、33、35、39、45、51、52、56、58、59、68、73、82型の15種類です。このうち16型と18型は、日本人女性の子宮頸がん(浸潤がん)を対象とした複数の国内研究で、64.9〜71.2%から検出されたと報告されています。
【低リスク型】
がんの原因にはなりにくい一方で、目に見えるイボをつくる型です。尖圭コンジローマの主な原因は6型と11型です。
高リスク型は症状が出ないまま感染が続くことがあり、低リスク型は症状が出るかわりにがんにはなりにくい、という違いがあります。どちらか一方に感染するとは限らず、複数の型に同時に感染することもあります。
どれくらいの人が感染しているのか
性行為の経験がある女性では、一生涯に80〜90%が何らかのHPVに感染すると推定されています。
男性については、日本国内で泌尿器科を受診した男性798名のうち24.8%からHPVが検出されたという報告があります。
いずれも対象や検査した部位によって数値は変わります。共通して言えるのは、HPVの感染そのものは稀な出来事ではないということです。
HPVの感染経路
HPVは、性行為などによって生じた皮膚や粘膜の小さな傷から入り込み、上皮のいちばん下にある基底細胞に感染します。腟性交だけでなく、口を使った性交や肛門性交でも感染します。一度の性行為でも感染することがあるとされています。
高リスク型は自覚症状をほとんど起こさないため、感染に気づかないことがほとんどです。
HPVに感染する部位
HPVは性器だけでなく、口やのど、肛門にも感染します。感染が成立するのは、皮膚や粘膜の小さな傷からウイルスが基底細胞に到達したときです。
HPVに感染する行為
腟性交だけでなく、口や肛門を使った性行為でも感染します。挿入を伴わない皮膚どうしの接触でも感染しうるため、コンドームだけで完全に防ぐことは難しいとされています。
性行為以外でうつることはあるのか
HPVの主な感染経路は、性行為による皮膚と粘膜の接触です。国立がん研究センターは、会話、握手、食器の共用、洗濯、入浴などで感染することはなく、日常生活で特に注意する必要はないとしています。
手指や物を介した感染はまれに起こりうると報告されていますが、その頻度や仕組みはまだ十分にわかっていません。便座など物の表面からHPVの遺伝子が検出された例もあります。ただし、そこから実際に感染が成立したことを示す根拠はありません。
キスによる感染についても、可能性を完全には否定できないものの、主要な経路として確立しているわけではありません。
なお、出産のときに母親から赤ちゃんに感染することがあり、まれに再発性呼吸器乳頭腫症という病気の原因になります。この場合の原因も6型・11型です。
HPVに感染したあとの経過
HPVに感染したあと、体の中では次のような経過をたどります。多くの方は最初の段階で終わります。
感染→自然に排除される(大多数)→ 排除されずに感染が続く(持続感染)
→ 細胞に異常が生じる(前がん病変)→ がんに進行する(ごく一部)
この経過は一方向に進むわけではなく、途中で戻ることも知られています。
前がん病変とは、がんになる前の段階で生じる細胞の変化を指し、周囲に広がるがん(浸潤がん)ではありません。ここで見つかれば、浸潤がんになる前に対応できます。ただし、前がん病変のうち最も進んだ段階には「上皮内がん」と呼ばれる状態が含まれ、見つかった場合は確定診断と治療の対象になります。
HPVは自然に治るのか
HPVに感染しても、およそ10人に9人は2年以内に自然に検出されなくなるとされています。WHOも、約90%の人では体の免疫によって自然に排除され、多くは1〜2年以内に消失するとしています。
子宮頸部の軽度の細胞異常についても、国内の研究で64.0%が2年以内に消失したと報告されています。
つまり、HPVが検出されたことがそのまま病気を意味するわけではありません。
排除されずに感染が続くことがある
一部の方では、免疫でウイルスが排除されずに感染が続きます。この状態を持続感染といいます。
高リスク型の感染が6か月以上続いた場合、前がん病変につながるリスクが高いと報告されています。持続感染となった場合、通常5年から10年以内に子宮頸部の前がん病変が生じるとされています。
持続感染しているかどうかは症状ではわかりません。同じ型のHPVが時間をおいて繰り返し検出されるかどうかで判断します。
がんに進むまでには年単位の時間がかかる
HPVに感染してから子宮頸がんの発症までには、一般に15年から20年程度かかると考えられています。未治療のHIV感染症など、免疫の働きが低下している状態では5年から10年と短くなることがあります。
前がん病変がすべてがんになるわけではありません。周囲に広がる子宮頸がんが生じるのは、高リスク型HPVに感染した人の約0.15%と推定されています。
長い時間がかかるということは、途中で見つける機会があるということでもあります。定期的な検診が有効とされているのはこのためです。
感染しても自分では気づけない
高リスク型のHPVに感染しても、痛みやかゆみ、おりものの変化といった自覚症状はほとんど現れません。前がん病変の段階でも、また初期の子宮頸がんでも、通常は自覚症状がほとんどないことが知られています。症状がないからといって、異常がないとは限りません。また、気になる症状がある場合も自己判断せず、婦人科を受診してください。
症状が出てから受診するのでは、すでに進行していることがあります。心当たりのある行為をした方、しばらく検診を受けていない方は、症状の有無にかかわらず一度ご相談ください。
HPVによる病気
HPVが関わる病気は、子宮頸がんだけではありません。感染する部位に応じて、男女ともに複数の病気の原因になります。
女性に起こるHPV関連の病気
子宮頸がんの95%以上には、子宮頸部での高リスク型HPVの持続感染が関わっています。日本では、女性のHPV関連がんのおよそ8割を子宮頸がんが占めます。
男性に起こるHPV関連の病気
男性にはHPVの定期的な検診の仕組みがなく、感染していても気づく機会が少ないのが実情です。中咽頭がんは男性に多く、子宮頸がんを除くHPV関連がんの中では最も罹患数が多いがんです。
男女に共通する尖圭コンジローマ
尖圭コンジローマは、性器や肛門の周囲にイボができる病気です。原因は主にHPV6型・11型で、がんの原因となる高リスク型とは別のグループに分類されます。
2024年の感染症発生動向調査では、全国の性感染症定点医療機関から年間6,387件が報告されています。
症状や治療法、再発については、こちらで詳しくご案内しております。
HPVと子宮頸がん

子宮頸がんは、子宮の入口にあたる子宮頸部にできるがんです。その95%以上は、高リスク型HPVの持続的な感染が原因とされています。
高リスク型のうち16型・18型の寄与はとくに大きいとされています。日本人女性の子宮頸がん(浸潤がん)を対象とした複数の国内研究では、64.9〜71.2%から16型・18型が検出されたと報告されています。
31型・33型・45型・52型・58型など、ほかの高リスク型が原因となることもあります。
子宮頸がんの罹患数と死亡数
2023年の全国がん登録では、子宮頸がんと診断された人は年間10,457例でした。2024年の人口動態統計では、子宮頸がんによる死亡は年間2,751人と報告されています。
一生のうちに子宮頸がんと診断される割合は1.3%(79人に1人)と推計されています。
罹患率は20歳代後半から40歳代にかけて高くなり、その後は緩やかに低下する傾向があります。ほかの多くのがんが高齢になるほど増えますが、子宮頸がんはこの年代がピークです。2023年に子宮頸がんと診断された方は、20歳代が128人、30歳代が1,300人でした。女性のがん全体では、20歳代・30歳代で診断される方は2.9%です。一方、子宮頸がんと診断された方のうちでは、この年代が13.7%を占めます。ほかの多くのがんより若い年代から増えはじめるがんです。
子宮頸がんは前がん病変を経て進行する
子宮頸がんは、ある日突然発症するわけではありません。その大部分は、前がん病変である子宮頸部上皮内腫瘍という段階を経て進行します。
CINは異常な細胞が広がっている範囲によって3段階に分けられます。
CIN1の多くは自然に消えます。国内の研究では、18〜54歳の女性のCIN1のうち64.0%が2年以内に消失し、5年後も進行しなかった確率はおよそ90%と報告されています。
段階が進むにつれて経過観察から治療へと方針が変わります。
初期は自覚症状がほとんどない
HPVに感染した段階、前がん病変の段階、そして初期の子宮頸がんでは、自覚症状がほとんどありません。
進行すると、月経以外の出血、性交時の出血、おりものの量や色・においの変化などがみられることがあります。さらに進むと下腹部の痛みや腰の痛みが現れることもあります。
症状が出る前の段階で見つけるには、定期的な検診が有効とされています。当院のHPV検査も、現在の状態を確認する手段のひとつです。気になる症状がある場合は、検診の時期を待たずに一度受診してください。

HPVと中咽頭がん
中咽頭がんは、のどの奥にあたる中咽頭にできるがんです。扁桃や舌の付け根などが含まれます。日本でも、中咽頭がんの半数以上がHPVに関連すると考えられています。
中咽頭がんは男性に多い
2023年の全国がん登録で「中咽頭」として集計されたがんの罹患は2,467例で、そのうち男性が2,000例、女性が467例でした。子宮頸がんを除くHPV関連がんの中では最も罹患数の多いがんです。
主な症状は、のどの違和感、長く続くのどの痛み、飲み込みにくさ、飲み込むときの痛み、のどからの出血、首のしこりなどです。
かぜとの区別がつきにくく、症状が続いても様子をみてしまいやすいがんです。
のどのがんには定められた検診がない
子宮頸がんには国の指針で定められた検診がありますが、中咽頭がんについては指針として定められたがん検診がありません。
HPVの潜伏期間
HPVの潜伏期間は、型によって考え方が大きく異なります。
【低リスク型(尖圭コンジローマ)】
感染してからイボが現れるまでは、数週間から3か月程度とされています。報告により幅があり、いつ感染したかを特定できないことがほとんどです。
詳しい潜伏期間については尖圭コンジローマのページでご案内しております。
【高リスク型】
症状が出ないため、潜伏期間という考え方ではありません。感染が続いた場合に細胞の異常が生じるまでに5年から10年、感染してからがんの発症までには15年から20年程度かかるとされています。
心当たりのある行為から日が浅い場合、検査を受けても感染の有無が正しくわからないことがあります。検査を受ける時期については、行為からの日数を医師にお伝えのうえご相談ください。
HPV検査でわかること・わからないこと
HPV検査は、採取した部位からその時点でHPVが検出されるかどうかを調べる検査です。がんかどうかを判定する検査ではありません。
検査を受けるかどうかを決めるうえで、この検査で何がわかり、何がわからないのかを先にお伝えします。
検査でわかること
高リスク型が繰り返し検出される場合は、その後の検査の受け方を医師と相談する材料になります。
検査でわからないこと
男性の場合はさらに注意が必要です。1か所をぬぐった検査で陰性であっても、ほかの部位の感染まで否定できるわけではありません。採取する部位によって検出される割合が大きく異なるためです。
HPV検査で陰性の場合
HPVが検出されなかったことは、その時点で採取した部位からウイルスが見つからなかったという意味です。
採取していない部位の感染や、量が少なくて検出されなかった可能性は残ります。また、その後に新たに感染することもあります。陰性であっても、女性は子宮頸がん検診を続けてください。男性やのど・肛門の検査を受けた方も、陰性であることを今後の目安にはできません。イボやのどの症状など気になる変化が出たときは、前の検査結果にかかわらず受診してください。
HPV検査の種類と受け方

当院では、次の3つのHPV検査を行っております。ご希望や状況に応じてお選びいただけます。
| 検査 | 調べられること |
|---|---|
| HPV(低リスク) | 尖圭コンジローマの原因となる型を調べます |
| HPV(中・高リスク) | がんの原因となりうる高リスク型を調べます |
| HPV(全型) | 低リスク型から高リスク型まで型を判別します |
どの検査を受けるかは、症状の有無やご不安の内容によって変わりますので、医師にご相談ください。
女性のHPV検査
女性は、専用のぬぐい棒でご自身で採取していただきます。内診台に上がる必要はありません。この検査はHPVが検出されるかどうかを調べる自由診療の検査で、自治体が行う子宮頸がん検診とは別のものです。
男性のHPV検査
男性のHPV検査は、がん検診として位置づけられた検査ではありません。
この検査でわかることの範囲をご理解いただいたうえで、ご自身の状況を確認するために受けてください。
検査でわかることには限りがあります。そのうえで受けるかどうかを一緒に考えますので、迷っている段階でご相談いただいてかまいません。
男性のHPV検査について→パートナーがHPV陽性といわれたら
パートナーの検査でHPVが見つかった、あるいは子宮頸部の異常を指摘されたという理由でご相談に来られる場合もあると思います。
HPVが見つかったことは、どちらかに落ち度があったという話ではありません。
どちらから移ったかは特定できない
HPVはパートナー間で共有されることが多く、どちらが最初に感染したのかを検査で特定することはできません。
感染してから見つかるまでに年単位の時間が経っていることもあります。今回見つかったことが、最近の出来事を示しているとは限りません。
その後の性行為について
HPVが見つかったからといって、性行為をやめなければならないわけではありません。
尖圭コンジローマなど目に見える病変がある場合は、治療が済むまで性的な接触はお控えください。高リスク型が検出された場合の対応は、病変の有無や治療の段階によって変わります。
どのように過ごすと良いかは状況によって異なりますので、お二人でご来院いただいてのご相談も可能です。
HPVの治療
HPVというウイルスそのものを取り除く治療は、現在のところありません。治療の対象になるのは、HPVによって生じた病変です。
ウイルスそのものを取り除く治療はない
ウイルス自体に対する治療はなく、治療できるのはHPVが引き起こした健康上の問題であるとされています。
HPVが検出されただけで、病変がない場合には治療を行いません。多くは免疫の働きで自然に排除されるため、経過を確認していくことになります。この間、何もできないわけではなく、定期的な検査で状態を確認する、ワクチンで未感染の型を予防する、といった選択肢があります。
ワクチンは感染を防ぐためのもので、すでに感染している型を排除する働きはありません。ただし、ワクチンが対象とする型のすべてに同時に感染していることは多くありません。そのため、感染していない型に対する予防としての意義は残ります。
病変が見つかった場合の治療
【尖圭コンジローマ】
尖圭コンジローマが見つかった場合は治療の対象になります。治療の方法は複数あり、病変の部位や広がりをふまえて医師が提案します。治療でイボが消えたあとも再発することがあるため、経過観察のための受診を続けてください。
詳しい治療の内容はこちらでご案内しております。
【子宮頸部の細胞の異常】
CIN1は自然に消えることが多く、原則として治療は行わず経過観察となります。
CIN2も相当数が自然に消えるため、若い方は経過観察が原則です。妊娠中の方は、妊娠の経過を優先して経過観察となります。妊娠中でない方で、1〜2年たっても消えない場合や、特定の高リスク型が検出されている場合などには、治療の対象となることがあります。
CIN3と診断された場合は、浸潤がんが隠れている可能性があるため、診断を確定する目的も兼ねて円錐切除術を行うことが基本です。
治療の方法にはレーザー蒸散術や円錐切除術などがあり、子宮頸管を切除する方法では早産などのリスクが指摘されています。どの段階で何を行うかは、年齢や妊娠のご希望を含めた個別の状況をふまえて医師が判断します。当院では細胞の異常が疑われた場合、専門的な検査と治療が可能な医療機関をご案内しております。
【のど・肛門の病変】
症状が続く場合や病変が疑われる場合は、耳鼻咽喉科や消化器・肛門の専門診療科での診察が必要になります。当院で判断がつかない場合は、適切な診療科をご案内します。
HPVの予防
HPVの予防には、大きく分けて2つの方向があります。感染を防ぐことと、感染したあとの変化を早く見つけることです。この2つは役割が違い、どちらか一方では足りません。
ワクチンと検査は役割が違う
ワクチンには、すでに感染している型を排除する働きがありません。反対に、検査を受けても感染そのものは防げません。
ワクチンだけでは高リスク型HPVの感染をすべて防げないため、子宮頸がん検診をあわせて定期的に受けることで予防効果を高められるとされています。
HPVワクチンで防ぐ
HPVワクチンは、がんやイボの原因となる型の感染を予防することを目的としたワクチンです。当院では4価ワクチンと9価ワクチンを取り扱っております。
当院での費用は4価が1回19,800円、9価が1回29,800円で、いずれも自由診療です。
なお、日本で承認されている効能・効果は、4価・9価とも、それぞれのワクチンが対象とするHPV型の感染に起因する、子宮頸がんとその前駆病変、外陰上皮内腫瘍・腟上皮内腫瘍、肛門がんとその前駆病変、および尖圭コンジローマの予防です。
このうち男性で接種の対象となるのは、肛門がんとその前駆病変および尖圭コンジローマの予防です。
女性は、小学6年生から高校1年生相当の年齢であれば、予防接種法に基づく定期接種の対象です。2026年4月以降、定期接種に用いるワクチンは9価ワクチンのみです。生まれ年で対象が決まっていたキャッチアップ接種は2025年3月末で終了しており、対象年齢を過ぎた方は自費での接種となります。男性は原則として全額自費です。
コンドームでどこまで防げるか
コンドームの正しい使用は、HPV感染のリスクを下げると考えられています。ただし、HPVは皮膚と皮膚の接触で感染するため、コンドームで覆われない部分からの感染を防ぎきることはできません。予防効果は部分的とされています。
効果が限られるからといって使わない理由にはなりません。ほかの性感染症の予防にもつながるため、使用したうえで、ワクチンや検診と組み合わせることが現実的です。
ワクチンを接種したあとも検診は続ける
HPVワクチンは、がんの原因となる型のすべてを防ぐわけではありません。ワクチンはすべての高リスク型の感染を予防できるわけではないため、早期発見・早期治療のために子宮頸がん検診も定期的に受けることが推奨されます。
ワクチンを接種した方も、20歳を過ぎたら子宮頸がん検診を受けてください。
HPVの検査料金
上記はすべて自由診療で、費用は全額自己負担となります。
女性の場合はHPV専用のぬぐい棒で自己採取していただきます。男性の場合は男性器の周囲または肛門をぬぐって採取します。咽頭はうがい液を用います。
【この検査を受けるうえで知っておいていただきたいこと】
ペアライフクリニックは予約不要でご来院いただけます

「感染の可能性がある行為があり、すぐに検査を受けたい方」
「先の予定が立てにくく、予約を取ることが難しい方」
「気になる症状があるものの、誰にも相談できずにいる方」
性感染症は誰にでも感染する可能性がある一方で、受診しづらい感染症です。だからこそ、予約不要でご来院いただける体制を整えています。
検査の項目によっては当日中に結果をお伝えでき、その場合は陽性でもその日のうちに治療を開始できます。HPV検査は、結果のご報告までにお日にちをいただきます。
また、日本性感染症学会・日本感染症学会に所属する医師が在籍しております。ご不安なことがありましたら、お気軽にご相談ください。
ペアライフクリニックのHPV検査
当院では、HPVの低リスク型から高リスク型まで、性器と咽頭の検査に対応しております。HPVワクチンは4価と9価のいずれも取り扱っており、年齢や既往歴、ご希望に応じてお選びいただけます。病変が見つかり専門的な治療が必要な場合は、適切な医療機関をご案内します。ご不安な点がございましたらご相談ください。
HPVについてのまとめ
HPVには200種類以上の型があり、そのうち約40種類が粘膜に感染します。
6型・11型などの低リスク型は尖圭コンジローマの原因となり、目に見えるイボができるため気づくことができます。一方、16型・18型などの高リスク型は症状が出ないまま感染が続くことがあり、その場合に子宮頸がんや中咽頭がん、肛門がんなどに進行することがあります。
感染しても、およそ10人に9人は2年以内に自然に排除されます。がんに進むのはごく一部で、そこに至るまでには通常15年から20年かかります。定期的に検診を受けていれば、途中で見つかる機会があります。気になる症状が出たときは、検診の時期を待たずに受診してください。
予防にはワクチンと検診の両方が必要です。ワクチンは感染を防ぎ、検診は感染したあとの変化を見つけます。どちらか一方では足りません。
よくあるご質問
A.
いいえ。排除されずに感染が続いた一部の方が、前がん病変という段階を経て、年単位の時間をかけて進行します。
A.
女性は婦人科、男性は泌尿器科が一般的です。当院のような性感染症を専門とするクリニックでも男女ともに検査を受けられます。のどの症状が続く場合は耳鼻咽喉科、肛門の症状は肛門の診療を行う医療機関があります。どこに行けばよいかわからない場合は、まずご相談ください。
A.
経血の量によっては、あらためてご来院いただくようご案内する場合があります。ご予定が立てにくい場合は、来院前にお問い合わせいただくか、受付でご相談ください。
A.
自費のHPV検査に、決められた受診間隔はありません。自治体の子宮頸がん検診には国の指針があります。ご自身がどちらの対象になるかを含めてご相談ください。
A.
決まった間隔はなく、年齢、受けた検査の種類、これまでの経過によって変わります。自治体の子宮頸がん検診の対象年齢にあたる方は、そちらの受診時期もあわせて考える必要があります。
A.
HPVはパートナー間で共有されることが多く、どちらが先に感染したかは特定できません。伝えるかどうか、どのように伝えるかに決まりはありません。話し方に迷う場合や、お二人で確認したいことがある場合は、ご一緒に来院してご相談いただくこともできます。
A.
妊娠中のHPV感染と早産などとの関連を示す報告がある一方、関連は明確でないとする研究もあり、定まっていません。出産時に産道で赤ちゃんに感染し、まれに再発性呼吸器乳頭腫症の原因になることがあります。妊娠中の方、妊娠を希望される方は、個別の状況について医師にご相談ください。


