【2026年5月|1週目】性病のレポート

男性のHPVワクチン接種
シルガード(9価)自費メニュー化定着

2025年8月に、HPVワクチンであるシルガード9が男性への適応承認を受けてから約9ヶ月が経過し、現在では都市部の自費診療クリニックを中心に、男性向けHPVワクチン接種が標準的な診療メニューとして徐々に定着しつつあります。

一方で、15歳以上の男性は原則3回接種が必要となり、総額で約9万円前後の費用負担が発生するため、接種を希望していても費用面を理由に断念するケースも少なくありません。

現在、一部自治体では男性へのHPVワクチン接種に対する助成制度が導入されており、例えば中野区では助成金を利用した接種が可能です。しかし、全国的に見ると対応自治体はまだ限定的であり、多くの地域では全額自己負担となっているのが現状です。

HPVは男女双方に関係する感染症であり、男性へのワクチン接種率向上は、将来的な感染拡大予防や疾患リスク低減の観点からも重要と考えられます。そのため、今後は各自治体において、男性向けHPVワクチンへの補助金・助成制度の導入拡大が求められています。

参照:厚生労働省

HPVワクチンについて

ペアライフクリニックの見解

ペアライフクリニックのHPVワクチンの接種実績
ペアライフクリニックのHPVワクチンの接種実績

上のグラフは、ペアライフクリニックにおけるHPVワクチンの接種数をまとめたものです。2025年8月にシルガード9が男性への適応承認を受けて以降、2025年から2026年4月にかけてHPVワクチンの接種数は増加傾向にあります。

この結果から、男性へのHPVワクチン接種に対する認知が徐々に拡大していることに加え、性感染症予防や将来的な疾患予防への関心も高まっていると考えられます。

性感染症(STD)
自己検査市場は拡大傾向

性感染症(STD)自己検査市場は拡大を続けており、2025年の15.2億米ドルから2030年には24.2億米ドル規模へ成長すると予測されています。

背景には、性感染症増加や医療機関受診への抵抗感、在宅検査需要の高まりがあります。特に梅毒症例の増加が市場成長を後押ししており、自宅で匿名性・利便性を保ちながら検査できる自己検査キットへの関心が高まっています。近年では、HIV・梅毒対応の高精度な在宅検査キット開発も進んでいます。

参照:性感染症(STD)自己検査市場(2026年)

ペアライフクリニックの見解

ペアライフクリニックの検査数
ペアライフクリニックの検査実績数

上のグラフは、ペアライフクリニックにおける性感染症検査の実績数をまとめたものです。2025年6月から2026年4月にかけて、検査数は増加傾向にあります。

近年、アメリカでは在宅検査キットを含む性感染症検査市場が拡大しており、同様にペアライフクリニックでも検査件数が増加していることから、日本国内においても性病検査の市場が拡大していることが考えられます。

また、検査需要の増加は、性感染症に対する認知向上や予防意識の高まりだけでなく、実際に性感染症の感染者数が増加している可能性も背景にあると考えられます。

Bicillin L-A供給不足が長期化

ファイザー株式会社が2026年4月14日に発表した最新通知によると、米国で唯一製造されているベンザチンペニシリン製剤「 Bicillin L-A」の次回納入時期が2026年10月へ延期され、本格的な供給回復は2027年第4四半期までずれ込む見込みとなっています。

これを受け、アメリカ食品医薬品局(FDA)は2026年3月6日、ポルトガル製代替薬「Lentocilin」の臨時輸入を承認するなど対応を進めています。しかし米国では、先天梅毒予防の観点から妊婦への梅毒治療を最優先とし、限られた供給を温存する運用が継続されています。

そのため、非妊娠例の梅毒治療では、代替治療としてドキシサイクリン100mgを14〜28日間投与する治療法が推奨されています。

参照:CDC

ペアライフクリニックの見解

ステルイズ

ペアライフクリニックでは、梅毒治療においてステルイズ」を第一選択薬としております。しかし、2026年4月現在、ファイザー株式会による国内供給に遅延が生じているため、一時的に アモキシシリン」による内服治療を行っております。

アモキシシリンは、ステルイズと同系統の有効成分を含むペニシリン系抗菌薬であり、適切な治療期間と用法を守ることで、梅毒に対して十分な治療効果が期待できます。そのため、ステルイズと比較して完治率が大きく劣るわけではありません。

M.genitalium治療の第三選択薬
プリスチナマイシンの有効性を確認

2026年、マクロライド系・キノロン系の両方に耐性を持つMycoplasma genitaliumに対し、「プリスチナマイシン」が治癒率71〜76%を示し、サルベージ療法として有効であることが報告されました。さらに、ベルギーの症例報告では、M3P併用療法が多剤耐性株に対する新たな治療選択肢として紹介されています。

参照:NIH

ペアライフクリニックの見解

マイコプラズマ・ジェニタリウムは、「アジスロマイシンに対する耐性化が世界的に進行しており、適切な薬剤選択を行わなければ完治率が低下することが問題となっています。そのため、今回のようにマイコプラズマ・ジェニタリウムに対して有効性が確認された新たな治療薬は、治療選択肢が限られる中で非常に重要であると考えられます。

ペアライフクリニックでは、マイコプラズマ・ジェニタリウムの治療に、「ビブラマイシン」または「シタフロキサシン」、あるいは両剤を併用して治療を行っております。治療期間は原則7日間としておりますが、治癒確認検査で陰性が確認できない場合には、症状や検査結果に応じて服用期間を延長することがあります。

参考文献

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