ステルイズとは|梅毒への効果・副作用・使用できない人の特徴を解説
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- ステルイズ 1回(早期梅毒)
- 19,800
- ステルイズ 3回(早期梅毒)
- 59,400

梅毒は近年、国内外で感染者数が増加しており、早期発見・早期治療の重要性が高まっています。
そのなかでもステルイズは、高い殺菌効果と確実な治療成績から第一選択薬として広く用いられている治療薬です。
早期梅毒であれば1回の投与で治療が完結するという大きな特徴があり、治療の確実性にも優れています。
目次
ステルイズの出荷状況について
現在、ステルイズはファイザー株式会社による出荷調整の影響を受け、国内での安定的な供給が難しい状況となっております。 そのため、ペアライフクリニックでは、ステルイズの入手が困難な期間においては、代替治療としてアモキシシリン(内服薬)による梅毒の治療を行っております。患者様の状態応じて適切な治療法をご提案いたしますので、安心してご相談ください。 また、ステルイズの入荷状況につきましては、各院まで直接お問い合わせいただきますようお願いいたします。
ステルイズとは
ステルイズは、梅毒の治療に用いられる薬剤で、早期梅毒では1回の投与で治療が完結します。後期梅毒では、週1回の投与を3週間継続して行います。
ペニシリンとは

ペニシリンは、細菌の細胞壁合成を阻害することで殺菌作用を発揮する抗菌薬です。細菌は増殖するための過程で細胞壁を新たに形成しますが、ペニシリンはこの合成プロセスを阻害し、細胞の構造を維持できなくすることで死滅に導きます。
一方で、人間を含む動物の細胞には細胞壁が存在しないため、ペニシリンは細菌に対して選択的に作用し、比較的安全性の高い薬剤とされております。
ステルイズの効果
梅毒の原因菌である梅毒トレポネーマの細胞壁合成を阻害することで、殺菌作用を発揮します。
また、梅毒トレポネーマはペニシリンに対する耐性を持たないとされており、非常に高い治療効果が期待できる点も大きな特徴です。薬剤が効かなくなるリスクが極めて低いため、確実性の高い治療法として広く用いられています。
さらに、ステルイズは筋肉注射後に有効成分がゆっくりと血中へ放出されるため、数週間にわたって治療に必要な薬物濃度が維持されます。これにより、分裂速度が遅い梅毒トレポネーマに対しても持続的に作用し、取りこぼしなく治療できる点が重要なポイントです。
ステルイズの使用方法
ステルイズは、早期の梅毒と後期梅毒で投与回数が異なります。以下に、早期梅毒と後期梅毒の使用方法についてまとめました。
早期梅毒の場合
早期梅毒におけるステルイズの投与方法は、単回投与が基本となります。240万単位を1回投与することで、治療は完了します。
投与部位は臀部の筋肉内であり、安全性を確保するため、中臀筋などの適切な部位に対して、深く垂直に注射を行います。
後期梅毒の場合

後期の梅毒に対するステルイズ(240万単位)の投与は、週1回の筋肉注射を合計3回行うことが基本です。1回あたりの投与量は240万単位で、通常は臀部の上外側部に筋肉注射を行います。
投与間隔については、原則として7日ごとの間隔を厳密に守ることが重要です。ただし、一般の患者で来院が困難な場合には、最大で約2週間程度までの間隔延長が許容されることがあります。
一方、妊婦の場合は母子感染のリスクを考慮し、投与間隔を7〜9日以内で厳密に管理する必要があります。この期間を超えた場合は、治療効果を確実にするため、初回投与から治療をやり直す必要があります。
臀部に投与する理由

ステルイズは、粘度が高く、投与量も多いため、十分な筋肉量を有する部位に投与する必要があります。そのため、臀部の筋肉内への注射が選択されます。
臀部は、外上側などの適切な部位を選択することで、坐骨神経や大きな血管を回避しながら安全に深部へ注入することが可能です。また、血流が豊富なため、ステルイズの有効成分が効率よく血中へ移行し、安定した効果が期待できます。
一方で、腕の三角筋など筋肉量の少ない部位に同量の薬液を投与した場合、組織への圧迫が強くなり、強い疼痛や硬結(しこり)、さらには炎症を引き起こすリスクが高まります。そのため、安全性と患者負担の観点からも、臀部への筋肉注射が推奨されます。
針の太さ

ペアライフクリニックでは、ステルイズ投与時に18Gの針を使用しております。ステルイズは薬液の粘度が高く、かつ投与量も多いため、細い針では薬液を押し出す際に強い圧力が必要となり、注入に時間がかかるだけでなく、手元が不安定になる可能性があります。
その結果、患者様の負担増加や、適切な筋肉内投与が難しくなるリスクも考えられます。これらを防ぐため、あえて太めの針を使用することで、薬液をスムーズに押し出すことが可能となります。
18Gの針を用いることで、一定の速度で安定した注入が可能となり、狙った筋層へ確実に薬剤を届けることができます。また、無理な圧力をかける必要がないため、施術者側の操作性も向上し、結果として安全性の高い投与につながります。
ステルイズの副作用
梅毒の治療において、最も頻度が高く注意が必要な反応の一つがヤーリッシュ・ヘルクスハイマー反応です。
この反応は、抗菌薬の投与によって梅毒トレポネーマが急速に死滅する際、菌体成分が血中に放出されることで生じる全身性の炎症反応です。主な症状としては、発熱、悪寒、頭痛、筋肉痛、倦怠感に加え、皮疹の一時的な悪化などがみられます。
発症時期は初回投与後数時間以内(一般的には2〜24時間以内)とされており、多くの場合は12〜24時間以内に自然軽快します。対応としては、解熱鎮痛薬の使用などの対症療法を行い、安静を保つことが基本となります。
重篤な副作用
アナフィラキシーは、ペニシリン系薬剤に対する過敏症反応として発生する、最も警戒すべき重篤な副作用です。
主な症状としては、皮膚症状(全身の蕁麻疹、紅潮、強い掻痒感)、呼吸器症状(喉頭浮腫による呼吸困難、喘鳴)、循環器症状(血圧低下、頻脈、冷汗、意識消失など)が挙げられます。
これらの症状が認められた場合には、直ちに投与を中止し、アドレナリンの筋肉注射を速やかに検討します。また、気道確保や酸素投与を行い、迅速に救急要請を行うことが重要です。
副作用を緩和する方法
ステルイズを使用する際には、発熱、悪寒、頭痛、筋肉痛、倦怠感などの症状は避けられないことが多いですが、事前の対策で副作用を軽減することができます。
また、ステルイズの接種直後に冷却(アイシング)をすることで痛みと腫れを抑えることができます。
ステルイズが使用できない人の特徴
以下に該当する方へのステルイズの投与は、命に関わる重篤な副作用を引き起こす可能性があるため、原則として禁忌とされております。また、過去に薬剤によるアレルギー反応を起こしたものの、それがペニシリン系薬剤か不明な場合には、必ず医師へご相談ください。
ステルイズの臨床成績
ステルイズの効果は、日本国内外の研究により確認されています。梅毒は、適切な治療を行うことで完治が可能な感染症であるため、早期の検査・治療が重要です。
厚生労働省
ステルイズは、「海外で標準的に使用されている未承認薬・適応外薬」として開発要望が提出され、その有効性に関する高い公知性に基づき、迅速に承認されました。
また、サワシリンなどの経口薬で懸念される服薬忘れ(アドヒアランス)低下のリスクがない点は、公衆衛生上の大きな利点として評価されています。
CDC
CDCのガイドラインでは、ベンザチンペニシリンが長年にわたり、梅毒治療の第一選択薬として位置づけられております。
その理由の1つが、確実な殺菌作用です。ペニシリンは梅毒トレポネーマの細胞壁合成を阻害し、菌を死滅させます。さらに、トレポネーマの分裂周期(約30〜33時間)に対して、ステルイズは3週間以上にわたり有効な血中濃度を維持するため、増殖のタイミングを逃さず持続的に作用し、確実な治療効果が期待されます。
ペアライフクリニックの
ステルイズよる治療実績

ペアライフクリニックでは、梅毒の治療において、第一選択薬としてステルイズを採用しております。
2024年5月から2026年3月までに実施した梅毒の治療は計753件で、そのうち563件がステルイズ、190件がアモキシシリン(内服薬)によるものです。多くの患者様に対してステルイズを用いた治療を行っています。
当院では、患者様の状態やご希望に応じて、ステルイズまたはアモキシシリンにより梅毒の治療を行います。
よくあるご質問
A.
ステルイズは、梅毒の原因菌である梅毒トレポネーマに対して強い殺菌作用を持つペニシリン系抗生物質です。長時間にわたり有効な血中濃度を維持することで、確実に菌を死滅させることができます。
A.
臀部(お尻)の筋肉に注射します。
薬剤の量が多く粘度も高いため、十分な筋肉量がある部位に投与することで、安全かつ確実に薬剤を届けることができます。
A.
比較的よく見られる反応として、発熱や悪寒、頭痛などが現れることがあります。これは「ヤーリッシュ・ヘルクスハイマー反応」と呼ばれ、菌が急速に死滅することで起こる一時的な反応です。多くの場合、1日以内に自然に軽快します。
A.
内服薬(アモキシシリンなど)は継続的な服用が必要ですが、ステルイズは単回または少ない回数で治療が完結します。そのため、飲み忘れによる治療失敗のリスクが低く、より確実な治療が可能です。