症例概要
患者様は、1か月前から手のひらに発疹が出現したため受診。性的接触の有無は不明。症状および経過から、梅毒(早期梅毒二期)が疑われたため、血液検査を実施。検査の結果、RPR法の値は基準値の59倍、TP抗体法の値は基準値の154倍と高値を示し、梅毒陽性と診断。治療はアモキシシリンの内服にて開始。
STD CASE LIST
この写真には性器の撮影が含まれております。
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患者様は、1か月前から手のひらに発疹が出現したため受診。性的接触の有無は不明。症状および経過から、梅毒(早期梅毒二期)が疑われたため、血液検査を実施。検査の結果、RPR法の値は基準値の59倍、TP抗体法の値は基準値の154倍と高値を示し、梅毒陽性と診断。治療はアモキシシリンの内服にて開始。
問診では性的接触の有無は不明と回答されていましたが、症状や経過から考えると、セックスやオーラルセックスによる感染の可能性が高いと考えられます。
問診:症状の内容や発症時期、アレルギーの有無、既往歴などについて問診を実施。検査:今回の患者様は、問診の段階で梅毒(早期梅毒2期)の症状が確認されたため、梅毒の検査に加え、HIVとB型肝炎の検査もまとめて行える血液チェックで検査を実施。
梅毒は、感染機会から感染が確認されるまでの期間に応じて、早期梅毒1期、早期梅毒2期、潜伏梅毒、後期梅毒の四段階に分けられます。早期梅毒1期では、亀頭や陰茎にしこり(初期硬結)や潰瘍(下疳)が現れることがあります。これらの症状は1週間ほどで一時的に軽快することもありますが、治療を行わなければ自然に治癒することはありません。早期梅毒2期では、全身にバラ疹が出現するのが代表的な症状で、数週間以内に軽快することもありますが、この段階でも治療を行わなければ完治はしません。今回の患者様はこの早期梅毒2期に該当します。早期梅毒2期を過ぎると潜伏梅毒と呼ばれる期間に入り、症状は現れないものの血液検査を行うと陽性と診断される状態になります。この潜伏期間を経て、感染から1年以上経過すると後期梅毒に進行することがあります。後期梅毒では、ゴム種と呼ばれる腫瘤が皮膚や筋肉、骨などに出現し、周囲の組織を破壊することがあり、歩行障害などの身体機能障害や、場合によっては命に関わる合併症に至ることもあります。全国的に見ても梅毒の感染者数は増加傾向にあり、早期発見と治療が非常に重要です。治療は、早期梅毒の場合はステルイズ(注射)を1回行うか、アモキシシリンの内服を14日間続けることで行われます。一方で後期梅毒の場合は、ステルイズ(注射)を週に1回を3週間行うか、アモキシシリンの内服を28日間行うことで治療が行われます。
アモキシシリン(内服薬)は、安全に服用できる薬ですが、副作用として熱感や下痢、むくみなどが現れることがあります。これらの症状は一時的で、多くの場合、服用から24時間以内に治まります。しかし、まれに重い副作用として、呼吸困難や繰り返す嘔吐、アレルギー反応に伴う急性冠症候群などが現れることがあります。そのような症状が出た場合は、服用を中止し、速やかに当院までご連絡ください。
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