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性病の潜伏期間|潜伏期間中の検査や治療について解説
性病は感染しても明らかな症状が出現しないことが多くあります。症状に気付いたころには、症状が悪化している可能性があるため、正しい知識を持ち、早期発見・早期治療を心がける必要があります。
性病といっても種類はさまざまで、性病それぞれに潜伏期間や症状の違いがあります。今回は、様々な性病の潜伏期間や検査時期・治療や感染について解説いたします。
性病の潜伏期間とは
主な性病の潜伏期間は、感染機会のあった日から最短で1日〜最長で6ヶ月以上と幅広い特徴があります。潜伏期間は、病原体に感染してから初発症状が現れるまでの期間のことを指すため、潜伏期間中に症状がないからといって検査や治療を放置してはいけません。
潜伏期間中であることに気づかず感染の原因となる行為をすると、大切なパートナーにピンポン感染させてしまうだけでなく、二次感染により症状が悪化するリスクが伴います。こうしたリスクを回避するためには、性病の特徴や症状について正しく知ることが大切です。
性病の特徴と症状
性病は性的接触により伝播する性感染症のことを指します。性器ヘルペスやクラミジアなど、感染しても症状が無い患者がいることから、「Sexually(性)Transmitted(感染)Infection(症状)」の頭文字を取り、STIと呼ばれるようになりました。
主な性病は、セックスだけでなく、オーラルセックスやアナルセックス、キスなどの性行為によって感染します。性病には性器や口腔粘膜などに痒みや痛みを感じるものから、感染していることに気づかないほど無症状なものまで、さまざまな症状があるのが特徴です。
感染に気づかずに放置したり、気づいていても無症状だから放置してしまうと、将来不妊症の原因や母子感染の原因になることがあります。
性病の症状はそれぞれ異なりますが、主な症状として以下のものがあります。
- 性器の痒み
- 性器の痛み
- 性器やその周辺からの異臭
- 性器や周辺皮膚・粘膜の水ぶくれやただれ
- 性器の腫れ
- 性器からの膿
- 排尿時の痛みや違和感
- 発熱
- リンパの腫れ
- 身体のだるさ
これらの症状は、性病に多くみられる症状です。感染機会に心当たりがあり、かつ上記の症状が出現している場合は、当院へご来院ください。
主な性病の潜伏期間一覧
性病 | 潜伏期間 | 検査可能時期 |
---|---|---|
梅毒 | 3~6週間後 | 1ヶ月〜 |
淋病 | 2~7日後 | 感染の機会からすぐ |
クラミジア | 1〜3週間後 | 感染の機会からすぐ |
マイコプラズマ | 1〜5週間後 | 感染の機会からすぐ |
性器ヘルペス | 2~10日後 | 症状が出てから |
尖圭コンジローマ | 3週間〜8ヶ月後 | 症状が出てから |
トリコモナス | 5~14日後 | 感染の機会からすぐ |
カンジダ | 1日〜1週間後 | 感染の機会からすぐ |
HIV | 2~4週間後 | 1ヶ月〜 |
B型肝炎 | 2週間〜6ヶ月 | 3ヶ月〜 |
C型肝炎 | 2週間〜6ヶ月 | 3ヶ月〜 |
上記の表からわかるように、性病の病原菌によって潜伏期間にばらつきがあります。これは、菌それぞれの発育のスピードの違いによって起こるものです。
しかし、潜伏期間の長さは、個人の免疫力や体調によっても異なるほか、症状の程度にも個人差をもたらします。なかには、長期間まったく症状が出現しない場合もあるため、注意が必要です。
性病の潜伏期間中の検査について
性病によってそれぞれ潜伏期間が異なることがおわかりいただけたかと思います。ここからは、性病の潜伏期間中における検査についてくわしく解説していきます。
潜伏期間はあくまで目安として考えられる期間のため、無症状であっても感染が疑われる場合には、早めの検査が大切です。しかし、ここで注意したいのがウィンドウ・ピリオドの考え方です。
ウィンドウ・ピリオドとは、病原菌に感染していても、検査で検出可能な範囲を下回る期間のことを指します。感染が疑われるからといって、あまりに早く検査を受けても正確な検査結果が得られない可能性があるのです。
また、ウィンドウ・ピリオドの可能性を考慮せず、早期に検査をした結果陰性であったとしても、その後病原菌が検出される可能性があります。このように、検査には空白の期間があることを念頭に入れておくと良いでしょう。
しかし、性病のウィンドウ・ピリオドや潜伏期間、また症状には個人差があります。検査可能時期には当てはまらないけれど、すでに気になる症状があるといった場合には、一度当院へご相談ください。
性病は潜伏期間中でも感染する
潜伏期間とは、病原菌に感染してから発症するまでの期間のほか、感染したあと感染者が他者へ伝播させるようになるまでの2つの意味を持ちます。
無症状であっても、感染していればウイルスや菌は体内に保有されるため、性行為を通じて相手の体内へ侵入させ感染を伝播させます。そのため、性病は潜伏期間中であっても感染してしまうのです。
数ある性病のなかでも、無症状あるいは症状を感じにくいとされるクラミジアは、無症状のまま放置してしまうと将来不妊症の原因となる恐れもあります。そのほかにも、免疫力や状態によっては、二次感染などで症状が悪化する場合があるので注意が必要です。
感染機会に心当たりのある場合やすでに気になる症状がある場合、オーラルセックスなどを含む性行為は控えるようにしましょう。性器や咽頭などの粘膜同士が接触することにより、感染が伝播するリスクがあります。
また、性病の治療を受けている段階でも性行為は控える必要があります。性病は患部に炎症を伴うほか、全身への症状をきたすものもあるため、患部だけでなく身体を安静にすることが大切です。
性病の潜伏期間まとめ
今回は、性病全体の潜伏期間や症状、感染、検査時期について解説しました。性病には潜伏期間があり、なかには無症状のまま経過するものもあるため注意が必要であることがおわかりいただけたのではないでしょうか。
潜伏期間や症状は個人差があるため、気になる症状がある場合や心当たりがあり不安な場合には、当院へご相談ください。