3か月前から性器に小さな隆起（ぶつぶつ）を自覚したため受診
尖圭コンジローマと診断された20代男性の症例

症例概要

患者は3か月以上前から冠状溝に鶏冠状の隆起病変を自覚し受診。性的接触歴は、セックス・オーラルセックス・キス。検査は視診にて行い、尖圭コンジローマ特有の鶏冠状隆起を確認したため、尖圭コンジローマと診断。治療は ベセルナクリーム5％（外用薬） にて実施した。

感染経路

感染経路は、セックス・オーラルセックス・キスが考えられるが、感染機会は不明。

診察内容

問診：症状や既往歴、アレルギーについての問診を実施。検査：視診による検査。治療：ベセルナクリーム5%（外用薬）を隔日で計3回塗布し、自覚症状消失をもって治療完了。指導：尖圭コンジローマの再発率が高いため、再発した際はベセルナクリーム5%（外用薬）を塗布するように指導。

医師の解説

尖圭コンジローマは、ヒトパピローマウイルス（HPV）6型および11型の感染によって発症する性感染症です。主な症状として、性器周辺、肛門周辺などにイボ状、あるいは鶏冠状（とさか状）の隆起した病変が現れます。痛みやかゆみなどの自覚症状がほとんどないため、特に肛門付近に発症した場合には気付きにくいことがあります。また、尖圭コンジローマは免疫力の低下をきっかけに再発することがあり、再発率が高い点も特徴です。そのため、感染を予防することが非常に重要です。HPV6型・11型の感染予防には、HPVワクチンの接種が有効です。現在、日本で接種可能なHPVワクチンは3種類あり、そのうち「4価ワクチン（ガーダシル）」と「9価ワクチン（シルガード）」が尖圭コンジローマの原因となるHPV6型・11型を予防することができます。これらのワクチンは同時に、子宮頸がんの主な原因であるHPV16型・18型（高リスク型）に対しても予防効果があります。実際に、子宮頸がんの約90%以上はHPV16型・18型などの高リスク型ウイルスが原因とされています。そのため、「感染しない」「感染させない」ためにも、HPVワクチンの接種を強く推奨します。

診療費用

尖圭コンジローマ(視診)検査

3,980円

べセルナクリーム5%（外用薬）

4,980円

副作用リスク

ベセルナクリーム5％（イミキモド）は尖圭コンジローマの治療薬です。主な副作用は、塗布部位の赤み、かゆみ、痛み、腫れ、ただれなどの皮膚反応です。多くは軽度で、使用を中止すると自然に治まります。しかし、症状が強い場合や発熱、倦怠感、リンパの腫れなど全身の症状が出た場合は、使用を中止し当院までご連絡ください。