【2026年6月3週目】性病のトピックス
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梅毒3,502例|岐阜+52・宮城+39で増加続く
JIHSの最新集計によると、2026年の梅毒報告数は4月26日時点で全国3,502例となりました。また、2025年の年間報告数は13,530例で、2024年(14,829例)から7.7%減少しており、2023年(15,055例)から2年連続で減少傾向が続いています。
一方で、都道府県別に見ると全国的な減少傾向とは異なる動きもみられます。特に増加数が多かったのは岐阜県(+52例)、埼玉県(+49例)、宮城県(+39例)で、一部地域では依然として感染拡大が続いています。
報告数の総数では東京都と大阪府が突出して多く、愛知県、福岡県、神奈川県が続いており、大都市圏への集中傾向も変わっていません。
全国では減少傾向が続く一方で、地域や世代によっては増加しているケースもあり、梅毒流行の二極化がより鮮明になっています。また、妊婦の梅毒感染や先天梅毒についても依然として高い水準で推移しています。
ペアライフクリニックの見解
| 梅毒の検査数 | 梅毒の治療数 | 陽性者率 | |
|---|---|---|---|
| 2025年5月 | 1,940件 | 36件 | 1.86% |
| 2026年5月 | 4,734件 | 76件 | 1.61% |
上の表は、ペアライフクリニックにおける梅毒の検査数および治療数の推移をまとめたものです。2025年5月と2026年5月を比較すると、梅毒の陽性者率は減少傾向にあります。
その要因の一つとして、性感染症予防に対する意識の高まりが考えられます。実際に来院目的を比較すると、梅毒をはじめとする細菌性性感染症の予防を目的としたドキシペップの処方希望者が増加しています。2025年5月は来院者全体の6.4%だったのに対し、2026年5月は10.97%となり、約1.7倍に増加しました。
この結果から、ドキシペップによる性感染症予防への関心や認知が広がっていることがうかがえます。こうした予防行動の普及が、梅毒陽性者率の低下に一定の影響を与えている可能性があります。
| 来院者数 | ドキシペップ処方数 | |
|---|---|---|
| 2025年5月 | 3,210人 | 206件 |
| 2026年5月 | 8,685人 | 953件 |
ドキシペップ
欧州ECDCが「淋菌には効きにくい」と公式警告
国内ではドキシペップを自費診療メニューとして導入する医療機関が増えています。一方で、欧州の公衆衛生機関であるECDCは、EU・EEA地域で流行している淋菌の多くがテトラサイクリン系抗菌薬に耐性を示していることから、ドキシペップによる淋菌予防効果は限定的である可能性が高いと警告しています。
また、CDCが紹介する複数の臨床試験では、ドキシペップは梅毒やクラミジアの発症リスクを約87〜88%低下させる一方、淋菌に対する予防効果は約55%にとどまることが報告されています。
これらのことから、ドキシペップは梅毒やクラミジアの予防に有効な選択肢である一方、淋菌については予防薬だけに頼るのではなく、定期的な性病検査を組み合わせることが重要です。また、薬剤耐性や腸内細菌叢(マイクロバイオーム)への長期的な影響についても継続的な検証が進められており、適切な説明のもとで使用することが求められています。
ペアライフクリニックの見解

ドキシペップは、コンドーム以外の性感染症予防方法として認知が広がっています。特に梅毒やクラミジアに対しては高い予防効果が期待されています。
一方で、淋菌については予防効果が限定的であり、抗菌薬の使用による薬剤耐性の発生が懸念されています。
そのため、ドキシペップは性感染症予防の有効な選択肢の一つではありますが、過度に依存するのではなく、適切な頻度で使用することが重要です。
また、予防効果を過信せず、コンドームの使用や定期的な性感染症検査を併用することが推奨されます。性感染症予防は単一の方法に頼るのではなく、複数の予防策を組み合わせることが大切です。
HPV男性接種|世田谷・杉並で9価助成開始
HPVワクチン(シルガード9)は、現在も多くの自治体で自費接種となっており、3回接種で約8〜9万円の費用がかかります。一方で、近年は接種費用を助成する自治体が増えており、助成制度の対象地域は東京23区から都外にも広がりつつあります。
2026年4月には世田谷区と杉並区が9価HPVワクチンを助成対象に追加しました。また、千代田区・文京区・目黒区に加え、埼玉県三芳町でも9価ワクチンの助成が開始されています。
しかし、助成対象の多くは「小学6年生〜高校1年生相当の男子」に限られており、成人男性は引き続き自費接種が基本です。そのため、HPVワクチンの接種費用や助成の有無は、住んでいる自治体や年齢によって大きく異なる状況が続いています。
ペアライフクリニックの見解

近年、男性のHPVワクチン接種費用を助成する自治体が増えています。HPVは性行為の経験がある方の90%以上が一生のうちに感染するといわれており、誰にとっても身近なウイルスです。
HPVの感染拡大を防ぐためには、女性だけでなく男性もワクチンを接種することが重要です。男女ともに接種率が向上することで、HPV関連疾患の発症リスクや感染拡大の抑制が期待できます。
一方で、男性のHPVワクチンは現在も自費接種が中心であり、費用負担が接種率向上の課題となっています。そのため、今後さらに接種率を高めるためには、自治体による助成制度の拡充が重要と考えられます。