【2026年4月|5週目】性病のレポート
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- Spread of dual-class drug-resistant Mycoplasma genitalium in Tokyo, Japan, 2023–2025|Antimicrobial Agents and Chemotherapy
- M.genitalium dual-class resistance Tokyo|medRxiv
- 梅毒の流行状況|東京都感染症情報センター
- HIV Treatment Guidelines|Clinicalinfo.HIV.gov
- FDA Approves a Twice-Yearly Shot to Prevent HIV|TIME
- CDC Releases 2024 National STI Data|HIV.gov
M.genitalium|東京で二剤耐性株が94.4%に到達
東京の医療機関で採取された188検体の解析では、Mycoplasma genitaliumにおいて薬剤耐性の進行が非常に顕著であることが明らかになりました。具体的には、第一選択薬であるアジスロマイシンが効きにくくなるマクロライド耐性関連変異が94.4%と高率に認められ、さらに第二選択薬のシタフロキサシンに関わる耐性変異(parC S83I)が65.5%、gyrA変異も22.5%で検出されています。
この結果は、従来の標準的な治療で使用されてきた2種類の抗菌薬がいずれも効かない「二剤耐性株」が増えていることを示しており、特にMSM(男性間性交渉者)の集団を中心に急速に拡大している点が懸念されています。
つまり、これまでのように「まずアジスロマイシン、効かなければシタフロキサシン」という治療では十分に対応できないケースが増えており、治療が長引いたり、完治しないまま感染が持続したりするリスクが高まっています。今後は、耐性を前提とした検査や治療選択、治療後の再検査の重要性がさらに高まると考えられます。
参照:Spread of dual-class drug-resistant Mycoplasma genitalium in Tokyo, Japan,
ペアライフクリニックの見解

上のグラフは、ペアライフクリニックにおけるMycoplasma genitaliumの検査数の推移を示しています。2026年1月以降は明らかな増加傾向がみられ、2026年3月には456件と過去最多を記録しています。
この動きからは、まず本感染症に対する認知度が徐々に高まり、検査を受ける人が増えていることがうかがえます。一方で、検査数の増加は単なる認知拡大だけでなく、実際の感染リスクや感染者数の増加を反映している可能性も考えられます。
特に、近年は薬剤耐性の問題も指摘されており、無症状のまま感染が持続しやすい点も踏まえると、今後も検査数・感染者数ともに増加傾向が続く可能性があります。
梅毒の感染拡大で自治体の注意喚起が継続中
福岡県が第15週の注意喚起を行ったのに続き、東京都感染症情報センターも2026年の梅毒の流行状況を継続して公表しています。2025年の全国の確定報告数は13,530人と前年より減少(前年比-7.7%)したものの、依然として4年連続で1.3万人を超える高い水準が続いています。
また、埼玉県や大阪府、千葉県などの地方自治体でも、独自の啓発ページの更新や注意喚起が継続されており、全国的に感染対策の強化が図られている状況です。つまり、感染者数はやや減少傾向にあるものの、依然として高止まりしており、引き続き警戒が必要な状況が続いています。
ペアライフクリニックの見解
| 梅毒の検査数 | |
|---|---|
| 2026年2月 | 3,196件 |
| 2026年3月 | 3,382件 |
厚生労働省から梅毒に感染しないための予防に関する情報発信が継続される中、当院においても梅毒検査の受診数は増加傾向にあります。実際に、2026年2月は3,196件だった検査数が、2026年3月には3,382件へと増加しており、受診行動の高まりが見て取れます。
この背景には、感染拡大への関心の高まりや啓発活動の影響に加え、実際の感染リスクに対する不安の増加もあると考えられます。今後も早期発見・早期治療の重要性が一層高まる中で、検査ニーズは引き続き増加していく可能性があります。
CDCがHIV PrEPガイドラインを更新
長時間作用型レナカパビル(Yeztugo)を追加
CDCは4月14日、HIVの曝露前予防(PrEP)における推奨オプションとして、ギリアド・サイエンシズのレナカパビル(商品名:Yeztugo)を新たに追加しました。レナカパビルは、半年(6ヶ月)に1回の皮下注射で効果が持続する初の長時間作用型PrEPであり、服薬継続が課題となっていた従来の内服型PrEPに対する新たな選択肢として注目されています。
臨床試験では非常に高い予防効果が示されており、PURPOSE 1 trialではHIV感染はゼロ、PURPOSE 2 trialでは99.9%の感染予防効果が報告されています。さらに、4月23日にはHIV/AIDS治療ガイドライン本体も更新され、レナカパビルの位置づけが明確化されました。
このように、「半年に1回の注射で予防できる時代」が現実となり、今後のHIV予防戦略に大きな変化をもたらす可能性があります。
ペアライフクリニックの見解

今回のように、注射製剤によるHIV予防の選択肢が増えることは、患者さんにとって大きなメリットになると考えられます。従来のHIV PrEPは毎日の内服によって高い予防効果が期待できる一方で、「飲み忘れ」や「継続の負担」を感じる方も少なくありません
その点、レナカパビル(Yeztugo)のように定期的な注射で長期間効果が持続する方法であれば、日々の服薬管理が不要になり、治療の継続性が高まりやすいという利点があります。特に、忙しい方や服薬習慣の維持が難しい方にとっては、より現実的で取り入れやすい予防手段となる可能性があります。
今後は、ライフスタイルや希望に応じて「毎日服用する内服タイプ」か「一定期間ごとに投与する注射タイプ」かを選べる時代となり、より多くの方が無理なくHIV予防を続けられる環境が整っていくと考えられます。
培養陰性尿路感染症と非定型病原体の関係
性的活動のある女性185例を対象とした後ろ向き研究で、下部尿路症状かつ膿尿を認める患者に対し、従来の尿培養に加えてUreaplasma urealyticumとChlamydia trachomatisの検査を行うことで、診断率は33.5%から65.9%へと大幅に向上した。特に培養陰性例の48.8%で非定型病原体が検出された。薬剤感受性ではテトラサイクリン系やマクロライド系が有効とされ、診断・治療戦略の見直しの重要性が示唆された。
ペアライフクリニックの見解
| 検査数 | |
|---|---|
| 2025年3月 | 468件 |
| 2026年3月 | 507件 |
上のグラフは、ペアライフクリニック横浜院・名古屋院・渋谷院におけるUreaplasma urealyticumの検査数をまとめたものです。2025年3月と比較して2026年3月は検査数が増加しており、ウレアプラズマに対する認知の高まりや検査ニーズの拡大がうかがえます。
女性では排尿痛や血尿などの症状があっても原因の特定が難しい場合があり、従来の尿培養検査だけでは見逃されるケースも少なくありません。実際に、米国国立衛生研究所(NIH)などの研究でも、こうした症状の背景に非定型病原体が関与している可能性が指摘されています。
そのため、排尿痛や血尿などの症状がある場合には、一般的な尿検査に加えてウレアプラズマ検査も併せて実施することが、原因特定と適切な治療につながる重要なポイントといえます。
また、ペアライフクリニックでは淋菌やクラミジアの治療後にも排尿痛などの症状が消えない方も多くいらっしゃいます。男女ともに症状が残る場合はウレアプラズマの検査をすることが重要かもしれません。