HIVの潜伏期間は数年から10年程度と長きにわたります。潜伏期間はHIV特有の症状は確認できませんが、ウイルスは潜伏しており徐々に体内に増殖していきます。

ウイルスは時間が経つごとに増殖しているため、自然治癒することはありません。感染に気づかず放置してしまうと悪化していく一方です。本記事では、HIVの潜伏期間と自然治癒を期待するリスクについてわかりやすく紹介していきます。

HIVの潜伏期間

HIVには「急性期」「無症候性キャリア期」「エイズ期」と3つに分かれており、「無症候性キャリア期」が無症状である潜伏期間です。

引用:HIV感染からエイズ発症まで|HIV基礎知識|北海道HIV/AIDS情報 北海道大学病院HIV診療支援センター (hok-hiv.com)

潜伏期間には個人差があり、数年から10年程度といわれていますが、2年でエイズ期に移行してしまった方や15年経っても変化が見られない方もいます。

(参考)HIVとエイズ

  • HIV(ヒト免疫不全ウイルス)・・・

エイズの原因となるウイルスで感染すると免疫細胞を破壊し免疫不全を引き起こす

  • エイズ(後天性免疫不全症候群)・・・

HIVウイルスに感染し免疫力の低下によって発症する病気でHIVが進行して他の感染症や悪性腫瘍などを発症する状態

HIV=エイズ ではない!

HIVは放置していても自然治癒しない

潜伏期間(無症候性キャリア期間)は無症状でも体内ではHIVは増殖し続けていて免疫力は徐々に低下しています。

放置していても自然に治癒することはなく、むしろ徐々に悪化していきます

HIVの潜伏期間中の検査について

もしかしたらHIVかも…でも検査するの不安…と、思う方も多いかもしれません

全国の保健所では無料で匿名の検査が可能です。陰性であれば、当日に結果が出る「即日検査」ができる保健所も増えています。

HIVの感染を不安に思った方は、ご自身が検査を受けやすい手段で、まずは検査することが大切です。

検査できる場所がわからない場合は、厚生労働省による「HIV検査相談マップ」を使ってみましょう。

使い方を紹介します。

  1. 「都道府県から探す」「現在地から探す」「キーワードで探す」から選択する

今回は「都道府県から探す」で東京都を選択しました。

  1. 検査結果が表示されます。絞り込みたい時は「条件を変更する」をタップします。

ここでは58件ヒットしていて、それぞれ詳細が書かれています。

  1. 絞り込み条件を選択する

「土日検査」「保健所検査」「予約不要」など自分にあった詳細条件を選択してみましょう。

潜伏期間でも体内にHIVはいるので検査で感染を確認でき、検査方法は「スクリーニング検査」と「確認検査」の2段階あります。

スクリーニング検査で約5mlを採血し検査をし、陽性と陰性が判定されます。

1段階で陽性の場合は2段階に進み、より詳しい検査がされ判定されます。

陰性判定されてもウイルス量が少なく検出されない場合もあるので、3か月を目安に再検査を行い陰性と判定されれば信頼度が高くなります。

HIVの潜伏期間中の感染について

HIVは感染力の低いウイルスです。握手やお風呂、せきなどの日常生活では感染しません。

HIVの感染について正しく理解することで、感染を防ぐことができます。

引用:HIV/AIDS | 和歌山市感染症情報センター (kansen-wakayama.jp)

無症状であっても、体内にHIVが潜伏していれば感染します。

感染経路は主に「性行為感染」「血液感染」「母子感染」の3つがあります。

「性行為」

感染経路の約80%を占め、そのうち1番高い感染経路を占めるのが男性同士の性行為、2番目に異性間の性行為です。感染は精液・膣分泌液などの粘液が性行為によって相手の口や性器、肛門などの粘膜や傷口から体内に入ることで起こります。オーラルセックスでも起こる可能性はあり、特にアナルセックスは肛門の粘膜が傷つきやすくリスクが高いです。

性感染症に感染していると性器の粘膜が炎症しやすく、よりHIVの感染リスクが高まります。

予防するには不特定多数の人と性行為をしない、性行為を行うときは正しくコンドームをつけることが大切です。

パートナーに感染させないことも大切なので感染が疑われる、心配な時は一人でなくパートナーと2人で検査をすることが重要です。

「血液」

そもそも覚せい剤の使用は違法なのでやめましょう。予防するには体内に入るものに他人の血液や体液がついておらず、清潔で消毒されていることを確認しましょう。

献血された血液の輸血で感染することは現在の技術ではほぼ100%ないので安心しましょう。

「母子感染」

母親がHIVに感染していると、妊娠中や出産時、授乳で母乳から赤ちゃんに感染する可能性があります。

予防するには妊娠中からHIV用の薬を服用し、帝王切開や母乳を与えず粉ミルクを選択することで感染を1%以下に抑えることができます。

HIVの潜伏期間まとめ

HIVの潜伏期間は数年から10年程度と言われていてHIV特有の症状はありませんが、ウイルスは潜伏しており徐々に体内に増殖しています。

ウイルスは増殖しているため自然治癒することはなく悪化していくためリスクが高いです。