トリコモナス

トリコモナスは世界的には感染者数の多い性病ですが日本では、世界と比べると陽性者割合が少ない傾向にあります。

当院はトリコモナス検査実績7,396件。精度の高い核酸増幅による検査方法を取り入れております。そのため、感染初期段階でも検査が可能です。

トリコモナス治療実績215件と多くの方の治療も行なってまいりました。当院では内服薬での治療を行なっております。

トリコモナスとは

CDCホームページ

トリコモナスは、クラミジアなどのウイルスや菌ではなく、「原虫」に分類されます。トリコモナスは0.01mmほどの大きさで主に膣や尿道をすみかとします。子宮頸部・膀胱・前立腺に感染することもあります。

トリコモナスは膣カンジダ症の原因となることも解明されていますが、性感染症であること、微生物が原因で感染すること、おりものにキツい臭いがあることなどから、適切な検査・治療を行うことが重要です。

トリコモナス症に感染しているとHIV感染リスクが約1.5倍に上昇すると言われています。他の性感染症との重複例も少なくないことに注意しましょう。また、感染者の年齢層が他の性感染症に比べ非常に幅広く、中高年者にもしばしば見られるのが特徴です。

トリコモナスの感染者数

https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/trichomoniasis

世界全体では2020年に、15‐49歳の人々の間で約 1 億 5600万人が膣トリコモナス感染症を新規に発症したとされています。これは二位のクラミジア 1億2900万人を上回って、性感染症としては感染者数世界一位の感染者数となっております。

近年の日本では減少傾向にあるものの、再発を繰り返す難治症例も少なくありません。地域（貧困など）による感染率の差はよく見られます。

トリコモナスの症状

トリコモナスに感染すると10日間ほどの潜伏期間を経て症状を発症します。男性は特に無症状である場合が多いのが特徴です。

女性の症状

男性の症状

トリコモナスの感染経路

トリコモナスは基本的に性行為で感染する感染症です。性器に寄生しているトリコモナス原虫が性行為などによって感染します。

トリコモナスは性行為以外でも感染する？

トリコモナスは淋菌やクラミジアと同様に乾燥した環境では速やかに死滅しますが、、身体の外でも湿った環境であれば数時間～24時間程度生存することができます。そのため、性器に接触するものは全て感染源になり得ます。また、妊娠中に感染した場合は、早産・破水・低出生体重児との関連性が報告されています。男女ともに、不妊症につながります。

トリコモナスの潜伏期間

トリコモナスに感染してから症状が出るまでの潜伏期間には個人差はありますが。男女ともに10日前後といわれております。男性の場合、感染しても無症状である場合がほとんどなので感染に気づかずパートナーに移してしまっているケースがあります。

潜伏期間中でも感染します

前述の通り、症状がなくてもトリコモナスに感染します。潜伏期間とは症状が出るまでの期間であり、感染しない期間ではありません。少しでもリスクのある行為をした際には検査をしましょう。

トリコモナスの検査方法

当院で行うトリコモナスの検査は、全て高精度のPCR検査を行なっております。顕微鏡で確認する方法もありますが、原虫を見逃してしまう恐れがあるため、当院では採用しておりません。

トリコモナスは約10日間の潜伏期間を経て書状が発症いたします。

トリコモナスに関しては、検査結果のご報告まで２〜３日いただいております。証明書をお持ちの方はすぐに治療が可能ですので医師にお伝えください。

男性器の検査方法

尿を検査します。採尿時にコップをお渡ししますので、そちらに尿を採取してください。検査精度を保つために、来院の２時間前から排尿はお控えください。検査結果は、2日~3日でお知らせいたしいます。

女性器の検査方法

膣分泌液を検査します。綿棒を使用して分泌物を採取します。当院の採取用トイレにてご自身で採取を行なっていただくため、デリケートゾーンを他人に見られる心配はございません。検査結果は、2日~3日でお知らせいたしいます。

トリコモナスの検査を
受ける際の注意点

トリコモナスの検査を受ける際は、正確な結果を得るために以下の点に注意してください。検査前24時間は性行為を控え、膣内洗浄や薬の使用も避けましょう。また、検査直前の排尿は控えてください。生理中の検査は正確性が下がるため、可能であれば避けることをおすすめします。かゆみやおりものの異常など症状がある場合は、医師に伝えてください。

トリコモナスの治療について

トリコモナスは小さな虫（原虫）が原因で症状を引き起こす感染症です。クラミジアなどの細菌、コンジローマのようなウイルスとは違い、小さな虫を死滅する必要があります。当院では、内服薬による治療が第一選択薬となっています。

トリコモナスの治療方法

トリコモナスは女性のみ感染するイメージですが、男性もトリコモナスに感染するため性別問わず治療が必要です。ペアライフクリニックではトリコモナスに感染した場合、下記の方法で治療いたします。

フラジール内服薬250mg ：1回1錠1日2回朝夕7日間（経口）

フラジール膣錠250mg：1回1錠1日1回5日間（膣錠）

トリコモナスの治療は基本的に内服薬での治療となります。妊婦の方は、膣錠による治療をご案内しております。

トリコモナスの治療中は飲酒は禁止

トリコモナスの治療中は原則飲酒は禁止しております。フラジールの服用中にアルコールを摂取すると、腹痛・嘔吐・顔のほてり（潮紅）などの「アンタビュース様反応」が起こることがあります。

フラジールはアルコールを分解する体の働きをブロックしてしまいます。 その状態で少しでもお酒を飲むと、体の中に毒素（アセトアルデヒド）が一気に溜まり、「急性アルコール中毒」のような激しい症状が出る場合があります。

そのため、治療薬の服用後3日間は飲酒は避けてください。服用完了後、3日程度で体内から薬が抜けるためです。安全に治療を進めるためにも、指示された期間は必ず飲酒を控えてください。

フラジール（メトロニダゾール）について

フラジールは一般的な抗生物質とはターゲットが大きく異なります。トリコモナスは一般的な細菌と異なり、酸素が苦手な病原体となっております。

フラジールは、トリコモナス原虫の体内に取り込まれると、化学反応を起こして活性酸素（毒）に変化します。 この毒が、原虫のDNAをバラバラしていきます。 そのため、原虫を分裂することも生きることもできず、死滅させることができます。

なぜ妊婦は膣錠なのか

内服薬の場合、胎盤通過が多いため胎児に薬の影響を与えてしまいます。胎児への影響を最小限にするためにも妊婦には膣錠をご案内しております。わかりやすく説明すると「胎児に薬の成分を届けないため」に膣錠を選択しております。

現在は「妊娠4ヶ月以降（中期）」であれば、内服薬を使用しても安全だというデータが世界的に増えてはいますが、当院では妊娠の段階に限らず膣錠をご案内しております。

医療機関によっては安定期に入っているため、内服薬を処方されるケースもあるかと思いますが、間違っているわけではありませんのでご安心ください。

なぜ内服薬が第一選択薬なのか

膣錠の方が副作用が少なく良いのではと思われた方も多いかと思います。しかし、内服薬の方が高い治癒効果を発揮します。トリコモナスは原虫であるため、膣から尿道や膀胱まで体内で広がる可能性があります。

膣錠は膣内にしか効果を示さないため、尿道に寄生しているトリコモナスには効かずに再発を繰り返してしまいます。そのため、当院では内服薬による治療を第一選択薬としてご案内しております。

治療後トリコモナスの症状が治るまで

フラジールは比較的は高い治癒効果を発揮するため、トリコモナスの代表的な症状である「ニオイ」などは早く消失するケースがほとんどです。もちろん改善に関しては個人差がありますがあくまで当院の患者様の例としてご紹介させていただきます。

治療開始から1日〜3日

トリコモナスの特徴である魚が腐ったようなニオイは劇的に改善していきます。多くの方がこの状態で効果を実感します。だたおりものの量は若干の減少に留まります。

治療開始から4日〜7日

黄色や緑色の泡状だったおりものが徐々に透明〜白っぽいおりものに変化していきます。また量に関しても正常に近づいていきます。ただかゆみは少し残ってしまうケースが多いです。

飲み終わり〜2種間

ほとんどの症状は消失します。女性の場合、生理が来ると一時的に症状がぶり返したように感じてしまうことがあるため、生理後のチェックが必要です。

トリコモナスが治ったと判断するまで

一般的な性病に関しては治癒確認検査を必須でご案内しておりますが、当院ではトリコモナスの治癒確認検査に関しては必須としておりません。治療が終了し、症状が治っていれば治療完了と判断しております。

治ったかどうか不安で治癒確認検査をご希望の方は、治療後2週間以降にご来院ください。

一部のトリコモナス原虫は耐性を持っている

治療薬に耐性を示す原虫が一部確認されており、症状がないからといって治療を途中で辞めてしまうと症状が再発してしまう恐れがあります。耐性をもつ原虫を増やさないためにも必ず決められた治療を行いましょう。また治療後、治癒確認の検査を行い再発がないように努めましょう。

トリコモナスの予防方法

トリコモナスの検査にかかる費用

トリコモナスに感染している方は、淋菌・クラミジア・梅毒など他性感染症も発症している可能性が高いため、セットプランもご用意しております。
症状や既往歴などをもとに検査プランをご提案いたしますので、お困りの方は一度当院にご来院ください。

ペアライフクリニックは予約不要で
ご来院いただけます

「感染行為を行いすぐにでも検査を受けたい方」
「先の予定がたてにくく予約を取ることが難しい方」「予約を取ることがめんどくさい方」「性感染症に該当する症状を発症しているが誰にも相談できない方」など

性感染症は誰にも感染するリスクがあるのにも関わらず受診しずらい感染症だからこそ予約不要で手軽にご来院いただける体制を整えています。

検査を受けたその日に検査結果がわかり、陽性だった場合には当日に治療を開始することができます。また、性感染症・感染症学会に所属している医師が常駐しております。ご不安なことがありましたらお気軽にご相談くださいませ。

トリコモナスについてのまとめ

トリコモナスは原虫による性感染症で、男女ともに多くは無症状ですが、女性は泡状で悪臭のあるおりものやかゆみ、排尿痛などが現れることがあります。性行為のほかタオルや下着など湿った環境でも感染することがあり、正確な検査には性行為24時間前以降の排尿を控えることが重要です。当院では高精度PCR検査と内服薬による治療を行い、再発防止のため治療後の確認も推奨しています。

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