【2026年7月4週目】性病のトピックス
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- エムポックスについて|厚生労働省
複数国で報告されているエムポックスについて(第8報)|国立健康危機管理研究機構(JIHS)- FDA Approves Two Oral Therapies to Treat Gonorrhea|FDA
- Emergence of Ceftriaxone-Resistant N. gonorrhoeae penA-60-Carrying Strains, Thailand, 2025|
CDC EID - U.S. FDA Accepts Gilead’s Application for Once-Weekly Oral Yeztugo|Gilead Sciences
- Global Fund and U.S. Expand Commitment to Long-Acting HIV Prevention|The Global Fund
- Injectable Lenacapavir for PrEP|
PrEPWatch
【エムポックス】国内累計353例|低位ながら増加傾向続く
厚生労働省の集計によると、日本国内のエムポックス累計患者数は2026年7月24日時点で353例となり、前週から3例増加しました。7月10日時点347例、17日時点350例、24日時点353例と、低水準ながら緩やかな増加が続いています。
国内では引き続きclade IIbが主な流行株ですが、2025年9月にはアフリカへの渡航歴がある患者で国内初のclade Ib輸入例が確認されています。一方で、clade Ibの国内市中感染は現在まで確認されていません。
海外ではアフリカを中心に感染拡大が続き、WHOはclade IbとIIbの遺伝要素を持つ組換えウイルスも報告しています。現時点で国内流行の大きな拡大は認められていないものの、海外からの輸入例を含めた今後の動向には引き続き注意が必要です。
ペアライフクリニックの見解
エムポックスでは、手のひらや足の裏を含む全身に発疹が現れることがあり、その見た目が梅毒による発疹と似ている場合があります。そのため、症状だけで両者を見分けることは難しく、自己判断はおすすめできません。
特に、不特定または複数のパートナーとの性的接触歴がある方や、発熱を伴う発疹、リンパ節の腫れなどの症状がある方は、エムポックスだけでなく梅毒やHIVなど他の性感染症も含めた検査を受けることが重要です。
発疹や体調の変化に気付いた場合は、早めに医療機関を受診し、適切な診断を受けることをおすすめします。
【淋菌】EUで耐性リスク評価公表
2026年7月時点で、薬剤耐性淋菌に対する経口新薬「ゲポチダシン(Blujepa)」と「ゾリフロダシン(Nuzolvence)」は、FDA承認後も淋菌治療薬としての米国での商業流通は開始されていません。日本でもPMDAへの申請・承認は確認されておらず、実用化にはなお時間を要する見込みです。一方、2026年7月16日にECDCは、セフトリアキソン耐性淋菌に関するリスクアセスメントを公表し、EU域内で耐性株の国内伝播が拡大していると警告しました。
フランスやドイツ、スウェーデン、英国では耐性株の増加が報告され、定着すれば第一選択薬であるセフトリアキソンの有効性低下が懸念されています。耐性拡大の中心となるFC428系統は、日本で初めて確認された耐性株に由来するとされ、世界的な監視が続いています。現時点ではセフトリアキソン注射が標準治療であり、新たな経口治療薬の実用化が期待されています。
ペアライフクリニックの見解

上のグラフは、ペアライフクリニックにおける淋菌検査の陽性率の推移を示したものです。グラフから分かるように、陽性率は期間を通じて大きな増減はなく、おおむね横ばいで推移しています。
一方で、海外では薬剤耐性淋菌への警戒が高まっています。2026年7月にはECDCがセフトリアキソン耐性淋菌に関するリスクアセスメントを公表し、EU域内で耐性株の伝播拡大を報告しました。現在もセフトリアキソン注射が第一選択薬ですが、新たな経口治療薬は米国でも実用化が進んでおらず、日本でも承認申請は確認されていません。
国内の陽性率に大きな変化はみられないものの、耐性菌の拡大は治療選択肢を狭める可能性があるため、今後も国内外の動向を継続的に注視するとともに、感染予防と早期検査・早期治療の重要性は変わらないと考えられます。
【レナカパビル】週1回経口版が前進
ギリアド社の半年に1回投与するPrEP「Yeztugo(レナカパビル)」は、米国で保険カバー率が約95%に達し、実臨床での導入が本格化しています。さらに2026年7月には、週1回服用する経口レナカパビルの承認申請(sNDA)がFDAに受理され、長時間作用型の内服PrEPという新たな選択肢の実用化に向けて前進しました。
一方、日本ではレナカパビルのPrEP適応は未承認で、承認申請に関する新たな公表もありません。現在もPrEPは限られた選択肢にとどまり、自費診療による費用負担が普及の課題となっています。海外では予防薬の選択肢が拡大しつつある一方、日本とのギャップは依然として大きく、今後の承認動向や普及施策が注目されます。
ペアライフクリニックの見解

レナカパビルは、半年に1回の投与でHIV感染を高い確率で予防できる新しいPrEPです。毎日の内服が不要となるため、飲み忘れによる予防効果の低下を防ぎやすく、多くの方にとって継続しやすい選択肢になると期待されています。
一方で、レナカパビルが予防できるのはHIVのみであり、梅毒、淋菌感染症、クラミジア感染症など、その他の性感染症を予防する効果はありません。HIVへの不安が軽減されることでコンドームの使用頻度が低下した場合、これらの性感染症の感染リスクが高まる可能性があります。
そのため、レナカパビルを使用している場合でも、コンドームの適切な使用や定期的な性感染症検査を継続することが重要です。HIV予防とあわせて、その他の性感染症対策も継続することが、安心して性生活を送るために大切だと考えています。