HIV感染の予防薬 PrEP(プレップ)

PrEP(Pre-Exposure Prophylaxis:暴露前予防)は、HIV感染のリスクが高い人が感染予防のために服用する抗HIV薬です。HIVに感染する前に継続的に服用することで、性交渉や注射針の共有によるHIV感染を予防できます。
PrEPには、毎日服用する「デイリーPrEP」と性行為の前後に服用する「オンデマンドPrEP」の2種類があります。現在PrEPはWHO(世界保健機関)も推奨している予防方法になります。
当院では「デイリーPrEP」を取り扱っております。
目次
PrEPの料金・プラン
当院は予約不要で、すぐに受診いただけます。初診・再診料は無料です。PrEPを開始するためにかかる費用は記載の金額のみとなりますのでご安心ください。すべてのPrEPセットに「HIV(即日)」「B型肝炎(即日)」「腎機能」の検査料金が含まれております。
- デイリーPrEP1ヶ月セット(30錠)
- 10,000
- デイリーPrEP3ヶ月セット(90錠)
- 20,000
- デイリーPrEP6ヶ月セット(180錠)
- 39,000
- +梅毒・淋菌・クラミジア検査
- 5,000
初診時
HIV・B型肝炎・腎機能、3項目の検査を実施します。
追加で梅毒・淋菌・クラミジアの検査をご希望の方は 5,000円(特別価格)で検査することが可能です。
再診以降
PrEP服用、1ヶ月目・3ヶ月ごとのHIVフォロー検査は無料で検査可能です。
※その他の検査項目は別途費用が発生します。
※PrEP服用期間以外の検査は対象外となります。
PrEPで使用する薬
当院では新薬「デシコビ」(ジェネリック)を使用しております。現在、PrEPとして使用を認められている薬はツルバダとデシコビという2種類の薬のみです。
TAF/FTC(デシコビなど)
テノホビル・アラフェナミドフマル酸塩 (TAF) とエムトリシタビン (FTC) の合剤です。先発品であるデシコビはHIV治療薬の1つです。1日1回1錠を毎日内服する「デイリーPrEP」で使用します。先発品とジェネリックでは商品名が異なりますが、成分や効果は同じです。
内服方法
1日1回1錠を毎日内服する(Daily PrEP)
副作用
嘔気、下痢
対象者
男性およびトランスジェンダー女性(性行為によるHIV感染を予防)
TDF/FTC(ツルバダなど)
テノホビル・ジソプロキシルフマル酸塩(TDF)とエムトリシタビン (FTC) の合剤です。先発品であるツルバダはHIVの治療薬の一つです。1日1回1錠を毎日内服する「デイリーPrEP」、またはリスク行為の前後で内服する「オンデマンドPrEP」のどちらの方法でも使用できます。
内服方法
1日1回1錠を毎日内服する(Daily PrEP)またはリスク行為の前後で内服する(on demand PrEP)
副作用
短期:嘔気、腹痛、下痢、頭痛、皮疹
長期:腎障害、骨塩減少など
PrEPの服用が向いている方
勧められている方

PrEPは、性別や性的指向に関係なく、HIV感染リスクのある方が利用できる予防手段です。
特に、HIV感染のリスクが高いと考えられる方には、積極的な服用が推奨されます。特に下記のに当てはまる方はHIV予防の手段としてお勧めいたします。
- HIV陽性のパートナーがいる方
- アナルセックス(肛門性交)をする、する予定がある方
- 不特定多数と性行為を行う方
- コンドームを使用しない方
- 頻繁に性感染症に感染する方
- HIV感染リスクが高い方法で注射薬物を使用する人
HIV予防のためには、PrEPの適切な服用が鍵となります。自身のリスクに応じて、医師と相談しながらPrEPを活用し、安心して生活できる環境を整えましょう。
<女性の方へ>
TAF/FTCを使用した女性のデイリーPrEPは有効性が確立されておりません。処方希望の方は医師にご相談ください。
デイリーPrEPとは
デイリーPrEPとは「毎日1錠同じ時間に服用する」方法です。1 日 1 回決まった時間に 1 錠、リスク行為のあるなしに関わらず、毎日内服します。飲み始めて 7 日以上経過したら、薬の効果が得られます。薬の服用時間が多少ずれても、効果に大きな影響はありません。1日飲み忘れても、翌日に2錠飲む必要はありません。
ただし、MSM(男性とセックスする男性)、異性愛のシスジェンダー男性、ホルモン治療を受けていないトランス女性がTDF/FTCを使用する場合は、セックスの2〜24時間前に2錠服用することで開始できます。
デイリーPrEPのメリット
- 飲むタイミングの間違えが少ない
- セックスの計画をたてられないケースの心配がいらない
- 慢性 B 型肝炎のある人も使える可能性がある
デイリーPrEPは毎日飲むことが習慣になれば、ストレスに感じることは少ないでしょう。また予期せぬ性行為でもHIVの感染を予防することができるのが大きなメリットと言えるのではないでしょうか。
PrEPの予防効果
PrEPはHIV感染を効果的に防ぐ手段として、多くの研究で高い予防効果が示されています。
海外の研究によると、MSM(男性とセックスをする男性)を対象にした調査では、週7回の服用でHIV感染リスクを99%低下させると推計されています。また、薬物注射を行う人を対象とした調査では、HIV感染リスクを74%低下させる効果が確認されています。
日本国内でも、国立国際医療研究センターが実施した研究で、MSMを対象にデイリー(毎日)処方を行ったところ、2年間(235.5人/年)の追跡調査でHIV感染者は1人も報告されませんでした。これらの研究結果から、PrEPは適切に服用すれば非常に高いHIV予防効果を発揮することがわかります。HIV感染リスクがある方は、医師と相談しながらPrEPの活用を検討することをおすすめします。
PrEPの高い効果を保つために
PrEPの効果を最大限に発揮するには、決められた方法で服用し、飲み忘れを防ぐことが重要です。服薬率が下がると、HIV感染のリスクが高まるだけでなく、耐性ウイルスが生じる可能性もあります。飲み忘れを防ぐために、アラームを設定する、スマホのスケジュールに登録するなどの工夫をしましょう。
また、PrEPはHIV感染を防ぎますが、他の性感染症(STI)を防ぐことはできません。安全なセックスのために、アナルセックスや膣性交ではコンドームを使用し、薬物注射をする場合は清潔な注射器具を使うことが大切です。不安や疑問があれば、一度当院にご来院くださいませ。
PrEP服用前に確認すべきこと
PrEPを正しく服用するために、下記の留意事項をご確認ください。
- HIVに感染していないか
- B型肝炎ウイルスに感染していないか
- 腎臓に異常はないか
- その他性感染症に感染していないか
PrEPはHIV感染を防ぐための予防薬であり、治療薬ではありません。もしHIVに感染していることに気づかずにPrEPを服用すると、治療薬の効果が低下するリスクがあります。 そのため、PrEPを始める前に必ずHIV検査を受けることが大切です。
ペアライフクリニックでは、20分でHIVの検査をすることが可能です。PrEPを安全に始めるためにも、ぜひ当院の検査をご利用ください。
PrEP服用後に確認すべきこと
PrEPを正しい服用を続けるために、下記の留意事項をご確認ください。
- 正しい服用方法を守る
- 服用後もコンドームを使用する
- 信頼できる医療機関で購入する
PrEPは正しい服用方法で継続しましょう。PrEPはHIVの予防薬でその他の性感染症は予防することはできません。淋菌やクラミジア、梅毒など性感染症はHIVだけではありません。
当院のPrEPの特徴

初めてPrEPを始めたい方〜今まで服用していた方まで当院は多くの方に選ばれております。当院は「性病で悩む方を無くす」というクリニック理念のもと日々診療しております。
PrEPの服用を考えている、または服用している方は予防への意識が高く、性感染症のリテラシーが高い方がほとんどです。また、性感染症に感染する不安を抱えているのではないでしょうか。
性感染症は完全に防ぐことはできません。ペアライフクリニックは性感染症専門のクリニックです。皆様が安心して性生活を送れるようサポートいたします。
続けやすい価格
当院では、デシコビ(PrEPの先発品)のジェネリック薬を使用することで、より多くの方にとって続けやすい価格でご提供しております。6ヶ月分をご希望の方は1ヶ月6,500円でPrEPを始めることができます。また、初診・再診料がかからないため、PrEP 療法以外の余分な費用はかかりません。
新薬のデシコビを処方
当院では、副作用の少ない新薬「デシコビ」を処方しています。デシコビを使用することで、腎機能障害や骨粗しょう症のリスクを軽減できるため、より安心して服用いただけます。以前にツルバダを使用されていた方でも切り替えが可能です。HIV予防のために長期間服用するお薬だからこそ、身体への負担が少ないものを選びましょう。
経験豊富なスタッフ
当院は日本でも数少ない性感染症専門のクリニックです。HIV以外の感染症で困った際にはいつでも予約不要でご来院いただけます。また、すべての医師が性感染症学会・感染症学会に所属しておりますので、何かご不安なことがありましたら専門の医師までご相談ください。
受診したその日に処方
当院はPrEPの院内処方を行なっております。予約不要ですぐに処方できますので、リスク行為が近い方などお気軽にご相談ください。
検査込みのセット価格
PrEPを始める前に必要な検査がすべて料金に含まれています。また当院で処方したPrEPを服用中であれば、HIVのフォロー検査を無料で行うことが可能です。安心して性生活を送れるように当院は全面サポートいたします。
安心・安全なお薬
当院で処方する薬は、先発品と含有成分が同じことが確認されております。個人で輸入される際は品質の保証ができません。初めてPrEPを始める方や継続して服用されている方も当院をご活用ください。
PrEP-HIV よくあるご質問
A.
PrEPはHIV感染リスクのある行為の前に服用し、PEPは行為後72時間以内に服用する緊急措置です。PEPは一時的な対応のため、感染予防率を高めるにはPrEPの継続的な服用が推奨されます。
A.
オンデマンドPrEPは、性行為の前後に決められた時間で複数回に分けて服用する方法です。この方法は男性と性交渉をする男性にのみ有効とされており、それ以外の方への使用は推奨されていません。
A.
PrEPはあくまでHIVの予防方法です。梅毒や淋病、クラミジアなど他の性感染症を予防することはできません。PrEP中もコンドームを使用した安全な性行動を心がけましょう。
A.
食事と関係なく内服できます。コップ1杯程度の水で飲みましょう。
A.
月に2回以上性行為がある方には、デイリーPrEP(毎日服用)を推奨します。デイリーは飲み忘れによる感染リスクが低く、血中濃度が安定しやすいため、予防効果が持続しやすいのがメリットです。当院ではデイリーの服用を推奨しています。
A.
正しく内服をすることができれば、性行為によるHIV感染は99%の予防効果が期待できます。多くの国で承認されています。
A.
PrEP開始後に腹部膨満感・吐き気・下痢が出ることがありますが、多くは軽度で数週間以内に消失します。食後や寝る前に服用することで、消化器症状を軽減できる場合があります。
A.
薬は室温で保管し、高温多湿は避けてください。長期間ボトルから出してピルケースに入れて持ち出す場合は乾燥剤などを利用してください。
A.
成人であることが推奨されています。