男性のマイコプラズマ

マイコプラズマ感染症は、主にMycoplasma genitalium(マイコプラズマ・ジェニタリウム)という細菌が原因で発症する性感染症です。クラミジアや淋菌と同じく性行為を介して感染し、非クラミジア性・非淋菌性尿道炎(NCNGU)の代表的な病原体として注目されています。
この菌は非常に小さく、細胞壁を持たない特殊な構造から、一般的な抗生物質が効きにくいこともあるため、薬剤耐性が問題となることもあります。
目次
男性のマイコプラズマの症状
マイコプラズマ感染症(Mycoplasma genitalium)は、クラミジアや淋菌に次いで多く見られる性感染症の一つですが、症状が軽微あるいは無症状で経過することも多く、見過ごされやすい点が特徴です。感染していても自覚症状が乏しいため、知らないうちにパートナーへ感染を広げてしまうケースも少なくありません。
排尿時の痛みや不快感
マイコプラズマに感染した男性では、排尿時に「ピリッ」とするような軽い痛みや、尿道の奥に違和感を覚えることがあります。この痛みはクラミジアや淋菌に比べて穏やかなことが多く、強い不快感を感じないために、そのまま放置されてしまうケースも少なくありません。しかし、軽度であっても継続的な症状がある場合は、尿道炎が進行している可能性があるため注意が必要です。
尿道からの分泌物
マイコプラズマ感染では、尿道から透明〜白色のサラッとした分泌液が見られることがあります。ただしその量は少なく、粘り気も乏しいため、気づかずに見逃してしまうこともあります。特に下着に付着するほどではない場合、自覚されにくく、感染に気づかずに経過してしまうケースも少なくありません。
尿道のムズムズ感・かゆみ
はっきりとした痛みはないものの、尿道に「ムズムズする」「なんとなく違和感がある」といった軽度の不快感を覚えることがあります。これらの症状は日常生活に支障をきたすほどではないため、軽視されがちですが、感染のサインである可能性があるため注意が必要です。違和感が続く場合には、早めの検査を検討することが望ましいでしょう。。
無症状感染
マイコプラズマに感染した男性のうち、約3〜5割は自覚できる症状がまったく現れないとされています。無症状であっても菌は体内に存在しており、性交渉を通じてパートナーに感染を広げてしまう可能性があります。そのため、症状がないからといって安心するのではなく、感染リスクのある行為があった場合は、念のため検査を受けることが重要です。
一時的に症状が軽くなることがありますが、これは自然に治ったわけではなく、一時的に炎症が落ち着いただけの可能性もあります。菌が体内に残っていると、再燃やパートナーへの感染を引き起こすこともあるため、必ず検査・適切な治療・再検査まで行うことが重要です。
男性のマイコプラズマの感染経路
マイコプラズマ・ジェニタリウムは、性行為による粘膜接触を通じて感染する性感染症です。特に性器同士の接触だけでなく、咽頭や肛門などの複数の部位を介した感染が確認されており、幅広い性行為が感染経路となりえます。
- セックス(膣性交)
- アナルセックス(肛門性交)
- オーラルセックス(口腔性交)
- 粘膜同士の接触
男性のマイコプラズマの潜伏期間
マイコプラズマ・ジェニタリウムの潜伏期間は、感染からおおよそ1〜5週間とされています。これは、性行為などを通じて体内に菌が侵入してから、症状が現れるまでの期間を指します。症状の現れ方には個人差が大きく、感染後すぐに排尿時の痛みや違和感を感じる方もいれば、数週間経ってからようやく異変に気づくケースもあります。
また、無症状のまま経過することも少なくなく、感染していても本人が気づかないままパートナーにうつしてしまうこともあるため注意が必要です。感染の可能性がある性行為から一定期間が経過していれば、症状の有無にかかわらず一度検査を受けましょう。
男性のマイコプラズマの検査方法

当院で行う男性のマイコプラズマの検査は、全て高精度のPCR検査によるものです。感染機会から24時間以上経過していれば正確に検査することが可能です。
核酸増幅による精密検査ですので、症状がない方や感染初期の方でも検査が可能です。
マイコプラズマの検査方法
男性がマイコプラズマの検査をする際は、院内の採取用トイレにてご自身で「尿」「うがい液」「肛門ぬぐい」を自己採取していただきます。医師や看護師に性器を見せる必要はございません。ご安心してご来院くださいませ。
男性のマイコプラズマの治療方法

マイコプラズマ・ジェニタリウムは抗菌薬の効きづらさ(薬剤耐性)が問題となるため、ペアライフでは以下のような薬剤選択を行っています。
- シタフロキサシン
- ビブラマイシン
- アジスロマイシン
耐性が疑われる場合はシタフロキサシン+ビブラマイシンの併用治療を行います。
<シタフロキサシン50mg>
費用 :9,800円
用法・用量:通常、成人に対してシタフロキサシンとして1回100mgを1日2回
副作用:AST上昇、ALT上昇、腹痛、下痢、頭痛、発疹、軟便、γGTP上昇、好酸球数増加、蕁麻疹
男性のマイコプラズマの予防方法
- コンドームを使用する
- 不特定多数との性行為を避ける
- 定期的な性病検査
マイコプラズマに限らず男性が性感染症の予防を行うためにはコンドームを使用することが一番効果的です。
陽性の場合は正しい治療を受け、陰性確認検査を受けましょう。陰性確認検査は2~3週間以上空けてください。
※再検査を早く行いすぎると、死滅した菌に反応して「偽陽性」になる可能性があるため、タイミングには注意が必要です。