女性のマイコプラズマ

マイコプラズマといえば肺炎のイメージが強いと思いますが、性感染症でもマイコプラズマは肺炎とは全く関係ありません。
マイコプラズマは、クラミジアと並んで若い女性を中心に増加傾向にある性感染症の一つです。特に「マイコプラズマ・ジェニタリウム」は、女性の子宮頸管や尿道に感染し、無症状で進行することが多いため、気づかないうちに炎症や不妊リスクを引き起こす可能性があります。
目次
女性のマイコプラズマの症状
女性がマイコプラズマに感染した場合、クラミジアや淋病に似たような症状が発症いたします。多くは無症状で経過しますが、感染が進行すると以下のような症状が現れることがあります。
- おりものの増加やにおいの変化
- 下腹部の痛み
- 性交時の痛み
- 排尿時の違和感や軽い痛み
クラミジアや淋菌に比べると、マイコプラズマについての研究が進んでいないため、正確なことはわからないことが多くありますが、感染が長期化すると子宮頸管炎や卵管炎、骨盤内炎症性疾患(PID)を引き起こしといわれております。
将来的な不妊の原因となる可能性もあるため、不特定多数の方と性行為する方は特に定期的な検査が必要です。
女性のマイコプラズマの感染経路
マイコプラズマは他の性感染症と同様に、セックス(膣性交)による粘膜同士の接触を通じて感染します。感染者との性行為で、膣・子宮頸部の粘膜に病原菌が侵入し、感染が成立します。
また、オーラルセックスによる咽頭への感染、アナルセックスによる直腸感染も報告されており、性行為の形態を問わず感染のリスクはあります。コンドームを使用しない性行為や、パートナーの感染歴が不明な場合は、特に注意が必要です。
女性のマイコプラズマの潜伏期間
マイコプラズマの潜伏期間は感染から1週間〜5週間程度とされていますが、明確な症状が出ないことも多いため、発見が遅れることがあります。症状がない=感染していないというわけではなく、無症状のままでも感染は持続し、子宮や卵管に炎症が進行していく場合もあります。
また、性感染症の中でも感染者数が多い「淋菌・クラミジア」の検査を受けて「陰性」だったため自分は性感染症に感染していないと思ってしまい、マイコプラズマの感染を見逃してしまうケースが多くあります。
前述した通り、淋菌・クラミジアなどの性感染症と症状が似ているため、性病検査をしなければ感染を判断することはできません。当院ではまとめて検査することを推奨しております。
女性のマイコプラズマの検査方法

当院で行う女性のマイコプラズマの検査は、全て高精度のPCR検査によるものです。検査結果は2~3日程度でご報告いたします。
核酸増幅による即日精密検査ですので、症状がない方や感染初期の方でも検査が可能です。
当院ではお得なセットプランをご用意しております。女性看護師が常駐しておりますのでご不明点ございましたらお気軽にご相談ください。
マイコプラズマの検査方法
女性がマイコプラズマの検査をする際は、院内の採取用トイレにてご自身で「膣ぬぐい液」「うがい液」を自己採取していただきます。医師や看護師に性器を見せる必要はございません。ご安心してご来院くださいませ。
女性のマイコプラズマ治療方法

女性のマイコプラズマの治療は内服で行います。当院では3種類の治療薬をご用意しております。
- シタフロキサシン
- ビブラマイシン
- アジスロキサシン
マイコプラズマは一度の治療で完治しないケースがあります。治療薬服用後は治癒確認の検査にいらしてください。
<シタフロキサシン50mg>
費用 :9,800円
用法・用量:通常、成人に対してシタフロキサシンとして1回100mgを1日2回
副作用:AST上昇、ALT上昇、腹痛、下痢、頭痛、発疹、軟便、γGTP上昇、好酸球数増加、蕁麻疹
当院では「シタフロキサシン」を第一選択薬として処方しております。「シタフロキサシン」がマイコプラズマに対して一番抗菌活性が強いといわれれております。
マクロライド系の薬には、マイコプラズマの耐性が強いため当院ではおすすめしておりません。
女性のマイコプラズマの予防方法
- コンドームを使用する
- 不特定多数との性行為を避ける
- 定期的な性病検査
マイコプラズマに限らず女性が性感染症の予防を行うためにはパートナーにコンドームを使用してもらうことが一番効果的です。
また、治療後は治癒確認検査を行ってください。しっかりと陰性確認しなければ、ピンポン感染を繰り返してしまいます。