シルガード9(9価HPVワクチン)とは?接種回数や接種スケジュール、危険性などについて紹介
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- シルガード9(9価HPVワクチン)とは?接種回数や接種スケジュール、危険性などについて紹介
- 15歳未満:0ヶ月・6ヶ月の2回接種
- 15歳以上:0ヶ月・2ヶ月・6ヶ月の3回接種
- シルガード9の成分にアレルギーがある人
- これまでにHPVワクチンで強いアレルギー反応(アナフィラキシー)を起こしたことがある人
- 明らかな発熱がある人
- 重い急性疾患にかかっている人
「シルガード9ってどんなワクチン?」
「何回打てばいいの?」
「危険性はないの?」
そんな疑問を持つ方も多いと思います。シルガード9(9価HPVワクチン)は、子宮頸がんの原因となるHPVをより広く予防できる最新のワクチンです。本記事では、接種スケジュールや年齢による回数の違い、海外での承認状況、安全性などをわかりやすく解説します。HPVワクチンをご検討中の方の不安が少しでも軽くなるよう、正しい情報をお届けします。
ペアライフクリニックではHPVワクチンシルガードの接種が可能です。接種をご希望の方はお気軽にご相談ください。
目次
シルガード9(9価HPVワクチン)とは
シルガード9(9価HPVワクチン)とは、HPV(ヒトパピローマウイルス)による子宮頸がん・尖圭コンジローマなどを広く予防できる最新のワクチンです。従来の2価・4価ワクチンよりも予防できるHPVの型が多く、より高い予防効果が期待されています。
HPVについて→シルガード9(9価HPVワクチン)の接種スケジュール
シルガード9の接種スケジュールは、年齢によって「2回接種」か「3回接種」に分かれます。
というのが一般的なスケジュールです。
図にすると「0ヶ月目に1回目 → 2回目・3回目へ進む流れ」で、年齢が高いほど免疫をしっかり作るために回数が増えるイメージです。スケジュールが遅れた場合も、基本的には中断した回から再開できます。
接種間隔が数年あいた後にシルガード9を接種した場合
シルガード9は、接種間隔が大きくあいてしまっても「最初からやり直す必要はありません」。途中まで受けていた回数はそのまま有効とされており、何年空いていても残りの回から再開することができます。
免疫のつき方には個人差がありますが、長期間あいたことがワクチンの効果を完全に無効にするわけではありません。ただし、早めに残りの接種を完了した方が予防効果が安定するため、可能なタイミングで再開することが推奨されています。
年齢によってシルガード9の接種回数が異なる理由
シルガード9の接種回数が「2回」と「3回」に分かれているのは、免疫のつき方に年齢差があるためです。一般的に、15歳未満は免疫がつきやすく、2回の接種でも十分な抗体を獲得しやすいことが分かっています。一方、15歳以上になると免疫反応がやや弱くなる傾向があり、しっかりと抗体を維持するために3回接種が推奨されています。
また、思春期以降はHPVに触れる機会が増えるため、より確実な予防効果を得る必要があることも理由のひとつです。そのため、世界的にも「15歳未満は2回、15歳以上は3回」という区分が採用されています。どちらの回数であっても、スケジュール通りに接種を完了することで、最大限の予防効果が期待できます。
2価ワクチンか4価ワクチンを接種すると
9価ワクチンは接種できない?
結論からお伝えすると、「2価(サーバリックス)や4価(ガーダシル)を接種していても、9価(シルガード9)を追加で接種することは可能」です。すでに接種している回数に応じて、必要な追加接種の回数が変わるため、以下のリストを参考にすると分かりやすくなります。
【1回のみ接種済みの場合】
2価または4価を1回だけ接種している場合、シルガード9へ切り替えて残りの接種を続けることができます。 追加のシルガード9は「年齢に応じて2回または3回」 です。2価・4価の1回分が「無効になる」わけではありませんが、シルガード9に含まれる型の予防効果を十分得るために推奨回数を接種する必要があります。
【2回のみ接種済みの場合】
2価・4価を2回受けているケースでは、ワクチンとしての効果は一定程度得られていますが、9価すべての型をカバーするには不十分です。 この場合も シルガード9を推奨回数(2回または3回)接種することで、9価ワクチンの効果を得ることができます。 元のワクチンの有効性をゼロにする必要はなく、そのまま「追加のワクチン」としてシルガード9を打つイメージになります。
【3回のみ接種済みの場合】
サーバリックス(2価)やガーダシル(4価)をすでに3回打ち終わっている方でも、シルガード9を接種することは可能です。 特に、4価には含まれていない追加5種類(31・33・45・52・58型)をカバーできるため、より広い予防効果を得たい方にはメリットがあります。この場合も「シルガード9の標準回数を改めて接種」する形になります。
【途中で製品を切り替えても大丈夫?】
ワクチンのメーカーが異なっても問題ありません。 医学的にも「途中で切り替えたから効果が下がる」という明確なデータはなく、むしろ9価に切り替えることで予防範囲が広がるメリットがあります。海外でも2価や4価から9価に切り替えるケースは一般的です。
シルガード9は償還払いの対象?
シルガード9は、定期接種の対象年齢(小学校6年生〜高校1年生相当)であれば公費で受けられますが、それ以外の年齢では「任意接種」として自己負担になります。
ただし、一部の自治体では任意接種に対する「償還払い制度(費用の一部を後から払い戻す制度)」を実施しているところもあります。制度の有無や金額は自治体によって大きく異なるため、住んでいる市区町村の公式サイトで確認するのがおすすめです。
海外でのシルガード9の承認状況
シルガード9(9価HPVワクチン)は、アメリカやヨーロッパをはじめ、世界の多くの国で承認されている最新のHPVワクチンです。
特に米国ではすでに標準的なHPV予防ワクチンとして広く使用されており、日本でも2021年に正式承認されました。世界的にも安全性と有効性が認められ、多くの国で普及が進んでいます。
期接種の対象年齢外の人もシルガード9を任意接種できる?
定期接種の対象年齢(小学校6年生〜高校1年生相当)を過ぎた場合でも、シルガード9を「任意接種」として受けることは可能です。対象年齢外になると公費ではなく自己負担になりますが、HPVは年齢に関係なく感染のリスクがあるため、20〜30代になってからでも接種するメリットがあります。特に、性的接触の経験がある方でも、まだ感染していない型を予防する効果が期待できるため、ワクチンの意義は失われません。
また、自治体によっては過去に接種機会を逃した方を対象とした「キャッチアップ接種」や、任意接種に対する助成制度を実施しているところもあります。自分が対象になるかどうかは自治体によって異なるため、住んでいる地域の制度を確認したうえで、最適なタイミングで接種を検討することが大切です。
キャッチアップ制度とは
キャッチアップ制度とは、過去にHPVワクチンを接種する機会を逃した方に対して、あらためて公費で接種できるようにする救済的な制度のことです。日本では、過去にHPVワクチンの積極的勧奨が一時的に差し控えられていた期間があり、その影響で接種を受けられなかった世代が生じました。こうした背景を受け、現在(2025年11月時点)は「1997年度生まれ〜2007年度生まれ」の方を対象に、無料でHPVワクチンを受けられるキャッチアップ接種が実施されています。
この制度を利用すれば、費用負担なしでシルガード9を含むHPVワクチンを接種できる可能性があります。ただし、対象期間には期限があるため、まだ接種を受けていない方は早めに確認しておくことが大切です。
シルガード9の安全性
シルガード9は、世界的にも安全性が高いと評価されているHPVワクチンです。これまでに多くの国で接種されており、重大な副反応の発生率は極めて低いことが報告されています。
主な副反応は腕の腫れや痛み、軽い発熱などで、多くは数日以内に自然におさまります。シルガード9は、HPV感染による子宮頸がんや性感染症を広く予防できる有効なワクチンとして、医療現場でも広く推奨されています。
シルガード9を接種できない人
以下のような方は、シルガード9の接種ができない、または慎重な判断が必要とされています。
体調に不安がある場合は、接種前に医師へ相談することが大切です。
HPVワクチンのご案内
HPVワクチンは、将来の子宮頸がんや尖圭コンジローマを予防する大切な手段です。接種のタイミングを逃してしまった方や、シルガード9への切り替えを検討している方も、どうぞお気軽にご相談ください。ペアライフクリニックでは、年齢や接種歴に合わせて最適なワクチンをご案内しています。
不安なまま過ごすのではなく、今できる予防を一緒に考えてみませんか?
まとめ
シルガード9は、従来のHPVワクチンよりも予防できる型が増え、子宮頸がんのリスクをより広く減らせる有効なワクチンです。年齢によって接種回数やスケジュールが異なりますが、途中で間隔が空いてしまっても再開できる柔軟さがあります。
対象年齢外でも任意接種が可能で、キャッチアップ制度や自治体の助成を利用できる場合もあります。安全性も世界的に認められており、不安があれば医療機関へ相談することで安心して接種を検討できます。