男性のHIV感染の実態・症状・適切な治療法について解説
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HIV感染者やエイズ患者の数は年々増加しています。感染者の約8割は男性です。
現在では、適切な治療を受けることで、HIV感染者も健康な人と同じような生活や体力を取り戻すことが可能となり、HIVは「不治の病」ではなくなりつつあります。
こうした治療の進歩や認識の変化により、特に男性同士の性行為(アナルセックス)において、コンドームの使用率が低下していると考えられます。
しかし、HIVの初期症状はインフルエンザや風邪と似ており、気づかないうちに進行してしまうこともあります。そのため、HIVに感染しないためには、予防対策をしっかりと行うことが何より重要です
目次
男性HIVの実態
日本では、HIV感染者およびエイズ患者の累計が3万人を超えています。2023年の報告では、HIV感染者の約89%、エイズ患者の約94%が男性でした。主な感染経路は、男性間の性的接触、特にアナルセックスによるものが多くを占めています。
挿入する側・される側の双方に感染リスクはありますが、特に受け手側は肛門の粘膜が傷つきやすいため、HIVに感染するリスクが高くなるとされています。HIVに感染しないためにもコンドームの使用やPEP・PrEPの服用しましょう。
男性特有のHIV感染初期症状と進行
HIVに感染した際の初期症状は、男性特有の症状はなく、主に以下のような症状が報告されています。
これらはインフルエンザや風邪に類似した症状であり、感染から2〜4週間後に一時的にみられることが多いです。多くの場合、自然に軽快するため見過ごされることがありますが、この段階を放置すると、無症候期を経てエイズを発症する可能性があります。
したがって、上記のような症状がみられ、HIV感染のリスクが考えられる行為に心当たりがある場合は、早期にHIV検査を受けることが重要です。早期診断と適切な治療により、ウイルスの増殖を抑え、長期的な健康の維持が可能となります。
男性のHIV検査について
HIVの感染者の多くは男性です。そのため、感染を広げないためにも定期的な検査を受けることがとても重要です。HIVの検査には主に3種類あり、まず抗体検査は、HIVに感染しているかどうかを調べる方法です。第4世代検査では、抗原と抗体の両方を同時に調べることができるため、抗体検査よりも早期に感染を発見することができます。そのため、第4世代検査の受診をおすすめしています。
さらに、HIV-1 RNA定量検査は、血液中のウイルスの量を測定し、感染の段階を詳しく調べる検査です。これらの検査を適切に受けることで、早期発見・早期治療につなげることができ、感染拡大を防ぐことができます。
男性のHIV治療について
現在の医療では、HIVウイルスを体内から完全に排除することはできません。しかし、早期に発見し、適切な治療を継続することで、エイズの発症を防ぎ、健康な人と同じように生活することが可能です。
HIVの治療には「抗HIV療法(ART)」が用いられます。この治療により、体内のウイルス量を大きく抑えることができ、免疫機能の回復も期待できます。そのため、HIV感染が疑われる場合は、早めの検査・治療開始がとても大切です。
仕事への影響について
HIVに感染しても、適切な治療を受けることで仕事に支障をきたすことはありません。治療を継続することで体力が回復し、健康な人と同じように運動や体力仕事を行うことも可能になります。そのため、仕事や将来の選択肢を広げるためにも、感染の不安がある場合はできるだけ早く検査を受けることが大切です。
HIVの男性不妊について
HIVに感染していても、「精液洗浄法」と「顕微授精(ICSI)」を使った体外受精によって、安全に妊娠することが可能です。しかし、感染している状態でセックス(タイミング法)を試みると、母子感染のリスクが高くなります。
多くの方は、セックスによって妊娠を希望されるかもしれませんが、妊娠や将来の子どもを考えている方は、まず一度、ブライダルチェックなどの検査を受けることをおすすめします。それにより、安全で最適な方法を医師と相談しながら選ぶことができます。
利用可能な制度・支援について
HIV陽性と診断された方へ。現在は治療を続けながら通常の生活を送ることが可能です。日本には医療費の助成や生活支援などの制度があります。不安を抱え込まず、必要な制度を活用して安心して治療を続けましょう。
制度 | お問い合わせ先 |
---|---|
高額医療費制度 | 加入している公的医療保険 |
付加給付 | 加入している健康保険組合 |
特定疾病療養費 | 加入している公的医療保険 |
障害者手帳 | お住まいの市区町村の担当窓口 |
自立支援医療 | お住まいの市区町村の担当窓口 |
重度心身障害者医療費助成制度 | お住まいの市区町村の担当窓口 |
医療費控除、障害者控除(所得税、相続税) | お住まいの地域を管轄する国税局の電話相談センター |
障害者控除(住民税) | お住まいの市区町村の担当窓口 |
HIVに感染を疑った際の相談先
HIVの感染が不安な方や、感染の可能性がある行為のあとに心配を感じている方は、以下の窓口へご相談いただけます。
当院では、初診・再診ともに無料で診察を行っており、オンライン診療にも対応していますので、遠方にお住まいの方でも受診が可能です。HIVに感染した可能性がありご不安な方は、どうぞお気軽にご相談ください。
相談場所 | 相談可能な内容 |
---|---|
各都道府県・市区町村保健所 | 匿名・無料でのHIV検査、性感染症相談など |
エイズ予防財団(エイズ予防週間等) | 検査・啓発イベントの全国展開 |
地方自治体の「エイズ相談電話」 | HIV・エイズに関する不安や疑問の電話相談 |
ペアライフクリニック | 匿名でオンライン診察可能(無料) |
ペアライフクリニックは予約不要で
ご来院いただけます

「感染行為を行いすぐにでも検査を受けたい方」
「先の予定がたてにくく予約を取ることが難しい方」
「性感染症に該当する症状を発症しているが誰にも相談できない方」など
性感染症は誰にも感染するリスクがあるのにも関わらず受診しずらい感染症だからこそ予約不要で手軽にご来院いただける体制を整えています。検査を受けたその日に検査結果がわかり、陽性だった場合には当日に治療を開始することができます。
また、性感染症・感染症学会に所属している医師が常駐しております。ご不安なことがありましたらお気軽にご相談くださいませ。
男性のHIV感染の実態・症状・適切な治療法について解説 よくあるご質問
A.
はい。日本ではHIV感染者・エイズ患者ともに年々増加傾向にあります。HIVの感染者は男性が約8割です。2023年の報告では、感染者の約89%、エイズ患者の約94%が男性でした。
A.
適切な治療(抗HIV療法:ART)を受けることで、ウイルスの増殖を抑え、健康な人と同様に生活することが可能です。早期の検査と治療が非常に重要です。
A.
男性間の性的接触、特にアナルセックスによる感染が多く報告されています。受け手側は粘膜が傷つきやすく、感染リスクが高くなります。HIVに感染しないためにもコンドームの使用、PEP・PrEPの服用を推奨します。
A.
コンドームの使用が基本です。また、曝露前予防(PrEP)や曝露後予防(PEP)の服用も有効です。医師と相談してご自身に合った予防策を取りましょう。
A.
抗体検査、第4世代検査、HIV-1 RNA定量検査でHIV感染の有無、ウイルス量を調べることができます。HIVの有無を確認したい場合は、第4世代検査。ウイルス量を調べたい場合は、HIV-1 RNA定量検査を行うことを推奨します。