カンジダが再発を繰り返す理由と予防法を解説
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カンジダは一度治療しても再発を繰り返しやすい感染症として知られています。特に女性は、月経や妊娠、更年期などライフステージごとにホルモンバランスが変化しやすく、その影響で膣内環境が乱れやすくなります。
また、疲労やストレス、抗生物質の使用、性器周辺の蒸れなど、日常生活のささいな要因でも発症の引き金となることがあります。
カンジダを繰り返さないためには、医師の治療を受けるだけでなく、普段の生活習慣やセルフケアの工夫も欠かせません。
カンジダが再発しやすい原因と日常生活で実践できる予防のポイントを解説します。
目次
カンジダが再発する女性は多い
女性は、月経、妊娠、出産、更年期、あるいは経口避妊薬(ピル)の服用など、ライフステージや状況に応じてホルモンバランスが変化しやすい特性があります。ホルモンバランスの変動は膣内環境にも影響を及ぼし、カンジダ菌の増殖リスクを高めます。
健康な膣内は、「デーデルライン桿菌」と呼ばれる乳酸菌の一種によりpH 3.8〜4.5程度の弱酸性が保たれています。この弱酸性環境は雑菌の増殖を抑制し、いわゆる膣の自浄作用として機能します。
しかし、ホルモンバランスの変化によりデーデルライン桿菌の数や活性が低下すると、膣の酸性度が上昇(酸性が弱まる)し、自浄作用が減弱します。
その結果、常在菌であるカンジダ菌が過剰に増殖し、膣カンジダ症を発症することがあります。特に妊娠中はエストロゲンやプロゲステロンの分泌変動が顕著であるため、膣内環境が不安定になり、カンジダ症の発症率が高まります。
カンジダが再発しやすい理由について
カンジダは健康な人の体内にも存在する常在菌であるカンジダ菌によって引き起こされる感染症であり、一度症状が治っても再発しやすい特性があります。実施に、膣カンジダを発症した経験のある女性の半数が複数回の再発を経験しているとも言われております。
疲労やストレス
カンジダ菌は、健康な人の膣や腸に常在し、通常は免疫機能や常在菌叢により増殖が抑えられています。しかし、睡眠不足や過労、精神的ストレス、風邪などで全身の抵抗力が低下すると、この抑制機構が弱まり、カンジダ菌が急速に増殖します。
免疫低下により細胞性免疫が機能しにくくなり、膣粘膜からの排除が困難になります。また、酸性環境を保つ乳酸菌(デーデルライン桿菌)の減少でpHが上昇し、膣の自浄作用が低下します。こうした変化が重なることで膣カンジダ症を発症しやすくなります。
性器周辺の環境
カンジダ菌は温かく湿った環境で繁殖しやすい菌です。通気性の悪い下着や身体を強く締め付ける衣服の着用、ナプキンやおりものシートを長時間交換しないこと、入浴や水泳後に陰部を十分に乾燥させないことなどが原因となり、性器周辺に菌が増えやすい状態をつくります。
性行為
カンジダ症は多くの場合、常在菌が増殖して発症しますが、性行為を介してパートナー間でうつることもあります。特にパートナーがカンジダ菌を保有していると、治療後でも再び感染し合う「ピンポン感染」が起こり、症状を繰り返す原因となります。
そのため、医師から性行為再開の許可が出るまでは、症状が落ち着いていても性行為は控えることが大切です。
また、性行為を行う際にはコンドームを使用することで、パートナーに感染を広げるリスクを下げることができます。ただし、コンドームは膣外や外陰部の接触までは完全に防げないため、あくまで感染予防の一助と考える必要があります。再発を防ぐためには、パートナーと一緒に診察を受け、必要に応じて双方が治療を行うことも有効です。
抗生物質の誤った服用
風邪などで抗生物質を服用すると、病原菌だけでなく体内に存在する善玉菌(腟内ではデーデルライン桿菌など)まで減少してしまうことがあります。デーデルライン桿菌は腟内を弱酸性に保ち、雑菌やカンジダ菌の増殖を抑える重要な働きを担っています。
そのため、抗生物質を必要以上に使用すると腟内のバランスが崩れ、カンジダ菌が増殖しやすい状態になることがあります。
女性ホルモンの変化
妊娠中や産後、生理の前後、更年期、あるいは経口避妊薬(ピル)の服用などにより、女性ホルモンの分泌が変化すると、体の免疫力が一時的に低下しやすくなります。その結果、腟内環境を保つ働き(自浄作用)が弱まり、カンジダ菌が増殖しやすい状態になることがあります。
カンジダの再発を防ぐ方法について
カンジダ症は一度治療しても、体調の変化や生活習慣の影響で再発することがあります。再発を繰り返さないためには、正しい治療とあわせて日常生活での工夫が大切です。ここでは、カンジダの再発を防ぐために気をつけたいポイントを詳しくご紹介します。
医療機関の受診と適切な治療薬の利用
カンジダと症状が似ている病気も存在するため、自己判断でカンジダと決めつけるのは危険です。症状が疑われる場合は、できるだけ早めに医療機関で検査を受けることが大切です。また、不必要な抗生物質の使用は控えましょう。抗生物質は体に必要な菌まで減らしてしまい、結果的にカンジダ菌が増えやすい環境をつくることがあります。
疲労やストレスを溜めない
疲労やストレスをためないために、規則正しい生活を心がけることが重要です。免疫力が低下するとカンジダ菌が増殖しやすくなります。具体的には、バランスの取れた食事、十分な睡眠、適度な運動を意識して生活することが大切です。軽度の場合、カンジダは免疫力の回復により自然に症状が改善することもあります。
カンジダの自然治癒について→性器周辺を清潔に保つ
生理中はホルモンバランスの変化で膣の自浄作用が低下しやすく、性器周辺が蒸れるため、ナプキンやタンポン、おりものシートはこまめに交換し、清潔に保ちましょう。
膣内の洗い方に気をつける
膣内には自浄作用を持つ善玉菌が存在しており、過度な洗浄は常在菌のバランスを崩し、カンジダ菌の増殖を促す可能性があります。洗浄する場合は、刺激の少ないデリケート専用ソープを使用するか、ぬるま湯で優しく洗い流す程度にとどめることが望ましいです。
カンジダの相談は性病専門クリニックまで
カンジダの症状は、他の性感染症や細菌感染と似ていることがあります。性病専門クリニックでは、カンジダかどうかを正確に判断する体制が整っています。
カンジダ自体は性感染症ではありませんが、性行為による感染の可能性やパートナーへの配慮なども含め、総合的なアドバイスが可能です。また、自費診療の場合は保険証不要で検査を受けられるため、プライバシーにも配慮されています。
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「感染行為を行いすぐにでも検査を受けたい方」
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また、性感染症・感染症学会に所属している医師が常駐しております。ご不安なことがありましたらお気軽にご相談くださいませ。
カンジダが再発を繰り返す理由と予防法について よくあるご質問
A.
はい。実際に、膣カンジダを発症した女性の半数以上が再発を経験するといわれています。再発を防ぐには、十分な睡眠・バランスの取れた食事・ストレスをためない生活習慣が重要です。
A.
カンジダはもともと体内に存在する常在菌による感染症で、主な原因は自己感染です。ただし、パートナーからうつることもあり、治療中は医師の指示があるまで性行為を控えることが推奨されます。
A.
カンジダの再発を防ぐためには、疲労やストレスを溜めない、下着やナプキンを清潔に保つ、膣内を洗いすぎない、抗生物質を必要以上に使用しない。ことが再発予防につながります。