亀頭包皮炎
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亀頭包皮炎(きとうほうひえん)とは、亀頭(ペニスの先端)や包皮に炎症が起こり、赤み・痛み・かゆみ・腫れなどの不快な症状が生じる状態を指します。病名としてはシンプルですが、原因はさまざまで、症状の出方や治療方法も大きく異なります。
亀頭や包皮は非常に刺激を受けやすい部位であり、汗・汚れ・摩擦・細菌や真菌(カビ)の増殖、さらには性病など、わずかな環境変化でも炎症が起きやすい繊細な場所です。そのため、日常生活の中で誰にでも起こり得る一般的な皮膚トラブルでありながら、性感染症が隠れているケースもあるため注意が必要です。
炎症が進むと、赤みだけでなくヒリヒリする痛み、かゆみ、白いカスの付着、ただれや亀裂、排尿時の痛みなど、生活に支障が出るほどの不快感を伴うことがあります。特に性行為後や長時間の蒸れが続いたあとに症状が悪化することが多いのが特徴です。
目次
亀頭包皮炎の治療について
亀頭包皮炎はカンジダと同様に性病ではありません。男性器の細菌やカビによって炎症を起こしている状態です。亀頭包皮炎はカンジダ性(カビ)か細菌性(バイ菌)の2種類に分かれておりそれぞれ治療法が異なります。
亀頭包皮炎の治療方法
基本的には「塗り薬(軟膏・クリーム)」だけで、1週間程度で劇的に良くなります。医師の視診や培養の検査によって薬を処方いたします。当院では原因に合わせて2種類の治療薬をご用意しております。


カビが原因の場合はルリコン軟膏1%、バイ菌が原因の場合はゲンタシン軟膏を処方いたします。
ルリコン軟膏1%
ルリコン軟膏はカンジダなどのカビに対して有効で1日1回塗布することで長時間効果が続くのが大きな特徴です。しかし塗り方を間違えると治らない原因となりますので、正しい手順を守って使用する必要があります。
回数: 1日1回(お風呂上がりが良い)
場所:患部(赤み、かゆみがある場所)とその周辺
期間:症状が消えても、医師の指示がある期間(通常1〜2週間)
記載のとおり患部より広めに塗ることをお勧めいたします。カビは目に見える赤い部分の外側にも広がっています。そのため、患部の周りの正常に見える範囲にも塗布するようにしましょう。
ゲンタシン軟膏
ゲンタシン軟膏はルリコン軟膏とは異なり、皮膚の表面にいる細菌に対して効果を発揮する治療薬です。ゲンタシン軟膏はカビやカンジダ菌には効かないため、亀頭包皮炎の原因をしっかりと見極める必要があります。
回数: 1日1回〜数回
場所:適量を患部に塗ります。(ガーゼに伸ばして貼る方法もあります。)
期間: 通常、数日〜1週間程度で良くなります。
使用する際には患部を優しく洗い清潔にした状態で塗布しましょう。
亀頭包皮炎の治療薬の見極め方
症状の種類によって、見極めることがほとんどです。わかりやすく表にまとめました。
| 特徴 | 細菌性(バイ菌) | 真菌性(カビ・カンジダ) |
|---|---|---|
| 症状 | 痛みが強い(ズキズキ、ヒリヒリ) | 痒みが強い(ムズムズ、激しい痒み) |
| 皮膚の様子 | 全体が赤く腫れるパンパンになる熱を持っている | 薄皮がむける赤いブツブツができる白い粉をふく |
| 分泌物 | 黄色いドロっとした膿汁が出る(ジュクジュク) | 白いポロポロしたカス酒粕やチーズ状 |
| ニオイ | 臭い(腐ったようなニオイ) | あまり臭わない(酸っぱいニオイ程度) |
| 原因 | 不潔、擦り傷、性行為 | 蒸れ、洗いすぎ、抗生物質、糖尿病 |
当院では培養により原因を調べて治療することも可能です。亀頭包皮炎についてご不明点がございましたらお気軽に当院までご相談ください。
亀頭包皮炎の治療をする際の注意点
亀頭包皮炎の治療は処方された薬をただ使用するだけでは、効率的に治療することはできません。亀頭包皮炎の治療をする際の注意点をご案内いたします。
患部を石鹸で洗わない
患部からカスが出たり、匂いがきつくて汚いからと思って石鹸やボディソープでゴシゴシ洗ってしまうと逆効果になります。炎症を起こしている患部は傷口と同様に菌が入りやすい状態になっています。
治療中はお湯で流すだけにしてください。どうしても気になる方はよく泡立てて手で触れずに流すぐらいにしてください。
乾燥を意識する
カビが原因で症状が出ている場合は、湿気が大きな原因となっております。外用薬を塗布した後にすぐに皮を被せてしまうとこもった状態になり菌が増殖する可能性があります。
ドライヤーの冷風等で遠くから当てて乾かすと効果的です。
自己判断の薬を使用しない
自宅にあるオロナインや以前もらった皮膚科の薬などを使用することはとても危険です。もちろん効果的なケースもありますが、カビが原因だった場合、ステロイド入りの痒み止めを塗布するとカビが増殖する可能性があります。
必ず医師から処方されて薬のみ使用するようにしてください。
