性行為により感染する性病は、予防や重症化させないために正しい知識を持つことが大切です。

今回は、性病に関する予防策や感染確率を減らす方法、また重症化させない方法についてご紹介いたします。性病に関して、お悩みの方はご参考にしてください。

基本的な性病予防

性病とは、性行為によって感染する感染症のことをいいます。性病のなかには、血液を介して感染するものや、病原菌が粘膜に付着することで感染するものなど、さまざまな感染経路があるのが特徴です

性病のなかには、無症状であることや比較的症状が軽症で済むものから、放っておくと命に関わるような重症なものまで、多様な種類があります。

性行為時はコンドームの着用を

主な性病の感染経路には以下のような種類があります。

・セックス
・フェラチオ・クンニ
・アナルセックス
・キス
・血液・体液による感染
・母子感染

このように、性病には数多くの感染経路があります。

これらの性病を確実に予防するには、性行為をしないことが一番です。しかし、性行為をしないというのはなかなか現実的ではありません。その場合、最も有効な性病予防策は、性行為時にコンドーム(避妊具)を着用することです。

性病に対する有効な対策として、精液や膣分泌液、また血液などが自分の性器をはじめとした粘膜に直接触れないようにすることが重要といわれています。そのために、コンドームを正しく着用することが大切になります。

しかし、コンドームを着用しても100%性病を予防できるわけではありません

数ある性病のなかでも、尖圭コンジローマ↗︎梅毒↗︎などの性病は、菌と傷口のある皮膚や粘膜が接触することでも感染するため、必ずしもコンドームのみで予防できるとは限りません。

ワクチンや薬による性病予防

コンドームだけでは防ぎきれない性病があることについてご紹介しました。ここからは、コンドーム以外で有効なワクチンや薬による性病予防について解説していきます。

ワクチンにより予防が可能な性病

数ある性病のなかでも、B型肝炎A型肝炎尖圭コンジローマ(HPV)はワクチンで予防が可能な性病です。

尖圭コンジローマのワクチンに関しては、基本的には性交渉を経験する前に接種することが勧められています。

しかし、性交渉の経験がある人に関しても一定の効果が期待できることや、数多くあるHPVの型のうち、未だ感染していない型のHPV予防としてワクチンは有効といわれているのです。

ワクチンを接種することで予防できる性病があるため、セックスの頻度が高い人や職業上リスクが避けられない人は、ワクチン接種を検討してみると良いでしょう。

薬により予防が可能な性病

HIV↗︎梅毒↗︎淋菌↗︎クラミジア↗︎は予防薬によって予防が可能な性病です。

梅毒、淋菌、クラミジアに関しては、比較的安価で予防することが可能となります。当院でもドキシペップという予防方法を取り扱っております。

病気別の性病感染率

性行為時におけるコンドームの着用やワクチン接種などの感染予防策をとらなかった場合、どの程度の確率で感染するリスクがあるのでしょうか。

ここからは、性病別の性病感染率についてご紹介します。

性感染症 項目感染率
性器クラミジア感染症30%〜50%
淋菌感染症30%
性器ヘルペス感染症5〜10%
尖圭コンジローマ60〜80%
梅毒15〜30%
トリコモナス症70〜80%
HIV/エイズ0.1〜1%
※感染者と性行為を行った際の感染確率

性病によってさまざまな感染率があります。大きなものでは約8割の感染率を示すものもあるため、「自分は大丈夫」と思わずに感染予防策について考えていく必要があります。

性病に関することはセンシティブな感染症のため、家族や友人になかなか相談しにくいという方もいるかもしれません。しかし、これらの性病のなかには早めに治療をしなければ命の危険があることが分かっています。

少しでも性病に関して悩んでおりましたら、当院にご来院ください。当院は性感染症専門のクリニックですので、「専門のスタッフ」が既往歴や症状、行動に合わせて最善の検査・治療プランをご案内いたします。

ペアライフクリニック

効果的でない性病予防

ここまでは、性病予防に対して効果的な対策方法についてご紹介しました。ここからは、性病予防にあまり効果的でない方法についてご紹介します。

誤ったコンドームの使用

性行為時のコンドームの使用が性病予防にまつわる基本的な予防方法であることを説明してきました。しかし、コンドームは挿入時にのみ装着するのでは性病予防に効果的とはいえません。

性病の感染経路には、オーラルセックスも含まれるため、挿入時のみの装着では不十分です。オーラルセックスをする場合でも、性器が相手の粘膜や性器に触れる場合はコンドームを装着することが大切です。

アルコール消毒

性行為のあと、アルコール消毒により性病は予防できるの?という声を聞くことがありますが、結論からお伝えするとアルコール消毒では性病を予防できません。

アルコール消毒液は、一般的な細菌やウイルスに対して効果をもたらすことが分かっています。しかし、性病の菌やウイルスに対する効果を一様に扱うことはできません。なぜなら、菌やウイルスによって作用するアルコール濃度が異なるほか、性器の場合は刺激が強すぎてトラブルの元となるからです。

適したアルコール濃度のものでないと皮膚や粘膜に異常をきたし非常に危険ですので、アルコールスプレーなどによる拭き上げは絶対に行わないようにしてください。

誤った性病に関する知識

性病を予防する上で最も大切な予防策といえることは、性病に関する正しい知識を持つことです。

性病という病気の特性上、なかなか周囲の人へ相談しにくかったり受診しにくかったりするかもしれません。しかし、感染に心当たりがあったらすぐに受診し適切な治療を受けなければ、パートナーや生まれてくるお子さま、また最悪の場合は命に危険を及ぼす危険性もあります。

性病のなかには、すぐに適切な治療を受けることで症状が軽く済むものもあります。性病に関する正しい知識を持つことが、ご自身やパートナーの安全を守ることにつながるのです。

性病予防のまとめ

これまで、性病に関する予防策や感染確率を減らす方法、また重症化させない方法についてご紹介してきました。

性病にまつわる内容はとてもデリケートなため、一人で抱え込んでしまう方も多いでしょう。しかし、症状を重症化させないためにも、心当たりのある場合はお気軽に当院のご相談ください。