【2026年4月|4週目】性病のトピックス

「性感染症 診断・治療ガイドライン2026」が刊行

日本性感染症学会が編集する「性感染症 診断・治療ガイドライン2026」が刊行されました。2020年版から6年ぶりの改訂で、新たにBQ(Background Question)・CQ(Clinical Question)を設定し、エビデンスレベルが明記されております。臨床現場での実践的活用が強化されました。

参照:日本性感染症学会

ペアライフクリニックの見解

検査数治療数
梅毒4,208件51件
クラミジア6,067件870件
淋菌5,757件272件
マイコプラズマ1,401件81件
トリコモナス1,580件57件
ペアライフクリニック6院の検査数に対する陽性率
ペアライフクリニック6院の検査数に対する陽性率

今回のガイドライン改訂では、マイコプラズマ・ジェニタリウムにおける薬剤耐性の問題についても重要な言及されております。

2026年3月におけるペアライフクリニックの検査データでは、検査数に対する陽性者率において、マイコプラズマは淋菌と比較して高い傾向が認められました。

マイコプラズマ・ジェニタリウムに感染した場合、排尿時痛や違和感など、淋菌やクラミジアと類似した症状を呈することが多く、自己判断が難しい点に注意が必要です。

さらに、マイコプラズマは性器だけでなく咽頭にも感染する可能性があるため、感染機会があった場合には、性器と咽頭の両部位の検査を受けることを推奨します。

Doxy-PEPの普及で梅毒24%
クラミジア18%減
淋菌耐性は上昇

サンフランシスコ市保健局が4月15日に発表した報告書によると、サンフランシスコ市における性感染症の報告件数は前年と比較して減少したことが明らかとなりました。

具体的には、2025年の梅毒患者数は前年比で24%減少し、クラミジアは18%、淋菌は5%の減少が確認されています。

公衆衛生当局は、この背景として、男性同性愛者やトランスジェンダー女性を中心に処方されている性感染症予防薬「ドキシサイクリン曝露後予防(doxy-PEP)」の使用拡大が寄与している可能性があると分析しています。

参照:SF Examiner

ペアライフクリニックの見解

来院者数予防を目的とした
来院者数
7,359人960人
ペアライフクリニックの2026年3月の実績数

上記の表は、ペアライフクリニックにおける来院者数と、そのうち性感染症の予防を目的として来院された方の来院者数をまとめたものです。分析の結果、予防目的での来院者は全体の約13%を占めていることが分かりました。

特に近年では、ドキシサイクリン曝露後予防(doxy-PEP)の認知拡大が顕著に見られます。2025年3月において、ドキシペップを目的とした来院者の割合は5.6%でしたが、2026年3月には9.3%まで増加しており、約1.7倍に増加しています。このような背景からも、性感染症予防に対する意識の高まりがうかがえます。

淋菌に対する新薬がFDAが承認

米国食品医薬品局(FDA)は、淋菌(淋病)に対する2種類の経口治療薬を新たに承認しました。

承認されたのは、ゾリフロダシン(zoliflodacin)とゲポチダシン(gepotidacin)で、いずれも性器の淋菌の治療を対象としています。これらは、12歳以上の患者に使用可能な経口抗菌薬です。

従来、淋菌の標準治療はセフトリアキソンなどの注射薬が中心でしたが、今回の承認により、内服による新たな治療選択肢が提供されることとなりました。

特に、ゾリフロダシンは新規作用機序を持つ抗菌薬であり、ゲポチダシンも含めて、いずれも従来とは異なる作用点を持つ新しい抗菌薬クラスに属しています。

FDAは、これらの承認について「淋菌に対する治療選択肢の拡大において重要な役割を担う治療薬である」と位置付けており、今後の治療戦略に大きな影響を与える可能性があるとしています。

近年、耐性菌の増加が課題となっている淋菌において、新たな有効性を有する治療法として確立されることが期待されています。

参照:FDA

ペアライフクリニックの見解

ペアライフクリニックの見解

淋菌に対する治療は、これまで内服抗菌薬における耐性菌の増加が問題となってきた背景から、現在では主にセフトリアキソン(点滴)やトロビシン(筋肉注射)といった注射による治療が標準とされています。

一方で、点滴や筋肉注射に対して苦手意識を持つ患者様も一定数存在しており、内服薬による治療が可能となることで、患者様の負担軽減や治療選択の幅の拡大につながることが期待されます。

近年では、経口で服用可能な新しい治療薬の開発・承認が海外で進んでいますが、日本国内における承認時期については現時点で未定です。

現在、内服薬により治療は高い治癒率を維持していますが、今後も薬剤耐性の動向には十分注意を払いながら、慎重に経過を見ていく必要があります。

参考文献

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