【2026年4月|3週目】性病についてのトピックス
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4月13日(月)よりCDCの
「STI Awareness Week 2026」が開幕
CDCが毎年4月に開催するSTI啓発期間が4月13日(月)~4月18日(日)で開催されました。2026年のテーマは「Prepare Before You’re There(備えよ、その前に)」です。「Talk. Test. Treat.」「GYT(Get Yourself Tested)」の2キャンペーンが並行して展開しております。
ペアライフクリニックの見解
4月は新生活・新入学の時期であり、新しい出会いが増えるシーズンです。そのため、性的接触の機会も増加し、性感染症(性病)を「うつす・うつされる」リスクが高まる傾向があります。
実際、先週のトピックスでも触れたように、梅毒の主な感染経路としてマッチングアプリ経由の出会いが多いことが報告されています。当院の来院者層とも一致しており、新天地でマッチングアプリを利用し始めたことをきっかけに、初めて会った相手との性行為に至るケースも少なくありません。
このような背景を踏まえ、改めて性感検査、予防の重要性を再認識することが大切です。
今月より9価(HPVワクチン)に一本化
キャッチアップ接種経過措置も終了
2026年4月1日より、HPVワクチンが9価(シルガード9)のみに変更となりました。従来の2価・4価ワクチンは定期接種から除外されました。また、積極的にHPVワクチンの接種を推奨されていたキャッチアップ接種経過措置も2026年3月31日で終了しました。
9価(HPVワクチン)に一本化について
ペアライフクリニックの見解

9価HPVワクチンは、現在使用されているHPVワクチンの中で、最も多くのHPV型を予防できるワクチンです。尖圭コンジローマの原因となるHPV6型・11型に加え、子宮頸がんや陰茎がん、咽頭がんなどの発症に関与する高リスク型HPV16型・18型・31型・33型・45型・52型・58型を含む複数の型に対して予防効果が期待できます。
そのため、9価ワクチンに一本化することで、女性においては子宮頸がんをはじめとしたHPV関連疾患の予防範囲をより広くカバーすることが可能となります。
一方で男性においては、HPVワクチンは基本的に自費診療となるため、接種費用が高額になりやすいという課題があります。9価ワクチンへの一本化によって、費用面や運用面の整理が進むことで、結果的に男性の接種ハードルが下がり、HPVワクチンの接種率向上につながることが期待されます。
HPVワクチンの接種スケジュールについて

HPVワクチンは、初回接種・2か月後・6か月後の計3回のスケジュールで接種を行います。
最終接種から約1か月を目安に免疫が形成されるとされており、その効果は8年以上持続すると報告されています。そのため、長期間にわたって高い予防効果が期待できます。
今回の9価ワクチンへの一本化に関する報道を受け、これまで4価ワクチンを接種していた方の中には、不安を感じている方もいるかもしれません。しかし、すでに4価ワクチンを接種している場合でも、2回目以降に9価ワクチンを接種することは問題ないとされています。
そのため、接種スケジュールの途中であっても、より多くの型をカバーできる9価ワクチンへ切り替えることで、より高い予防効果が期待できます。
2025年確定値13,530人
東アジア全体で急増
2025年の梅毒感染者数は13,530人(前年14,663人)と減少傾向にあるものの、依然として2022年以降4年連続で13,000人を超える高水準を維持しています。また、東アジア全体(韓国・日本・台湾)においては、梅毒報告数の合計が2万件を超えているとの報道もあり、地域全体として感染拡大への注意が必要な状況が続いています。
ペアライフクリニックの見解

上記のグラフは、2025年にペアライフクリニック横浜院・名古屋院・渋谷院において、梅毒陽性と診断された患者数の推移を示したものです。
グラフからは、2025年1月から夏頃にかけて感染者数が増加し、その後冬にかけて減少傾向にあることが読み取れます。
横浜・名古屋・渋谷はいずれも国内外からの観光客が多い都市であり、人の往来が活発なエリアです。さらに、空港へのアクセスが良く、韓国や台湾など近隣諸国との移動が容易であることも、感染拡大の一因となる可能性があります。
また、海外からの渡航者による日本国内での性的接触や日本人が海外で性的接触を持つ機会を通じて、梅毒が「うつす・うつされる」形で広がるリスクも考えられます。
特に梅毒は、感染から発症までに約2〜3週間の潜伏期間があるため、自覚のないまま他者へ感染を広げてしまう可能性があり、注意が必要です。
TMVII|ミネソタ州で
「米国最大のアウトブレイク」
デューク大学が誤診リスクを警告
アメリカのミネソタ州において、TMVII(性感染性白癬菌)の感染報告が急速に増加しています。現時点で、確定症例13例、疑い症例27例の計40例が報告されており、局所的なアウトブレイクとして注目されています。
TMVIIの特徴として、感染時に現れる皮膚症状がエクゼマや乾癬と非常によく似ている点が挙げられます。そのため、臨床現場では誤診されやすく、適切な治療開始が遅れるリスクが指摘されています。
参照:CIDRAP(University of Minnesota)
ペアライフクリニックの
TMVII感染者急増の見解

アメリカにおいてTMVII(性感染性白癬菌)の報告が増加している一方で、日本では現時点で明確な感染報告が確認されていないため、安心感を持っている方も少なくありません。
しかし、今後日本国内での症例が確認される可能性は十分に考えられます。
実際に、2025年のアメリカから日本への観光客数は過去最多となる約330万人を記録しており、人的往来はこれまで以上に活発になっています。加えて、円安の影響もあり、日本は海外旅行先として選ばれやすい状況が続いています。
こうした国際的な人の移動増加を背景に、TMVIIを含む新興感染症が国内で確認される可能性については、今後も注意深く見ていく必要があります。
WHOがSTI運用ハンドブックを発表
ドキシペップのガイダンスも収録
WHOは、2026年2月、性感染症(STI)に関する初の統合運用ハンドブックを発表しました。ハンドブックは、2016年から2025年にかけて発表された各種ガイダンスを統合したもので、予防・診断・治療・サーベイランス(感染動向の監視)までを包括的に網羅しています。
これにより、各国の医療機関や公衆衛生分野において、より一貫性のある性感染症対策の実施が可能になると期待されています。また、検査体制の強化や早期治療の重要性、リスク層へのアプローチなど、実務に直結する具体的な指針も示されております。
さらに本資料では、世界的な感染状況の深刻さも改めて強調されており、現在、世界では毎日100万件以上の新規STI感染が発生していると報告されています。
特に梅毒に関しては、2022年時点で約800万件の感染が確認されており、そのうち約70万件が先天性梅毒とされ、母子感染による健康被害が大きな課題となっています。
こうした状況を踏まえ、WHOは各国に対して包括的かつ継続的な性感染症対策の強化を呼びかけています。
ペアライフクリニックの見解
| 来院者数 | 予防薬目的の来院者数 | |
|---|---|---|
| 2025年3月 | 950人 | 58人 |
| 2026年3月 | 1,336人 | 142人 |
上記の表は、ペアライフクリニック横浜院における来院者数と予防薬の処方を目的とした来院者数の割合を示したものです。
当院では、梅毒・淋菌・クラミジアの予防することができるドキシペップや、HIV感染を予防するPrEP(曝露前予防)、PEP(曝露後予防)を取り扱っています。
データを見ると、ペアライフクリニック横浜院の2025年3月には予防薬目的の来院者が全体の6.1%に対し、2026年3月には10.6%まで増加しており、予防目的での受診が拡大していることがわかります。
このことから、性感染症の予防手段として、コンドームに加えて内服薬による予防が徐々に認知されてきていると考えられます。
「Cervix-on-a-Chip」技術が発表
STI治療研究に革新の可能性
「Cervix-on-a-Chip(子宮頸部チップ)」として知られるこの新しいデバイスは、機能する免疫システムを組み込んだ初のモデルです。これにより、マイクロバイオーム(微生物叢)、免疫細胞、そしてクラミジアや淋菌といった病原体がどのように相互作用するのかを、リアルタイムで観察することが可能となりました。
ペアライフクリニックの見解

今回の技術により、クラミジアや淋菌における、病原体・免疫細胞・マイクロバイオームの相互作用をリアルタイムで観察できるようになりました。
これにより、感染の成立過程や免疫応答の詳細なメカニズムの解明が進むことが期待されます。その結果として、新たな治療薬の開発や、これまで難しいとされてきたワクチン研究の加速につながる可能性があります。
特に淋菌においては耐性菌の増加が世界的な課題となっており、従来の抗菌薬に依存しない新たな治療アプローチの確立が求められています。また、クラミジアに関しても、より高い予防効果を持つワクチン開発が進められています。
このような中で、人に近い環境下で菌の挙動をリアルタイムに観察できる本技術は、治療効果の高い薬剤や耐性菌に配慮した新規治療法、さらにはワクチンの実用化に向けた研究を大きく前進させる重要なブレイクスルーといえるでしょう。