ウレアプラズマは性行為がなくても陽性に？

ウレアプラズマ（Ureaplasma属：U.parvum / U.urealyticum）は、性行為によってうつることが多い細菌ですが、「性行為がないのに陽性が出た」という相談も少なくありません。ここでは、医学的に正しい情報に基づいて「性行為なしで陽性はありえるのか」を解説します。

まれだが“ゼロではない”

ただし大半は性行為が原因ウレアプラズマは性感染症（STI）に分類されることが多い細菌ですが、実際には 人の腟内や尿道に“常在”している場合もある ため、性行為歴がなくても検出されるケースが報告されています。しかし、臨床現場では以下の傾向がはっきりしています。

• 陽性者の多くは性行為による感染
• 性行為歴なしでの陽性は稀
• 無症状でも検出されることがある
• 症状がある場合は治療対象となることが多い

なぜ性行為がなくてもウレアプラズマが陽性になるのか？
考えられる理由

① 常在菌として“もともと持っている”ケース

ウレアプラズマは一部の人の体に、もともと存在していることがあります。特に腟内に多く、男女ともに「常在菌として保菌」している場合があります。

② 過去の性的接触でついた菌が“残っている”

• 口・手・粘膜の接触
• 過去のパートナーとの行為

性交そのものがなくても、皮膚や粘膜の接触でうつる可能性があります。

③ 母子感染（新生児期の保菌）

出生時に母体から赤ちゃんに移るケースもあります。その後も腟内や尿道に残ることは考えられています。

④ 検査のタイミングによる検出

普段は症状がないまま潜んでいても、検査の精度が高くなったことで「たまたま見つかる」ことがあります。

性行為歴なしのウレアプラズマ陽性は
どれくらい珍しい？

研究によって数字は異なりますが、性行為未経験者でのウレアプラズマ検出率は低いとされています。特に U.urealyticum はほぼ性感染として扱われ、陽性の場合は性行為との関連が強い と考えるのが一般的です。

症状がある場合は治療が必要

ウレアプラズマは以下を引き起こすことがあります。

• 男性：尿道炎、精巣上体炎、排尿時の痛み
• 女性：子宮頸管炎、骨盤内炎症、腟の不快感

症状がある場合は治療をご案内しております。

ウレアプラズマが陽性だった場合の対応

① パートナーがいる場合は一緒に検査・治療

再感染を防ぐために非常に重要です。

② 無症状なら“経過観察”という選択もある

ガイドラインでは「症状がなければ治療しない」方針もあります。

③ 症状がある場合は必ず治療

抗生物質の種類が限られるため、専門クリニックでの治療が安心です。

ウレアプラズマは性行為がなくても陽性に？
まとめ

性行為がなくてもウレアプラズマが陽性となる場合はありますが、実際には陽性例のほとんどが性行為に関連しています。ウレアプラズマは身体の常在菌として存在することもあり、無症状のまま検出されるケースも少なくありません。

ただし、排尿痛や不快感などの症状がある場合は治療が必要となります。また、性行為のある方はパートナー間で菌を行き来させてしまう可能性があるため、再感染予防のためにも一緒に検査を受けることが安心です。