梅毒の検査と治療
目次
梅毒の検査と治療について

梅毒とは、性感染症の一種であり、早期発見と治療が非常に重要な感染症です。初期症状が軽微であることから見過ごされることも多く、放置すると全身へ広がり、重篤な合併症を引き起こす可能性があります。
梅毒は血液中の抗体を測ることで検査することが可能です。梅毒の血液検査には2種類あり、通常それぞれの数値をもとに陰性もしくは陽性の判断をいたします。梅毒の治療に関しては、基本的にペニシリン系の薬品で治療をしていきます。
梅毒の検査や治療に関して詳しく解説いたします。
梅毒の検査方法について
当院での梅毒検査は「RPR法(RPR抗体定量法)」「TP法(TP抗体検査)」による2種類の血液検査を行います。採取した血液から体内の「抗体」を調べることで、梅毒の感染有無を確認します。
抗体を検出するため、感染機会から最低でも1ヶ月以上の期間が必要となります。そのため、直近のリスク行為による感染を確認することは現段階では不可能となっております。
RPR法 | TP法 | 解釈 |
---|---|---|
( ー ) | ( ー ) | 非梅毒 梅毒の初期感染 |
( ー ) | ( + ) | 治療後 TP偽陽性 梅毒の初期感染 |
( + ) | ( ー ) | 梅毒初期 生物学的偽陽性 |
( + ) | ( + ) | 梅毒 治療後 |
RPR法(脂質抗原法) | TP法(TP抗体検査) | |
---|---|---|
検査可能時期 | 感染機会から2~4週間後 | 感染機会から4~6週間後 |
検査に要する時間 | 2~3日間 | 最短15分 |
メリット | 感染早期から検査可能 | 梅毒感染を確認可能 |
デメリット | 偽陽性の可能性 (関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群等の免疫疾患などに罹患している場合でも陽性となることがある) | 感染から4~6週間検査を待つ 必要がある。 4~6週前後は第1期病変の時 期である症状が出ていても陰性 の結果がでる可能性がある。 |
TP法(TP抗体検査)
梅毒のTP検査とは簡単にいうと、過去に梅毒に感染したことがあるかがわかるような検査となっております。当院では最短15分で検査結果をお伝えすることが可能です。
(表1)で表示しているように偽陽性の可能性もあります。そのため、当院ではTP法のみではなく、RPRの検査も必ず行っております。梅毒感染して作られる抗体の有無を調べる検査で、梅毒以外では陽性にはなりませんが、まれに歯周病などで陽性になることもあります。感染してから1ヶ月程度で陽性になります。
感染して間もない時期であって初期症状がでていても陰性の結果がでてしまう可能性があり
ます。また、一度梅毒に感染すると抗梅毒トレポネーマ抗体は生涯消えないので、梅毒治癒後であっ
ても陽性となります。
RPR法(脂質抗原法)
梅毒に感染して2~4週間経過すると非トレポネーマ抗体が増えてきます。この非トレポネーマ抗体を測定する検査です。感染してから2週間程度を経過していない場合、抗体検出が困難で陰性反応を示す場合があります。
また、梅毒以外の免疫疾患(関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群等)、慢性肝炎でも陽性反応がでることがあります。
- 梅毒検査(TP法・RPR法)
- 3,980
- 血液チェック
- 6,980
- ベーシックチェック
- 9,800
- スタンダードチェック
- 19,800
梅毒の治療方法について
梅毒の治療は、「筋肉注射」と「内服薬」の2種類があります。当院では、筋肉注射による梅毒治療を第一選択としております。筋肉注射は1回で済みますが、内服薬に関しては数週間〜数ヶ月の期間服用し続ける必要があります。
<ステルイズ水性懸濁筋注240万単位シリンジ>
副作用:皮疹(斑状丘疹状皮疹、剥脱性皮膚炎)、蕁麻疹、喉頭浮腫、発熱、血清病様反応(悪寒、発熱、浮腫、関節痛、疲はい)、アレルギー性血管炎、そう痒症、疲労、無力症、疼痛、心血管障害:(頻度不明)低血圧、頻脈、動悸、肺高血圧症、血管拡張、血管迷走神経性反応、失神、チアノーゼ
<アモキシシリンカプセル250mg>
副作用:呼吸困難、急性冠症候群、胃腸炎症候群、反復性嘔吐、嘔吐、嗜眠、顔面蒼白、低血圧、腹痛、好中球増加など
梅毒の完治に関して
梅毒の完治に関してはRPR法の前値を基準とし、1/4まで低下してその後上昇がなければ基本的に治癒と判断いたします。
例:【RPR(40.0)→RPR(10.0以下)】
また当院では、1年程度の経過観察を推奨しております。3ヶ月に一度RPR法による数値検査を行い、数値に改善が見られれば、完治と診断いたします。
- 梅毒治療
- 19,800
梅毒の検査・治療 よくあるご質問
A.
血液検査になりますので、当院で採血を行います。少量の血液で検査が可能です。採血が苦手な方は事前にスタッフまでお申し付けください。
A.
はい。完治後もTP法では陽性反応がで続けます。そのため一度梅毒に感染したことがある方はRPR法の数値をもとに判断します。
A.
市販薬で梅毒を治療することはできません。梅毒に感染した方は必ず医療機関で治療を行ってください。
A.
梅毒の治療は筋肉注射を第一選択としております。初期梅毒の場合、一度の筋肉注射で完治する場合もございます。