性感染症であるクラミジアは日本や世界でも最も多いとされる性感染症疾患です。感染場所も様々で症状も多様なため自覚しにくいのも特徴です。クラミジアの感染リスク、一般的な症状、感染の診断方法、また予防法について解説いたします。

クラミジアとは

クラミジアはクラミジア・トラコマチスという細菌によって起こる性感染症です。

性感染症にはいくつかの種類がありますが、クラミジアは代表的な性感染症と言えるほど、日本や世界で最も多いとされる疾患で、気が付きにくい病気であることも特徴になっています。

とくに若年層の感染者が多く、5人に4人までが自覚症状がないという報告もあります。

感染者は男性よりも女性に多い傾向があると言われ、女性は自覚症状がないことで発症していることに気づかないケースが多く、妊娠時や不妊治療などで発見される場合があります。

クラミジアの感染経路

クラミジアに感染している人の粘膜や体液との接触によって感染します。

そのため、感染する経路は性行為や性行為に似た行為です。

体液は精液や膣分泌液だけではなく、唾液も含まれることからキスでも感染する可能性があります。

体液が付着している手で目を触ったことで、目の結膜に感染する場合もあれば、目から咽頭に伝わって咽頭に感染するような場合もあります。

また母子感染するケースもあり、母親が出産時にクラミジアに感染していれば、産道で赤ちゃんに感染してしまいます。

そのため母子感染のリスクを下げるためにも妊娠初期には性病検査が行われます。

クラミジアの症状

クラミジアに感染すると1~3週間の潜伏期間を経て発症しますが、症状に気づかないことも少なくありません。

性器感染の場合は、男性は尿道に感染することが多く、女性は子宮頚管に感染することが多いです。

またクラミジアは性器だけではなく咽頭や目にも感染するため、感染場所により症状は異なります。

クラミジア性尿道炎

尿道にクラミジア感染が起こった場合、クラミジア性尿道炎と呼びます。

排尿の際に痛みや違和感を覚えるほか、粘り気のある膿が少量出るような場合もあります。

またじっとしている時にも性器にかゆみや不快感が出ることもあります。

クラミジア性精巣上体炎

尿道から感染が進み精巣上体に達すると、睾丸が腫れたり、お腹が圧迫されたような感覚が起こったりします。

クラミジア性子宮頚管炎

女性の場合、男性と違い尿道ではなく、膣や子宮頚管にクラミジアが感染します。

おりものの異常(におい・量など)や下腹部痛、不正出血、かゆみなどの症状がでることがありますが、多くは無症状です。

感染に気づかずにいると、炎症が子宮頚管から卵管にまでおよび不妊症の原因となります。

咽頭クラミジア

喉の粘膜にクラミジアが感染すれば、咽頭クラミジアを発症します。

喉の痛みや腫れ、発熱といった咽頭炎に近い症状が出ますが、多くの場合は症状が分かりにくいものです。

そのため感染していることに気づかずにパートナーへ感染を広げてしまうことも多くなっています。

クラミジア性結膜炎

目の粘膜にクラミジアが感染すると、クラミジア結膜炎を引き起こし、トラコーマとも呼ばれます。

結膜の充血や瞼の腫れ、めやにの増加など初期症状は一般的な結膜炎の症状に近いことから放っておかれることも少なくありません。

しかし、症状が進行すれば結膜にブツブツが現れ、徐々に大きくなっていきます。

クラミジアの検査および診断

問診で症状を詳しく伺い、視診とヒアリングから性感染症が疑われる場合には、尿検査を行います。

咽頭にクラミジアの感染がある場合には、綿棒で咽頭の粘膜をこすって検体を採取する方法もしくは、うがい液によって検査を行います。

検査の結果がでるまでには数日間かかりますが、症状がはっきりとある場合には結果が出る前に検査当日から治療を行います。

クラミジアの治療

治療には抗生物質をお飲みいただくことで完治します。

代表的な薬として2種類ありますが、1回の内服で治療が終わるものと、7日間服用していただくものがあります。

妊婦健診などで妊娠中にクラミジアに罹っていることが分かった場合、出産前に治療が必要です。

感染が判明した妊婦でも服用できる、抗生物質の内服薬もありますので安心いただけます。

抗菌薬をしっかりと内服したあと、再び病院にて菌が消滅しているか確認するための検査を行います。

最近の菌は薬への耐性があるものも増えているため、一度の治療では改善しない場合もあります。

そのため、症状が改善されたからといって自己判断で薬を中断しないで、医師の指示に従って内服するようにしましょう。

まとめ

クラミジアに感染してきちんと治療を行えば、再発することはありませんが、再感染をするリスクはあります。

クラミジア感染を予防するには、性行為の際に避妊具を用いることです。

避妊具で100%予防できるわけではありませんが、感染リスクを下げることができます。

また不特定多数の人と性行為や性行為に似た行為を行うことを避けるようにすることも、大切です。

自分自身が感染していると分かった際には、パートナーにも検査を受けるよう勧め、自身の治療が改善したとしてもパートナーが感染した状態でピンポン感染を防ぐようしましょう。