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淋病とクラミジアの違いについて|症状・検査方法・治療法について解説

淋病(淋菌)とクラミジアの違いについて

淋病(淋菌感染症)とは、淋菌(Neisseria gonorrhoeae)と呼ばれるグラム陰性双球菌による性病です。代表的な性病の疾患であり、臨床的には主に男性の尿道炎と女性の子宮頸管炎をおこします。

クラミジアとはクラミジアトラコマティスという細菌に感染することで起こる性病です。淋病と同じく代表的な性病の疾患であり、男性の尿道炎や精巣上体炎を、女性では子宮頸管炎や骨盤内炎症性疾患を発症します。

感染経路や症状などは似ていものの異なる細菌により感染する性病のため、ご自身で判断せずにしっかりと判断する必要があります。

淋病とクラミジアの他にマイコプラズマやウレアプラズマという性感染症はありますが、今回は淋病とクラミジアに絞って解説いたします。

マイコプラズマについて

淋病とクラミジア
感染経路の違い

淋病とクラミジアの感染経路は等しく性行為によって感染します。原因となる「淋菌」「クラミジアトラコマティス」は共に高音に対しても消毒薬に対しても抵抗が弱いため、空気感染や肌を触れるだけで感染するようなことはありません。

しかし、一般的なセックス(膣性交)のみで感染するわけではなく、オーラルセックスやアナルセックス、キスでも感染する可能性があるため、性行為に近い行為をする際は必ずコンドームを使用するなどで予防を心がけましょう。

感染部位感染行為感染部位
性器性行為全般尿道、子宮頸管、卵管等の粘膜
のど(咽頭)フェラチオ、クンニ、キス口の粘膜に感染
肛門アナルセックス直腸や肛門周辺の粘膜
感染した粘膜が付いた手で目を触ることで感染結膜へ感染
性病の感染行為

淋病とクラミジア
症状の違い

淋病とクラミジアに感染するとそれぞれ様々な症状は発症します。また感染部位によって症状は大きく異なります。下記に少しでも当てはまる方は淋病もしくはクラミジアに感染している可能性があります。

男性の症状

男性が淋病またはクラミジアに感染した場合、主に尿道から膿や排尿時痛が伴います。淋病の方が症状が強いと言われておりますが、どちらも無症状で感染している場合がありますので、症状のみでどちらに感染しているか判断することは難しいです。

淋病の主な男性の症状は下記となります。

  • 排尿時の激しい痛み
  • 尿道から白っぽい膿が出る
  • 尿道の痒みや不快感
  • 精巣上体の腫れ
  • 軽い発熱や痛み

クラミジアの主な男性の症状は下記となります。

  • 尿道からの膿(透明、白っぽい)
  • 排尿時の痛み
  • 尿道のかゆみ
  • 精巣上体の腫れ
  • 発熱

それぞれ症状は個人差があります。前述の通り症状がない場合でも感染している場合もあるので違和感があればすぐに検査をしましょう。

女性の症状

女性が淋病またはクラミジアに感染した場合、おりものの増加や女性器周辺の痒みや腫れなどの症状が発症します。しかし男性に比べて無症状で感染している場合が多いといわれております。

淋病の主な女性の症状は下記となります。

  • 性行為時の痛み
  • おりものの増加
  • 不正出血
  • 下腹部の痛み

クラミジアの主な女性の症状は下記となります。

  • おりものの増加
  • 不正出血
  • 性行痛
  • 排尿痛
  • におい
  • 膣分泌物増加

それぞれ症状は個人差があります。前述の通り症状がない場合でも感染している場合もあるので違和感があればすぐに検査をしましょう。

喉の症状

淋病やクラミジアは喉にも感染します。風邪に似たような症状のため、喉に違和感があった際すぐに性病を疑う方は多くありません。しかし、喉に感染したまま放置してしまうとオーラルセックスなどでパートナーの性器に感染させてしまう恐れがあります。

淋病の主な喉の症状は下記になります。

  • のどの痛み
  • 扁桃腺の腫れ
  • 咳が出る
  • 発熱
  • 痰がからむ

クラミジアの主な喉の症状は下記になります。

  • のどの痛み
  • 扁桃腺の腫れ
  • 咳が出る
  • 発熱
  • 痰がからむ

咽頭淋病と咽頭クラミジアを症状で判断することは難しく、上記のような症状があったからといっていずれかの性病に感染しているとは断言できません。喉の検査はうがい液で簡単に検査できますので不安がある方はぜひ当院にご来院ください。

肛門の症状

日常的にアナルセックスを行なっている方は、肛門の淋病やクラミジアに感染している場合があります。また、アナルセックスは淋病やクラミジアだけでなく、HIVや梅毒に感染するリスクも高まるといわれております。

淋病の主な肛門の症状は下記になります。

  • 肛門のかゆみ
  • 肛門の違和感
  • 肛門性行為時の痛み
  • 下痢や出血

クラミジアの主な肛門の症状は下記になります。

  • 肛門痛
  • 排便痛

アナルセックスにより肛門の粘膜が傷つきそこから菌が侵入することで重篤な感染症に発展する場合があります。

アナルセックスによる性病

淋病とクラミジア
潜伏期間の違い

淋病やクラミジアに感染した場合、すぐに症状が出るわけではありません。潜伏期間を経て前述のような症状を発症します。潜伏期間とは感染機会から発症するまでの期間をいいます。潜伏期間は、免疫力や菌の量などにより人それぞれです。

淋病の潜伏期間

淋病への感染から発症までの潜伏期間は、2日〜7日といわれております。性病の中では、感染機会から比較的早く症状が発症しやすい性病のひとつです。

クラミジアの潜伏期間

クラミジアの潜伏期間は一般的にクラミジアの潜伏期間は、1週間〜3週間といわれております。潜伏期間中でもクラミジアに感染するため、症状がないから感染しないというわけではありません。

性病の潜伏期間について

淋病とクラミジア
検査方法について

淋病の検査方法

検査部位男性女性
性器尿膣ぬぐい
のど(咽頭)うがい液うがい液
肛門肛門ぬぐい肛門ぬぐい

クラミジアの検査方法

検査部位男性女性
性器尿膣ぬぐい
のど(咽頭)うがい液うがい液
肛門肛門ぬぐい肛門ぬぐい

当院で行う淋病・クラミジアの検査は全て精密検査(PCR法)です。当院は院内に精密検査機器を導入しているため、クラミジアの精密検査を最短90分でご報告いたします。

そのため、検査当日に陽性であればそのまま治療を開始することができます。性感染症専門のクリニックだからこそ「精度」「速さ」「伝える」をどこよりも徹底して行なっております。

ペアライフの性病検査について

淋病とクラミジア
重複感染について

淋病とクラミジアは、多くの方が重複感染している場合があります。違和感がある際は淋病とクラミジア両方の検査をすることをお勧めいたします。また同じような症状でもトリコモナスやマイコプラズマ、ウレアプラズマという性感染症に感染している場合があります。

自覚症状がある方は、感染リスクのある性病をまとめて検査しましょう。当院では性病専門のクリニックだからできる患者様に合わせた様々なプランをご用意しております。検査プランでお困りの方は専門のスタッフと一緒に検査内容を決めることもできますのでお気軽にお申し付けください。

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淋病とクラミジア
治療方法の違い

淋病とクラミジアは感染経路や症状、検査方法などほとんどが酷似しておりますが、治療方法は全く異なります。クラミジアの治療で内服する「ビブラマイシン」は淋病には治癒効果があまり期待できません。逆も同様で淋病の治療を行なってもクラミジアは完治しません。

そのためしっかりと病原菌を突き止めて正しい治療を行うことが必要となります。

淋病の治療

淋菌の治療ではセフェム系抗生物質のセフトリアキソン1gを点滴で投与しています。セフトリアキソンであれば性器、のどの両方に効果が期待できるため当院では第一選択薬としております。
セフェム系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者様には、アミノグリコシド系抗菌薬のトロビシンを臀部への筋肉注射にて投与いたします。但しトロビシン筋注ではのどの淋菌に効果が見込めないため、淋菌のどが陽性でセフェム系のアレルギー持ちの患者様は近隣の病院へ紹介状をお渡しします。治療後2週間以降で陰性確認の再検査を行い陰性であれば治療完了となります。

クラミジアの治療

クラミジアの治療ではテトラサイクリン系抗生物質のビブラマイシンを1週間内服し治療を行います。
マクロライド系抗生物質のアジスロマイシン(ジスロマック)より抗菌力が強く肛門のクラミジアにも有効なためビブラマイシンを第一選択薬、アジスロマイシンを第二選択薬と選定しております。クラミジアは治療開始後3~4週間で陰性確認の再検査を行い陰性であれば治療完了となります。
3週間未満での再検査の場合死滅した菌が検出され症状が治っていても陽性と判定される場合がございますので、十分に期間を空けてご来院ください。

淋病とクラミジアの予防方法

  • 予防薬を使用する
  • コンドームを使用する
  • 不特定多数との性行為を避ける
  • 定期的な性病検査
  • 感染時パートナーに受診を促す

淋病やクラミジアの感染を100%防ぐことは難しいですが、記述の通りしっかりと性病予防を行うことで感染リスクを大幅に下げることができます。

また性病は早期発見・早期治療がとても大切です。少しでも違和感がある際はすぐに性病検査しましょう。

ドキシペップ|予防薬

当院ではクラミジアの予防薬である、ドキシペップを処方しております。ドキシペップはクラミジアなどの感染リスク行為後72時間以内に服用することで感染リスクを下げることができる予防方法です。

ドキシペップ|性病予防薬について

淋病とクラミジアのまとめ

淋病とクラミジアは日本でもメジャーな性病ではありますが、治療方法など正しい知識を身につけている方は少ないのではないでしょうか。また性病は性器だけではなく、のどや肛門にも感染する可能性がある感染症です。淋病やクラミジアの違いを正しく理解し、健康的な性生活を送りましょう。

淋病とクラミジアの違いに
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