男性の淋病

淋病は、淋菌という細菌が性行為などを通じて尿道に感染することで起こる性感染症です。
感染後2〜9日の潜伏期間を経て、男性では強い排尿痛や黄色の膿性分泌物といった尿道炎の症状が典型的です。ただし、最近では症状が軽かったり、分泌物が粘液性で気づきにくいケースや無症状のまま経過する例も報告されており、注意が必要です。
放置すれば前立腺炎や精巣上体炎へと進展し、不妊症のリスクもあります。
目次
男性の淋病の症状
淋病(淋菌感染症)は、感染後2〜9日の潜伏期間を経て症状が現れることが多いですが、無症状のまま経過することもあるため注意が必要です。また性器だけでなく咽頭淋菌のような喉にも感染する場合もあります。典型的な症状とその特徴を解説します。
排尿時の激しい痛み(排尿痛)
男性の淋病で最も多く報告される症状が、排尿時の激しい痛みです。この痛みは、焼けるような、あるいはしみるような感覚として表現されることが多く、排尿のたびに強い不快感を伴います。通常、感染の初期段階から現れ、尿道に炎症が起こることで生じる症状です。
尿道からの膿性分泌物(膿)
淋病に感染した男性では、尿道の先端から黄色や白色の膿性分泌物が排出されることがあります。特に朝方に多く見られるため、下着を汚してしまうケースも少なくありません。この分泌物は粘り気があり、悪臭を伴うこともあるため、比較的気づきやすい症状とされています。ただし近年では、分泌物が粘液状であったり、従来の典型的な症状と異なるケースも増えており、注意が必要です。
尿道のかゆみ・違和感・不快感
淋病では、激しい痛みの代わりに、尿道にかゆみや違和感といった軽度の症状が現れることもあります。「ムズムズする」「なんとなく気になる」といった感覚から始まり、はっきりとした痛みを感じないまま進行するケースもありますが、放置すると徐々に炎症が強まり、症状が悪化することがあります。
咽頭感染による喉の症状
淋病は性器だけでなく、オーラルセックスを介して咽頭にも感染することがあります。咽頭感染の多くは無症状のまま経過しますが、場合によっては喉の痛みや腫れ、咳、微熱、倦怠感など、風邪に似た症状が現れることもあります。こうした症状は見逃されやすく、自覚がないまま他者へ感染を広げてしまうリスクがあるため、注意が必要です。
無症状感染
男性の淋病では、約10〜30%のケースで目立った症状が現れない「無症状感染」となることがあります。特に、咽頭や直腸への感染では症状が軽微または全く自覚されないことも多く、本人が感染に気づかないままパートナーにうつしてしまうリスクがあります。
また、症状がないからといって放置すると、前立腺炎や精巣上体炎(副睾丸炎)、さらには不妊症といった深刻な合併症に進行する可能性があります。排尿痛や分泌物といった初期症状が一時的に軽快したとしても、菌が体内に残っていることがあるため、医師による適切な抗生物質治療と治療後の再検査が非常に重要です。
男性の淋病の感染経路
淋病(淋菌感染症)は、感染者の体液が粘膜に触れることによって感染する疾患で、主に性行為を通じて広がります。感染力が非常に高く、1回の接触で感染することもあります。
セックス(膣性交)
最も一般的な感染経路です。淋病は性器同士の粘膜接触によって感染します。コンドームを使用しない膣性交・性器接触により、感染リスクが高まります。
オーラルセックス(クンニ・フェラチオ)
淋菌は喉(咽頭)にも感染するため、オーラルセックスを介して口腔内や性器に感染が広がることがあります。症状が乏しい咽頭淋菌に気づかず、感染源となっていることもあります。
アナルセックス(性器↔︎肛門)
肛門性交を行うことで、直腸に淋菌が感染を起こすことがあります。肛門に感染があっても無症状のことが多く、気づかれにくい感染経路の一つです。
淋病はセックス(膣性交)のみで感染すると思われがちですが、オーラルセックスやアナルセックスなどの粘膜同士が接触する行為であれば感染する可能性があります。
また、咽頭淋菌や肛門淋菌は無症状で感染しているケースが多くあるため、感染に気づかずパートナーにピンポン感染させてしまっているケースが多くあります。
男性の淋病の潜伏期間
淋病の潜伏期間は感染してから2〜9日程度とされています。これは、淋菌が体内に侵入してから症状が現れるまでの期間を指します。
多くの場合、感染後数日以内に排尿時の痛みや膿性分泌物などの症状が出現しますが、個人差があり、症状が現れるまでに1週間以上かかることもあります。また近年では、症状が非常に軽い・もしくは全く現れない「無症状感染」のケースもあり、感染に気づかないまま他者へ感染させてしまうリスクもあります。
当院では感染の可能性がある性行為からすぐに、検査を受けることが可能です。不安な場合は、症状の有無にかかわらず、早期の検査と治療を検討しましょう。
男性の淋病の検査方法

当院で行う男性の淋病の検査は、全て高精度のPCR検査によるものです。検査結果は最短90分で判明するため、検査当日に治療を再開することができます。
核酸増幅による即日精密検査ですので、症状がない方や感染初期の方でも検査が可能です。
淋病の検査方法
男性が淋病の検査をする際は、院内の採取用トイレにてご自身で「尿」「うがい液」「肛門ぬぐい」を自己採取していただきます。医師や看護師に性器を見せる必要はございません。ご安心してご来院くださいませ。
男性の淋病の治療方法

淋病は、抗菌薬による治療で完治可能な感染症です。ペアライフクリニックでは、感染部位(性器・咽頭・直腸)に応じて、科学的根拠に基づいた治療を提供しています。
基本の治療法(性器・咽頭感染の両方に対応)
セフトリアキソン 1g 点滴
・効果:性器・咽頭の両方に高い治癒率(ほぼ100%)
・所要時間:約30分の点滴治療
・費用:9,800円(税込)
※ペアライフでは、咽頭感染を想定し、原則この点滴治療を推奨しています。
<セフトリアキソンNa静注用1g>
費用 :9,800円
用法・用量:通常、1日1〜2g(力価)を1回又は2回に分けて静脈内注射又は点滴静注する
副作用:ショック、頭痛、皮疹、肝炎、腎炎、尿路結石、胆石、血液・胃腸障害など
男性の淋病の予防方法
- コンドームを使用する
- ドキシペップを服用する
- 不特定多数との性行為を避ける
- 定期的な性病検査
クラミジアに限らず男性が性感染症の予防を行うためにはコンドームを使用することが一番効果的です。
当院では「ドキシペップ」と呼ばれる、性病の予防薬を処方しております。梅毒の感染を約87%、クラミジアの感染を約88%、淋菌の感染を約55%低下させると言われております。