咽頭クラミジア
咽頭クラミジアとは

クラミジアは「クラミジア・トラコマティス」という細菌によって引き起こされる性病の1つです。この細菌は、主に性行為による粘膜の接触によって感染します。名前の通り「咽頭クラミジア」はクラミジアが咽頭(のど)に感染することを指します。
多くの方が勘違いしていますが、性病は性器(生殖器)だけに感染するわけではありません。粘膜同士が接触する行為には性病のリスクがあります。
咽頭クラミジアの原因となる細菌
咽頭クラミジアは、主に「クラミジア・トラコマティス」という菌によって発症する性感染症です。クラミジア・トラコマティスはクラミジア属に分類され、かつては細菌とウイルスの中間的な存在と考えられていましたが、現在ではグラム陰性球菌に類似した細菌として分類されています。
この細菌は独特の増殖形態を持ち、生きた宿主細胞内に侵入し、細胞質内で分裂・増殖します。増殖したクラミジアは宿主細胞を破壊し、細胞外へと拡散した後、さらに他の細胞へと侵入することで感染を拡大していきます。
目次
咽頭クラミジアの感染経路
咽頭クラミジアは、基本的に性行為によって咽頭に感染します。クラミジアに感染しているパートナーと下記のような性行為によって感染します。
クラミジアは性器に感染すると、男性は尿道、女性は膣や子宮頸管の粘膜に病原菌が現れ、分泌物や尿、精液に混ざって排出されます。オーラルセックスを通じて、性器から喉の粘膜に感染することがあります。
また、咽頭クラミジアに感染すると、唾液を介して舌や唇にも病原菌が付着する可能性があります。キスによって喉から喉へ感染するリスクはゼロではありませんが、病原菌の量が少ないため、感染の可能性は極めて低いと考えられています。
咽頭クラミジアの潜伏期間
クラミジアの潜伏期間は、1週間〜3週間と言われております。1週間〜3週間の潜伏期間を経て症状を発症します。潜伏期間は個人の免疫力などに影響されるため、個人差があります。
咽頭クラミジアも同程度の潜伏期間を経て症状が発症されると考えられます。潜伏期間中でもパートナーに感染します。ご自身が咽頭クラミジアの感染に気づかず、オーラルセックスなどの性行為をするとパートナーが性器のクラミジアに感染する可能性があります。
咽頭クラミジアの症状
一般的にクラミジアは感染しても、大半の方が無症状であるケースがほとんどです。また、咽頭クラミジアは性器クラミジアに比べ、症状がわかりづらく見逃してしまうケースが大半です。下記が主な咽頭クラミジアの症状になります。
- 喉の痛みや腫れ
- 喉元のリンパ節の腫れ
- 咳
- 耳閉感
風邪に似たような症状のため、症状が出ても性病を疑う方はほとんどいないでしょう。しかし、性器クラミジアに感染している10%〜20%の方が、咽頭クラミジアに感染しているケースが当院では多く見られます。
咽頭クラミジアの感染部位

クラミジアは「咽頭(のど)」だけでなく様々な部位に感染します。
- 結膜(目)
- 咽頭(のど)
- 肛門
- 男性器
- 女性器
咽頭クラミジアに感染している場合、その他の部位も重複してクラミジアに感染している場合があります。性器と咽頭(のど)などまとめて検査することをおすすめします。
咽頭クラミジアの検査方法

当院で行う咽頭クラミジアの検査は全て精密検査(PCR法)です。当院は院内に精密検査機器を導入しているため、咽頭クラミジアの精密検査を最短90分でご報告いたします。
そのため、検査当日に陽性であればそのまま治療を開始することができます。性感染症専門のクリニックだからこそ「精度」「速さ」「伝える」をどこよりも徹底して行なっております。
ペアライフのPCR | 通常のPCR | 抗原検査 |
---|---|---|
うがい液 | うがい液 | 咽頭の擦過物 |
高精度のPCR法 | 高精度のPCR法 | 精度が落ちる |
最短90分 | 2日〜7日間 | 15分〜30分 |
咽頭クラミジアの検体採取方法
咽頭クラミジアの検体は、「うがい液」を検査することで菌の検出を行います。当院は採取用トイレを増設しておりますので、ご自身でうがい液を採取していただく簡単な方法です。咽頭クラミジアの検査のみの方は最短5分でご帰宅できますので、咽頭クラミジアが気になる方はお気軽にご来院ください。
咽頭クラミジアの治療方法

咽頭クラミジアは飲み薬で治療することができます。当院では3種類の治療薬をご用意しております。
- ビブラマイシン
- アジスロマイシン
- レボフロキサシン
患者様に合わせた治療薬を処方いたしますので、クラミジアの治療や副作用などに関して、ご不明点がございましたらお気軽にお問い合わせください。
<ビブラマイシン錠100mg>
費用 :4,980円
副作用:食欲不振、吐き気、腹痛、下痢、口内炎、発疹、舌炎など
<レボフロキサシン錠500mg>
費用 :4,980円
副作用:発疹、不眠、めまい、頭痛、吐き気など
咽頭クラミジアの治癒期間
飲み薬を1日〜1週間服用し、その後3週間後に治癒確認検査を受けて菌が検出されなければ治療完了となります。治癒確認ができるまでの性行為はお控えください。
クラミジアの耐性菌について
ほとんどの患者様がしっかりと薬を服用すれば完治することができますが、稀に耐性菌を持ったクラミジアに感染している場合、一度の治療では完治できない場合がございますので、必ず治癒確認検査を行なってください。
咽頭クラミジア治療にかかる費用相場
咽頭クラミジアの検査を受ける際には、咽頭淋病の検査も同時に行うことを推奨しています。これは、2つの病気が類似した症状を示す一方で、原因となる病原体や治療法が異なるためです。正確な診断と適切な治療を行うためには、両方の検査を受けることが重要です。
項目 | 費用 |
---|---|
咽頭クラミジア検査 | 3,980円 |
咽頭クラミジア・咽頭淋病検査 | 6,980円 |
治療費用 | 4,980円 |
治癒確認検査 | 3,980円 |
咽頭クラミジアの予防方法
前述の通り、咽頭クラミジアは症状がわかりづらく感染していることに気づきにくいのが特徴です。そのため、定期的な検査と避妊具の着用、不特定多数と性行為をしないなどに気を付ける必要があります。
完全に咽頭クラミジアの感染を防ぐことは難しいですが、予防の意識を高めることでピンポン感染を防ぐことができます。
- クラミジア検査
- 3,980
- のどチェック
- 6,980
- スタンダードチェック
- 19,800
- フルチェック
- 24,800
咽頭クラミジア放置した際のリスク
咽頭クラミジアは自然治癒しないため、放置すると症状が悪化し、咽頭炎を引き起こす可能性があります。しかし、最も大きなリスクは他者への感染拡大です。
自覚がないままパートナーにうつし、後遺症を引き起こすこともあります。特に女性の性器に感染すると、不妊症や子宮外妊娠のリスクが高まり、分娩時に胎児へ感染する恐れもあります。男性も同様に不妊症のリスクがあるため、早期の検査と適切な治療が重要です。
咽頭クラミジア感染時の注意点
咽頭クラミジアと性器クラミジアの同時感染リスク
1回の性的接触により咽頭クラミジアと性器クラミジアは同時に感染している可能性があります。クラミジアは性行為とオーラルセックスによって感染します。オーラルセックスによって、咽頭に感染したり、逆に咽頭から性器へ感染する可能性があるため同時感染するリスクがあります。
パートナーへ移す可能性
咽頭クラミジアに感染していることが確認された場合、パートナーの方も感染している可能性があります。1度の性行為により感染する可能性は50%と言われております。そのためパートナーも性病検査を受けることをおすすめします。
症状が悪化した場合
咽頭クラミジアは初期段階では無症状のため放置する人が多いです。放置し症状が悪化すると菌が増殖し咽頭炎や扁桃炎を引き起こす可能性があります。 これにより、喉の痛みや腫れ、発熱などの症状が現れることがあります。
粘膜接触を避ける方法
主に粘膜接触によって感染するため、オーラルセックス時でもコンドームを使用することで、粘膜接触を避けることができます。
咽頭クラミジアについてのまとめ
咽頭クラミジアは性行為(膣性交、肛門性交、口腔性交)による粘膜接触で感染します。多くの場合、無症状のため知らぬ間に感染し、相手に感染させるリスクがあります。
そのため、不特定多数のパートナーとの関係を継続し、性行為の際にはコンドームなどの避妊具を正しく使用することが重要です。これにより粘膜同士の接触を最小限に抑えることができ、咽頭クラミジアをはじめとする性感染症のリスクを効果的に低減することが可能です。
咽頭クラミジア よくあるご質問
A.
感染の確率が0ではありません。クラミジアが咽頭へ感染する原因としてキスと記載しましたが、感染する可能性は低いです。
しかし、咽頭にクラミジアが感染している相手の粘膜からクラミジアがうつり、キスやディープキスによって感染する可能性もあります。
A.
うがい液による検査を行います。ご自身で採取していただく簡単なものになります。
A.
咽頭クラミジアは空気感染しません。主に性行為による粘膜接触により感染します。
A.
自然治癒することはありません。感染した場合はすぐに医療機関に受診してください。
A.
咽頭クラミジアは耐性がつかないため、繰り返し感染します。
A.
内服による治療を行います。