細菌性膣症
細菌性膣症とは

細菌性膣症とは腸内の常在菌バランス(腸内フローラ)が乱れることで起こる病気です。
正常な膣内は、主にラクトバチルス属(乳酸菌)が優位な状態ですが、このバランスが崩れ、ガードネレラ属や嫌気性菌などの増殖が優位になることで症状が発症します。
性感染症そのものではありませんが、性行為が原因で発症することケースもあるため、性感染症関連疾患のひとつに分類されています。
目次
細菌性膣症の症状
細菌性膣症を発症すると下記のような症状が現れます。
- 灰白色〜薄黄色のおりもの(粘液状〜水っぽい性状)
- 魚臭様のにおい(特に性交後に強く感じやすい)
- 外陰部の軽度のかゆみや違和感
性器クラミジアや性器カンジダ症、トリコモナス症と症状が酷似しているため、「性病に感染してしまった」と誤認されやすいです。当院でも上記のような症状があり、該当する性感染症の検査を全ておこなったが全て陰性で細菌性膣症が原因だったケースも多くあります。
細菌性膣症が発症する原因
正常な膣内環境では、乳酸菌が優位に存在し、pHが4.5以下に保たれています。細菌性膣症ではこのバランスが崩れ、以下のような菌が異常増殖することで症状が発症します。
- ガードネレラ・バジナリス
- モビルンカス属
- プレボテラ属
- その他の嫌気性菌群
この状態では、膣内のpHが上昇(>4.5)し、細菌代謝産物が特有のにおいを発します。一方で、白血球の増加は少ないという特徴があり、炎症性膣炎とは異なりのが特徴です。
細菌性膣症の感染経路
細菌性膣症は性感染症ではありませんが、以下のような性的・生活習慣的が関係しているとされています。
- 膣洗浄の頻繁な実施
- タバコやストレス、ホルモン変動などの体調要因
- 新たなパートナーとの性行為
- 不特定多数との性行為
前述の通り、細菌性膣症は性行為が必ずしも原因とは限りません。性行為をしていない女性でも発症することがあります。
細菌性膣症の検査方法

当院で行う細菌性膣症の検査は培養法を取り入れております。検体を培養するため、検査結果をご報告するまで3日〜5日かかります。
女性の膣ぬぐいによる検査を行います。当院は採取用トイレを増設しております。細菌性膣症の検査をするためにご自身の性器を見せる必要はございません。
細菌性膣症の治療方法

当院の細菌性膣症の治療方法は下記の内服薬を第一選択薬としております。
- メトロニダゾール 250mg × 1日2回 7日間
妊娠中の女性の方は、内服薬ではなく膣錠を経膣する治療方法をご案内いたします。
細菌性膣症の検査・治療料金
尿道炎は、原因菌を判明させる必要があります。尿道炎を発症した方には下記の検査プランをお勧めしております。
- 一般細菌(雑菌)検査
- 2,000
- カンジダ検査
- 2,980
- 淋菌・クラミジアチェック
- 6,980
- 女性器チェック
- 19,800
- マイコ / ウレアプラズマチェック
- 8,980
- 細菌性膣症 治療
- 4,980
細菌性膣症 よくあるご質問
A.
細菌性膣症は性感染症とは異なりますが、性行為をきっかけに発症することがあるため、「性感染症関連疾患」として扱われることがあります。
A.
原則としてパートナー治療の必要はないとされていますが、再発を繰り返す場合には、パートナーに検査を促す必要があります。
A.
市販薬では効果が不十分なことが多く、自己判断での使用は推奨されません。医療機関での検査・処方を受けることが確実です。
A.
灰白色で水っぽいおりものや、魚のようなにおいがある場合は、細菌性膣症の可能性があります。ただし、カンジダ膣炎やトリコモナスなど他の疾患でも似た症状が出ることがあるため、検査により原因菌を把握する必要があります。
A.
はい。細菌性膣症は性行為歴のない方でも発症することがあります。ホルモンバランスの変化やストレス、過度な洗浄なども原因となり得ます。必ずしも性行為が原因とは限りません。