性病知識

性病の潜伏期間|潜伏期間中の検査や治療について解説

性病は感染しても明らかな症状が出現しないことが多くあります。症状に気付いたころには、症状が悪化している可能性があるため、正しい知識を持ち、早期発見・早期治療を心がける必要があります。

性病といっても種類はさまざまで、性病それぞれに潜伏期間や症状の違いがあります。今回は、様々な性病の潜伏期間や検査時期・治療や感染について解説いたします。

事前来院受付
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この記事の監修ドクター

百束 全人 ペアライフクリニック横浜院

平成30年 日本医科大学医学部 卒業

▼資格
日本性感染症学会 会員
日本感染症学会 会員
日本エイズ学会 会員

直接人の役に立ちたいと医学の道を志し、泌尿器科・皮膚科での経験を経て、ペアライフクリニック院長に就任。

性病の潜伏期間と検査可能時期

性病は症状が似ているものが多く、自己判断だけではどの病気が原因で症状が出ているか特定することが難しい場合があります。そのため、各性病ごとの潜伏期間や検査可能な時期を確認し、症状に当てはまる可能性のある性病をまとめて検査することが推奨されます。これにより、早期発見・早期治療につながり、症状の悪化や感染拡大を防ぐことができます。

性病潜伏期間検査可能時期
HIV数ヶ月~10年以上1ヶ月〜
梅毒3~6週間後1ヶ月〜
クラミジア1〜3週間後感染の機会からすぐ
淋病2~7日後感染の機会からすぐ
尖圭コンジローマ3週間〜8ヶ月後症状が出てから
性器ヘルペス2~10日後症状が出てから
マイコプラズマ1〜3週間後感染の機会からすぐ
トリコモナス5~14日後感染の機会からすぐ
カンジダ1〜5週間後感染の機会からすぐ
A型肝炎2〜7週間3ヶ月〜
B型肝炎1〜6ヶ月3ヶ月〜
C型肝炎2週間〜6ヶ月3ヶ月〜

性病の潜伏期間とは

主な性病の潜伏期間は、感染機会のあった日から最短で1日~最長6ヶ月以上と幅広い特徴があります。潜伏期間は、病原体に感染してから初発症状が現れるため、潜伏期間中に症状がないからといって検査や治療を放置してはいけません。

潜伏期間中であることに気づかず感染の原因となる行為をすると大切なパートナーにピンポン感染させてしまうだけではなく、二次感染により症状が悪化するリスクが伴います。こうしたリスクを回避するためには、性病の特徴や症状について正しく知ることが大切です。

各性病潜伏期間について

HIV

HIVの潜伏期間は個人差が大きく、数か月から10年以上と幅が広いことが特徴です。また、HIVに感染しても、直後から自覚症状が現れるとは限りません。

初期には症状がまったく出ないことや、発熱や倦怠感など風邪に似た軽い症状のみで自然に治まることもあります。そのため、感染に気づかないまま日常生活を送っているケースも少なくありません。

HIVの潜伏期間について

梅毒

梅毒の潜伏期間は、感染からおよそ3週間前後とされています。この時期を過ぎると、梅毒特有のしこり(硬性下疳)や潰瘍、リンパ節の腫れ、発熱などの症状が現れることがあります。

感染から1年未満の期間は「早期梅毒」と呼ばれ、その初期段階を早期梅毒Ⅰ期といいます。早期梅毒Ⅰ期の症状は、1週間程度で自然に消失することもありますが、これは治癒したわけではありません。

症状が消えても、体内には梅毒の原因菌が残ったまま潜伏している状態が続きます。このように、症状が現れない期間を潜伏梅毒と呼び、気づかないうちに病状が進行してしまうケースも少なくありません。

梅毒の潜伏期間

クラミジア

クラミジアの潜伏期間は、一般的に1〜3週間程度とされています。ただし、潜伏期間には個人差があり、免疫力や体内に侵入した菌の量などによって異なります。

また、クラミジアは感染していても自覚症状が現れないことが少なくありません。そのため、感染リスクのある行為があったにもかかわらず症状が出ていない場合でも、感染していないとは限らない点に注意が必要です。

クラミジアの潜伏期間

淋病

淋病

参照:jmedmook58 あなたも名医!外来でどう診る?性行為感染症

淋病の潜伏期間は、一般的に2〜7日程度とされています。他の性感染症と比べて潜伏期間が短い点が特徴です。

また、淋病は無症状のまま経過することもあるため、自覚症状がない場合でも感染している可能性があります。感染の疑いがある場合には、早めに性病検査を受けることが大切です。

淋病の潜伏期間

尖圭コンジローマ(HPV低リスク型)

尖圭コンジローマの潜伏期間は数週間から約8か月と幅が広く、感染した時期を特定することが難しい感染症です。主に性器周辺に、いぼ状や鶏冠(とさか)のような病変が現れますが、痛みや痒みなどの自覚症状が出ないことが多いとされています。

また、粘膜同士の接触によって感染するため、自覚のないまま感染し、パートナーへうつしてしまう可能性も高い点が特徴です。

尖圭コンジローマの潜伏期間

性器ヘルペス

性器ヘルペス

参照:国立感染症研究所

性器ヘルペスは、初めて感染した場合、感染機会から2〜10日程度の潜伏期間を経て症状が現れるとされています。ただし、感染していても症状が出ず、無症状のまま経過するケースも少なくありません。

また、ヘルペスウイルスは一度感染すると体内から完全に排除することができず、治療後もウイルスが神経節などに潜伏した状態が続きます。そのため、体調不良や免疫力の低下をきっかけに、症状を繰り返すことがあります。

性器ヘルペスの潜伏期間

マイコ・ウレアプラズマ

マイコプラズマウレアプラズマの潜伏期間は、一般的に1〜3週間程度とされています。潜伏期間とは、感染のきっかけとなる性行為などの接触後、体内で菌が増殖し、症状として現れるまでの期間を指します。この期間には、免疫力や体調、侵入した菌の量などによって個人差があります。

また、感染リスクのある行為があった場合でも、症状が出ていないからといって感染していないとは限りません。潜伏期間中は症状が現れていないだけで、体内にはすでに原因菌が存在している可能性があります。さらに、マイコプラズマ・ウレアプラズマは感染していても無症状のまま経過するケースが多い点も特徴です。

マイコ・ウレアプラズマの潜伏期間

トリコモナス

トリコモナスの潜伏期間は、男性ではおよそ10日程度、女性では5〜14日前後とされています。潜伏期間とは、感染のきっかけとなる行為から、体内で原虫が増殖し症状が現れるまでの期間を指します。

ただし、この期間には個人差があり、免疫力や感染した原虫の数、繁殖の程度などによって大きく異なります。そのため、感染リスクのある行為があった場合でも、症状が出ていないからといって感染していないとは限りません。

中には、感染から数か月、場合によっては6か月以上経過してから症状が現れるケースもあります。

トリコモナスの潜伏期間

カンジダ

カンジダの潜伏期間は一般的に1〜5週間程度とされていますが、感染状況や性別、体調によって発症時期には個人差があります。男性では感染後、数日で亀頭部に発赤や痒みが現れることもあり、検査は感染機会から数日後に可能です。

カンジダは性行為による感染だけでなく、免疫力低下などをきっかけとした自己感染(日和見感染)として発症するケースが多い点が特徴です。

A型肝炎

ウイルス感染後、2〜7週間の潜伏期間を経て発熱や倦怠感、食欲不振などが現れ、数日後に黄疸を認めることがあります。潜伏期間が長いため、感染機会の特定が難しい場合もあります。

A型肝炎について

B型肝炎

B型肝炎ウイルス(HBV)に初感染した場合、1〜6か月の潜伏期間を経て発症することがあります。潜伏期間後には倦怠感、吐き気、黄疸、尿の褐色化などの症状が現れる場合がありますが、症状が出ないまま経過する不顕性感染も少なくありません。

B型肝炎について

C型肝炎

感染後2〜14週間の潜伏期間を経て、発熱や倦怠感、黄疸などを伴う急性肝炎を発症することがありますが、発症は稀とされています。感染が持続した場合には、10年以上の経過をかけて免疫反応により肝臓が慢性的に障害され、線維化が徐々に進行します。

C型肝炎について

性病の潜伏期間でも感染するのか

潜伏期間とは、病原体に感染してから症状が現れるまでの期間を指すだけでなく、感染後に他者へ感染を広げる可能性が生じるまでの期間という意味も含まれます。症状がない場合でも、体内にウイルスや細菌が存在していれば、性行為によって相手に感染を伝播させる可能性があります。そのため、性感染症は潜伏期間中であっても感染が起こり得ます。

なかでもクラミジアは、無症状あるいは症状に気づきにくい感染症のひとつです。自覚のないまま放置すると、将来的に不妊症の原因となることもあり注意が必要です。また、体調や免疫力の低下によっては、二次感染などにより症状が悪化する場合もあります。

感染の可能性がある行為に心当たりがある場合や、違和感・症状がみられる場合は、オーラルセックスを含む性行為を控えましょう。性器や咽頭など粘膜同士の接触によって感染が広がるリスクがあります。さらに、治療中も性行為は控え、身体を十分に休めることが大切です。

性病の潜伏期間中でも検査可能なのか

性感染症は、種類ごとに潜伏期間が異なります。ここからは、性病の潜伏期間中に受ける検査について詳しく解説します。

潜伏期間はあくまで目安であり、症状がない場合でも感染の可能性がある場合には、早めの検査が重要です。ただし、検査のタイミングで注意すべき点として、ウィンドウ・ピリオドがあります。

ウィンドウ・ピリオドとは、感染していても検査で病原体が検出されない期間を指します。そのため、感染直後に検査を行うと、正確な結果が得られない場合があります。また、この期間を考慮せずに検査を受け陰性だった場合でも、その後に病原体が検出されることがあります。

性感染症の潜伏期間やウィンドウ・ピリオド、症状の現れ方には個人差があります。検査可能な時期に該当しない場合でも、気になる症状がある場合や不安がある場合には、一度当院へご相談ください。

性病検査について

性病の潜伏期間中の注意点

潜伏期間中は症状が現れていないだけで、皮膚や粘膜の接触によって他人に感染させてしまう可能性があります。また、この期間の性行為によって、自身が相手から性感染症に感染するリスクも否定できません。そのため、定期的に性病検査を受けて現在の感染状況を確認することが重要です。早期発見・早期対応は、重症化を防ぐためにも大切です。

性病を予防するためには

性病を予防するためには、コンドームを使用する、定期的な性病検査を受ける、特定のパートナーと飲み性行為をする。他に、予防薬とワクチンを接種するという選択肢があります。

性病予防について

予防薬

予防薬(ドキシぺっぷ)

ドキシペップ(Doxy-PEP)は、性行為後72時間以内にドキシサイクリン(ビブラマイシンなど)を内服することで、梅毒・淋病・クラミジアといった細菌性性感染症の感染リスクを低下させることを目的とした予防法です。

一方、PrEP(曝露前予防)は、HIVに感染していない人が抗HIV薬を継続的に内服することで、性行為などによるHIV感染を防ぐ方法です。体内でHIVの定着や増殖を抑える効果が期待されています。

また、PEP(曝露後予防)は、HIV感染リスクのある行為後に抗HIV薬を服用する緊急予防法で、効果を得るためには曝露後できるだけ早く、遅くとも72時間以内に内服を開始する必要があります。

コンドームで予防できる確率

コンドームの使用は性感染症予防に有効ですが、すべての感染を完全に防げるわけではありません。相手が感染している場合の予防効果の目安として、HIVは約80%、淋菌は約90%、クラミジアは約60%とされています。

特に、淋菌やクラミジアは性器だけでなく皮膚や粘膜同士の接触によっても感染するため、コンドームを使用していても覆われていない部位が接触することで感染する可能性があります。そのため、コンドームの使用に加え、定期的な検査を併用することが重要です。

潜伏期間中にすぐ検査してすぐに治療

潜伏期間中にすぐ検査してすぐに治療

性感染症は、潜伏期間中であっても体内に病原体が存在している場合があり、症状が出る前に検査を受けることが重要です。感染の可能性に気づいた時点ですぐに検査を行い、結果に応じて早期に治療を開始することで、症状の重篤化や合併症のリスクを抑えることができます。

また、早い段階で対応することで、症状が現れる前に治療を完了できる可能性もあり、結果としてパートナーに知られずに治療まで進められるケースもあります。自身の健康と周囲への影響を守るためにも、定期的な検査と早めの受診が大切です。

性病治療について

性病の潜伏期間まとめ

今回は、性病全体の潜伏期間や症状、感染、検査時期について解説しました。性病には潜伏期間があり、なかには無症状のまま経過するものもあるため注意が必要であることがおわかりいただけたのではないでしょうか。

潜伏期間や症状は個人差があるため、気になる症状がある場合や心当たりがあり不安な場合には、当院へご相談ください。

性病の潜伏期間について

よくあるご質問

A.

いいえ。性病は感染しても自覚症状が出ないことが多くあります。特に女性は無症状のまま経過するケースが多く、気づかないうちに感染が進行していることもあります。

A.

感染の可能性がある行為からの経過時間によって異なります。例えば、淋菌やクラミジアは24時間以上経過していれば検査が可能ですが、梅毒やHIVは一定の潜伏期間を経ないと正確な結果が出ません。

A.

はい。無症状でも感染しているケースは少なくありません。自覚症状がないままパートナーに感染させてしまうリスクもあるため、心当たりがある場合や定期的なチェックとして検査を受けることをおすすめします。

A.

性病検査は、ペアライフクリニックのほか、保健所、泌尿器科、産婦人科などで受けることが可能です。ペアライフクリニックでは、予約・保険証不要、匿名での受診が可能で、迅速検査にも対応しています。

A.

多くの性病は、適切な治療を行うことで完治が可能です。ただし、耐性菌によって治療が長引くケースもあるため、治療後は陰性確認検査を受けることが重要です。当院では、完治確認までしっかりサポートしています。

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