性器ヘルペスは性行為で起こりやすい感染症です。しかし、必ずしも性行為のみで感染する訳ではありません。性器ヘルペス症状があるにもかかわらず、該当する性行為に心当たりがない方は、性行為以外の感染経路により感染している可能性も考えられます。

本記事では、性器ヘルペスの原因と感染経路についてくわしくご紹介します。ぜひ最後までご覧ください。

性器ヘルペスの主な感染経路(うつり方)

性器ヘルペスは、感染すると性器に水ぶくれができたり浅くただれたりして、つらい症状に悩まれる方も多い性感染症です。そもそも、ヘルペスウイルスには、単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)または、2型(HSV-2)の2つの型があります。なかでも、性器ヘルペスは単純ヘルペスウイルス2型に分類され、性感染症の1つとされています。

性器ヘルペスには2つの感染経路があります。1つ目は性器から性器への感染。2つ目はヘルペスウイルスが付着した物品との接触による感染です。

ここからは、それぞれの感染経路についてくわしく解説していきます。

性器ヘルペス感染経路①性器→性器

性器ヘルペスの感染において、高い割合を占める経路が、性器同士の接触によるものです。具体的には、性行為やオーラルセックスによる感染が多く見られます。

性器ヘルペスをはじめとする単純ヘルペスウイルスは、一度感染すると生涯持続し、完治することはありません。症状が出ていない場合でも、単純ヘルペスウイルスは神経節に潜伏し続けます。また、感染しても無症状の場合があり、気づかずに性器同士が接触することでもう一方の性器にも感染してしまうのです。

性器ヘルペスは性行為を通して、男性器から女性器、女性器から男性器へと感染します。単純ヘルペスウイルスが性器や性器周辺の皮膚に付着することにより、複数の水ぶくれやただれを起こします。そのほか、初期感染では発熱や全身痛、リンパ節の腫れなどの症状を引き起こします。初期感染のあとは、軽度な症状を再燃させることがあり、再燃する頻度は時間とともに減少するのが特徴です。

性器同士による感染を予防するためには、HSV-2を保有する相手との直接的な性的接触を避けることが一番です。しかし、保有していても無症状である場合は、感染に気づくことが困難でしょう。その場合は、確実にHSV-2を保有していないことが分かる場合以外、性器を直接的に接触させないよう、コンドームの使用やオーラルセックスを避けることが大切です。

性器ヘルペス感染経路②物品との接触

性器ヘルペスである単純ヘルペスウイルス2型は、症状が出現している皮膚や体液との接触で伝播します。そのため、ウイルスが付着した便座やタオル、浴室の椅子などの物品を介して感染することもあるのです。

また、性器ヘルペスの症状は性器以外にも、お尻や太ももに症状が出現することがあるため、接触した物品を適切に処理することが重要です。感染拡大を予防するための方法としては、症状が出現しているときは、接触した物品をエタノールで消毒するようにしましょう。

ほかにも、性器ヘルペスの症状がある場合、下着に付着している可能性もあります。下着を洗濯する際は、15分以上煮沸消毒するかエタノールで消毒してください。

これらの感染拡大予防は、症状が出現していないときには不要です。

性器ヘルペスの原因として可能性がかなり低い感染経路(うつり方)

性器ヘルペスは性器の接触もしくは感染した皮膚や体液の接触により伝播する感染症です。そのため、以下のような原因で感染する可能性はかなり低いでしょう。

  • 会話する
  • 手をつなぐ
  • 同じお風呂に入る

このような日常生活レベルでの行為において感染するリスクは低いと考えられています。しかし、無症状でも感染していたり再燃していたりする場合もあるため、上記のような行為以外で患部が直接触れるような行為は避けることが避けるようにしてください。

また、初期感染や症状の再燃がある場合には、免疫力の低下や症状悪化のリスク、また感染拡大のリスクがあるため、公衆浴場やプールなどの利用は控えるようにしましょう。思わぬ感染症を合併することにも繋がりかねないため、症状が出現している場合には安静にし休息を取るように心がけてください。

性器ヘルペスの感染原因(うつり方)となる行為

これまで、性器ヘルペスの原因として可能性が低い感染経路についてご紹介しました。ここからは、性器ヘルペスの感染原因となる行為についてご紹介します。

症状が出ているとき

症状が出現している際は、ヘルペスウイルスが大量に排出されています。性器ヘルペスの初期感染や症状の再燃がある場合には、まず性行為は控えることが大切です。相手への感染拡大リスクはもちろん、性器粘膜が炎症を起こした状態であり、症状の悪化をきたす恐れがあります。

このほか、口唇ヘルペスで知られるHSV-1型に感染している方が、口唇ヘルペスを手で触れた後に性器に触れると感染することもあります。症状が出現している場合には、感染拡大予防のために性行為を控え、患部が接触した物品の消毒や手指の清潔を心がけましょう。

症状が出ていないとき

症状が出現していない場合も、性器の皮膚表面や粘膜にウイルスが出現していることがあります。性器ヘルペスは会話や手をつなぐ等、日常生活レベルの行為で感染する可能性は低いと考えられています。

しかし、一度感染したらウイルスが体内からいなくなることはありません。症状が出ていないときも性行為の際はコンドームの使用やオーラルセックスを控えるなどの予防策が必要です。

また、感染したことに気づかない場合も多くあるのが性器ヘルペスの特徴の一つです。症状が出ていなくても感染を伝播させてしまう恐れがあります。もし、性器同士が直接接触した場合やウイルスが付着した物品と接触した場合は、すみやかに手洗いや消毒を行い清潔を保つようにしましょう。